FIA F2選手権第5戦モナコのレース2が行なわれ、フェリペ・ドルゴビッチ(MPモータースポーツ)が優勝を飾った。
舞台となるのは、伝統のモンテカルロ市街地コース。現地時間10時前の時点では心配されていた雨もなく、青空が広がった。
■クラッシュ喫したペレス、タイヤのウォームアップ不足を悔やむ「タイヤが冷えていてピーキーだった」
F2のレース2は、タイヤ交換義務のあるフィーチャーレース。ポールポジションには、予選でクラッシュしながらもグループAトップとなったドルゴビッチがつけた。その隣2番手はテオ・プルシェール(ARTグランプリ)が並んだ。
そのドルゴビッチのクラッシュの影響を受け、予選タイム抹消を受けた岩佐歩夢(DAMS)は12番グリッド。佐藤万璃音(ヴィルトゥオーシ・レーシング)は17番手だ。
今回のレースは、赤いラインが入ったソフトタイヤ、もしくは紫のラインが入ったスーパーソフトタイヤが使用されるが、スタートの段階では各車のタイヤ選択が入り乱れる形となった。
フォーメーションラップでは、リアム・ローソン(カーリン)とロイ・ニッサニー(DAMS)が動けず、ピットレーンスタートになってしまった。
42周(もしくは60分プラス1周)のレースがスタートすると、サン・デボーテでサイド・バイ・サイドになるマシンがありながらも、大きな混乱はなくドルゴビッチが首位キープ。レース1で勝利したデニス・ハウガー(プレマ)や岩佐が、スーパーソフトタイヤを活かしてオープニングラップでポジションアップし、ハウガーは9番手から5番手、岩佐は10番手にポジションを上げた。
ドルゴビッチはDRSが使用可能となるまでに後続に3秒の差をつける快走。一方、3番手のジャック・ドゥーハン(ヴィルトゥオーシ・レーシング)以降はDRSトレイン状態となった。
7周目を終えると、岩佐はいち早くピットイン。ソフトタイヤに履き替え、アグレッシブな戦略でポジションアップを狙った。ペースが悪くなりつつあったハウガーも、9周を終えたところでピットインした。
首位のドルゴビッチには、徐々にプルシェールが接近。3番手ドゥーハンにはユーリ・ヴィップス(ハイテック)が近づき、プレッシャーをかけていく。上位陣とは戦略が違うハウガーはピットアウト後、ファステストペースで周回を重ねたが、ピットに入らずペースが悪いマシンに詰まってしまう。
すると、最終コーナーでウォールにヒットし、ストレートで止まってしまったマシンが出たことで、セーフティカー(SC)出動。ソフトタイヤでスタートしたマシンはピットになだれ込んだ。
ドルゴビッチは首位をキープしたが、ヴィップスがピットでドゥーハンを逆転し3番手に浮上した。ハウガーはSCが不利に働き7番手。岩佐はピット前と順位変わらず、10番手となった。
リスタートはちょうどレース折り返しの22周目。SCに合わせてピットインしたマシンは、スーパーソフトタイヤでレース半分を走り切らなくてはならないという展開になった。しかしヘアピンで止まった車両があったため、再度SC出動。26周目にリスタートが切られた。
レース序盤は後続を置いていく走りを見せていたドルゴビッチだが、スーパーソフトタイヤではプルシェールを引き離すことができず、逆にテールに張り付かれてしまう。
プルシェールは果敢に攻めるも、トンネルでスピードに乗るドルゴビッチにオーバーテイクを仕掛られるほど接近できない。
息詰まる首位攻防がファイナルラップまで続いたが、最後までドルゴビッチは決定的なチャンスを与えずトップチェッカー。2位プルシェールはレース後、疲労からかぐったりした様子も見せた。3位にはヴィップスが入っている。
ドルゴビッチは、モナコのレース1こそバタバタの走りになってしまったが、前戦スペインでの連戦から波に乗り、チャンピオンシップのリードをさらに広げた。
10番手を走っていた岩佐は、終盤にローガン・サージェント(カーリン)にオーバーテイクを許し11番手に後退してしまう。最後はスーパーソフトタイヤでペースに苦しむカラン・ウイリアムズ(トライデント)を追い、最終周のヘアピンで勝負を仕掛けたが接触。これで両車、コース上でストップしてしまった。
これで、12番手を走っていた佐藤が一気に2ポジションアップ。10位でチェッカーを受け貴重な1ポイントを獲得した。
岩佐は果敢に攻めたが、予選でのペナルティから歯車が狂ったかのように結果にはつながらず。モナコでのポイント獲得はならなかった。
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