ファストバックとSUVのスタイルを融合させた新型プジョー408が日本上陸

　Stellantisジャパンは2023年6月20日、プジョー・ブランドの新たなCセグメントモデルに位置する新型408を発表し、7月1日より販売を開始した。

車種展開は以下の通り。

408アリュール：429万円（受注生産）

408GT：499万円

408GTハイブリッド：629万円

408GTハイブリッド ファーストエディション：669万円（販売台数80台）

　従来のプジョー408は、Cセグメントハッチバックの旧308と基本コンポーネントを共用する4ドアセダンモデルで、中国や南米市場などをメインに販売していた。今回のフルモデルチェンジで第3世代に移行する新型408は、より幅広い市場で発売するグローバルモデルに発展。ボディタイプは3ボックスセダンのほかに、ダイナミックなファストバックシルエットとSUVの特徴的なコードを融合したクロスオーバーモデルを設定する。日本市場には、このクロスオーバーモデルを導入した。

　基本骨格には進化版のEMP2（Efficient Modular Platform 2）を採用。エクステリアはダイナミックなファストバックフォルムと、車高を高めたうえで厚みを持たせたSUVのロアフォルムを巧みに融合させて、スポーティかつ力強いクロスオーバースタイルを創出する。空気抵抗係数（Cd値）は0.28を実現。ボディサイズは全長4700×全幅1850×全高1500mm、ホイールベース2790mmに設定した。

　各部のアレンジにもこだわり、新世代のブランドエンブレムを中央に配したうえで、そこに向かって収束する新意匠のグリルや彫りの深いスリムなLEDヘッドランプ、ライオンのかぎ爪を模したLEDデイタイムランニングライト、滑らかなラインを描くノーズおよびボンネットなどによって存在感あふれるフェイスを演出。一方でサイドビューは、シンプルで滑らかな面構成を基調に、流麗かつ伸びやかなルーフラインや19インチの大径アロイホイール（GTは19インチアロイホイール“GRAPHITE”、アリュールは19インチアロイホイール“JASPE”。タイヤは205/55R19サイズ）およびホイールアーチに配したサイドガード、後方に行くにしたがって窄まっていくシャープな造形のサイドウィンドウなどを配して、力強く躍動感のあるルックスを表現する。そしてリアセクションは、“キャットイアー”と称するルーフ後端の2分割式リアスポイラーやライオンの爪痕を思わせる3本のLEDコンビネーションランプ、新ブランドエンブレムを中央に配してリアを横切る特徴的なキャラクターライン、安定感を強調する幅広のバンパーおよびディフューザーなどを組み込んでスポーティかつ印象的な後ろ姿を具現化した。ボディカラーはオブセッションブルー、パールホワイト、エリクサーレッド、ぺルラネラブラックの4色をラインアップ。ファーストエディションはオブセッションブルーのみを設定し、メッシュシェード付きのパノラミックサンルーフを特別装備した。

　内包するインテリアは、ドライビングエルゴノミクスを最適化する最新世代のプジョーi-Cockpitを採用。ドライバーの目線の高さに配置したメータークラスターには、様々な情報を的確に表示する10インチのデジタルパネルを配し、さらにメータークラスターよりやや低めに10インチの高精細センタータッチスクリーンを組み込むことで、視認性と操作性を高次元で両立させる。また、GT系には高機能なi-Connect Advancedを導入。センター部にはバーチャルi-toggleと称するトグルスイッチを配備し、それぞれのi-toggleはエアコン設定や電話連絡、ラジオ局、アプリケーション起動などへのタッチセンサー式ショートカットキーの役割を担っている。

　センターコンソールのデザインも要注目。運転席側のアーチ状の部分には操作系をまとめてレイアウトし、8速ATのモードおよびパーキング／マニュアルを瞬時に選択できるシフトスイッチや、エンジンに応じて異なるモードに切り替えられるドライビングスタイルセレクターを配備する。キャビンスペース自体は、ロングホイールベースの採用によって、とくに後席のニースペースを広げたことがトピック。シート表皮はGT系がテップレザー／アルカンタラを、アリュールがテップレザー／ファブリックを、そしてファーストエディションがナッパレザーを張る。ファーストエディションにはフォーカル製HiFiオーディオも装備した。一方、ラゲッジスペースは後席使用時でアリュールおよびGTが536リットル、GTハイブリッドが471リットル、後席シートバック可倒時でアリュールおよびGTが1611リットル、GTハイブリッドが1545リットルの容量を確保。GT系にはハンズフリー電動テールゲートも配備している。

　パワーユニットには、進化版の“PureTech”1199cc直列3気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン（最高出力130ps/5500rpm、最大トルク230Nm/1750rpm）と、“PureTech”1598cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン（最高出力180ps/6000rpm、最大トルク250Nm/1750rpm）に電気モーター（最高出力81kW/2500rpm、最大トルク320Nm/500～2500rpm）とリチウムイオンバッテリー（総電力量12.4kWh）を組み合わせたプラグインハイブリッド（PHEV）を設定。トランスミッションはガソリン仕様に改良版のEAT8（電子制御8速AT）を、PHEV仕様にe-EAT8を採用し、いずれも前輪駆動で仕立てる。燃費性能はWLTCモードでガソリン仕様が19.1km/リットル、PHEV仕様が17.1km/リットルを実現。また、PHEV仕様はEV走行換算距離（WLTCモード）で66kmを確保し、日常生活における多くのシーンをEV走行でカバーすることができる。充電に関しては、6kWチャージャーを使用した場合で約2 時間30分での満充電を達成。さらに、MY PEUGEOTアプリによるリモート操作での充電の予約や確認も可能としている。

　先進安全運転支援機構の面では、最新のドライバーアシスタンスシステムを採用。具体的には、ストップ＆ゴー機能付アクティブクルーズコントロールやレーンポジショニングアシスト／レーンキープアシスト、360°ビジョン（フロント＆サイドカメラ付）、ブラインドスポットモニター（ロングレンジ）などの機能を装備して、安全性能をいっそう向上させた。

　なお、プジョーは今後、408シリーズにEVモデルのe-408を追加するとアナウンスしている。