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スズキ GSX-S1000GT インプレッション【快適性と運動性のバランスが絶妙】

掲載 更新 13
スズキ GSX-S1000GT インプレッション【快適性と運動性のバランスが絶妙】



軽い速い快適! 3拍子揃ったGSX-Rツアラーだ! 【スズキGSX-S1000GT】丸山浩の試乗インプレッション

’20年モデルで生産終了となったフルカウルのGSX-S1000Fの後継として、新たに誕生したのが「GT」だ。SIRS(スズキインテリジェントライドシステム)の導入によりマシン全体の電脳化を促進。果たして打倒ニンジャ1000SXなるか!?

●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:スズキ

スズキ GSX-S1000GT 概要

―― 【SUZUKI GSX-S1000GT】■全長2140 全高1215 軸距1460 シート高810(各mm) 車重226kg ■水冷4スト4気筒DOHC4バルブ 998cc 150ps/11000rpm 10.7kg-m/9250rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量19L ■ブレーキF=Wディスク R=ディスク ■タイヤF=120/70ZR17 R=190/50ZR17 ●色:青 濃青 黒 ●価格:159万5000円

―― 【GSX-S1000Fの後継は正統派ツアラー】’21年にフルチェンジしたネイキッドのGSX-S1000をベースに、シートレールを新作。風洞実験や空力解析によって生まれたスタイリングは、ミラーまでもが防風効果に貢献している。軸距/キャスター角/エンジン諸元などはGSX-S1000と共通で、車重は12kgプラス。価格は16万円差となっている。

―― シート高はGSX-S1000と同じ810mmで、足着き性は良好な部類。23mmワイドかつライダー側に14mm近付いたハンドルにより、上半身はややアップライトに。[身長175cm/体重68kg]

[◯] 直列4気筒の味わいを再確認。これぞシリーズの集大成

秀作が誕生した。先代に当たるGSX-S1000Fは、フルカウルでありながら防風性能は必要最小限であり、スーパースポーツをアップハンドル化しただけのような割り切ったキャラだった。これに対して新型は、グランツーリスモの頭文字「GT」を冠するだけあって、高い運動性能と快適な巡航性能を併せ持つ、正統派スポーツツアラーへと生まれ変わっており、その完成度に驚かされた。

ベースとなっているのは’21年にフルモデルチェンジしたネイキッドのGSX-S1000で、フレームや足まわりなどの基本骨格、最高出力150psの水冷直4エンジンは共通である。最も大きな違いを感じたのはハンドリングと防風効果で、特に前者はこのGTありきでメインフレームを設計したのではと思うほどにバランスがいい。フルカウルでありながら、GSX‐S1000の持つ倒し込みや切り返しの軽快感はほぼ失われておらず、そのうえでカウリングによる重量増や空力特性が加わり、フロントの接地感および前輪から向きを変えるという印象が高まっている。さらに、高速巡航時の前後サスの作動性も優秀で、路面の継ぎ目で跳ねがちだったS1000よりも明らかに乗り心地がいい。

防風効果については、適度にヘルメットをかすめるぐらいに減じられるレベルで、完全に無風状態になるわけではない。とはいえ、風圧によるストレスはS1000よりも圧倒的に少なく、またスクリーンの上端が目障りになることもない。コンセプトに合致したバランスなのだ。

エンジンは、S1000と同様に電子制御スロットルを筆頭とするSIRS(スズキインテリジェントライドシステム)を導入しており、このGTではクルーズコントロールを追加している。全体の印象はS1000と大差ないが、今回感じたのはツアラーとしての味わい深さだ。一般道で多用する4000rpm以下に大排気量直4ならではの豊かな脈動感があり、これが高速巡航中に心地良く感じられた。移動距離が長いツアラーはエンジンとの対話も楽しみの一つであり、これもGTの美点だ。

スズキ GSX-S1000GT ディテール解説

―― 法規制に対応したGSX-S1000と共通の998cc水冷並列4気筒。電子制御スロットル/クイックシフター/トラクションコントロール/クルーズコントロール/ライドモード/ローRPMアシストなどを採用。 [写真タップで拡大]

―― 【標準装着のロードスポーツ2はGT専用品】φ43mm倒立式フォークとリヤショックはKYB製で、フロントはフルアジャスタブル、リヤはプリロードと伸び側減衰力が調整可。ブレンボ製のラジアルマウントキャリパーなどブレーキセットはネイキッドのGSX-S1000譲り。タイヤは内部構造を変更したGT専用品だ。 [写真タップで拡大]

―― 燃料タンクの形状はGSX-S1000と共通で、容量19Lは先代のFより2L増えている。 [写真タップで拡大]

―― 前後のシートと左右分割式のグラブバーは形状や材質を吟味して快適性を追求。タンデムシートの裏面には荷かけループあり。ETC2.0車載器を標準装備。 [写真タップで拡大]

―― サイドケースの装着を前提としているため、テールカウルは非常にスリムな設計だ。なお、純正アクセサリーにハイスクリーンはあるが、トップケースはなし。 [写真タップで拡大]

[△] 初期タッチがやや甘いフロントブレーキが気になる

ブレーキレバーを引いてから制動力が発生するまでのタイムラグが大きく、峠道はもちろん街中でも早めに握り始める必要あり。その先の制動力の高さとコントロール性はさすがブレンボキャリパーで、フル積載+タンデムでも不足はないはず。

[こんな人におすすめ] 本当の意味で万能的に使える、実直なモデル

先代F比で価格は32%もアップしたが、カワサキケア付きのニンジャ1000SXより7万2000円高いだけであり、十分に競争力はある。少数派になりつつある大排気量並列4気筒を、どんな場面でも扱えるように磨き上げたスズキ会心の一撃だ。

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みんなのコメント

13件
  • スポーツツアラーとして魅力的だが、パニアケースとトップケースの併用不可なのは大きなマイナス。
    ロングツーリングでの足枷になってしまう。
  • ほとんどソロツーリングで今のバイクはものすごく古くなったので良いツアラーが欲しいが、年取って取り回しの重さがネックになってきている。走りだせば楽なのはわかっているが。
    1000cc以下でも良いが、車重180kg程度のツアラーバイクが欲しい。
    250ccクラスは長いツーリングや高速にはパワー不足だし、1000ccは重すぎる。
    まだ当分古いバイクでツーリングになりそうだ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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