「心臓」がクルマを変える
発売当初から優れたエンジンを搭載したクルマは、すぐに有名になるし、誰もが知っている。ブガッティ・シロンが良い例だろう。
【画像】真面目な「標準車」から「ハードコア」に大変身【アウディRS4アバントを写真で見る】 全13枚
一方で、最初はごく平凡だったものの、新しいエンジンが追加されたり、既存のエンジンが大幅に改良されたりして魅力を高めたクルマも数多く存在する。
ここでは、エンジンを載せ替えたことで劇的な変化を遂げた31台をピックアップし、アルファベット順に紹介していく。
ACエース
1953年に登場したACエース(AC Ace)には、パワフルなフォード製2.6L直6「ウィンザー」エンジンをはじめ、複数のエンジンが用意されていた。そのハンドリングの良さから、エースは公道レーサーとして人気を博したが、米テキサス州のキャロル・シェルビー氏(1923-2012)には少々物足りなかったようだ。
シェルビー氏は自ら、フォードのウィンザー・エンジンを4.3L V8へ換装したコブラを開発する。排気量は後に4.7Lへと拡大され、レースでは輝かしい活躍を見せた。さらに、フォード7.0L V8「FE」エンジンを搭載した新世代のコブラでは、さらに力強さとカリスマ性が増している。
アルピーヌA110
初代A110(2017年発売の現行モデルではない)は当初、ルノーの小型エンジン「クレオンフォンテ(Cleon-Fonte)」を搭載していた。これが後に、ルノー16でデビューした大型の「クレオンアルー(Cleon-Alu)」に換装された。
ファミリーカーのルノー16にレースの素養があったというのは意外かもしれないが、同車のエンジンはA110を世界的な名車へと変貌させた。1973年のWRC世界ラリー選手権では、アルピーヌが6勝を挙げ、フィアットの84点、フォードの76点を抑えて147点を獲得。圧倒的な強さを見せつけた。
アウディA4
ここでアウディを取り上げないわけにはいかない。アウディのほとんどのモデルには、標準仕様よりもパワフルなエンジンを搭載した「S」や「RS」などの高性能バージョンがある。
A4はその典型的な1台で、歴代のRS4には常に素晴らしいエンジンが用意されてきた。特に注目したいのは、R8にも搭載されている4.2L V8エンジンだ。最高出力は400psを超え、標準のA4をはるかに凌ぐパワーとサウンドを誇る。
アウディQ7
Q7は堂々たる風格を備えた大型SUVだが、5.9L V12ディーゼルエンジンを搭載したQ7 V12 TDIは想定外の領域に達している。最高出力500psを発生し、車重2635kgと超ヘビー級でありながら、0-100km/h加速5.5秒という驚異的な速さを見せる。
ブレーキとサスペンションも十分高性能だが、この加速力は爽快であると同時に、ドライバーの気分次第ではちょっと危なっかしいものになるかもしれない。また、決して安い買い物ではない。
BMW M3
ほぼ例外なく、すべてのM3は、特別なエンジンによって標準の3シリーズとはまったく異なるキャラクターに仕上がっている。特に、2007年から2013年にかけて販売されたモデルは、4.0L(GTSでは4.4L)の「S65型」V8エンジンが素晴らしい働きを見せている。
S65型は数々の受賞歴がある優れたユニットで、この世代のM3ではベース仕様として初めて最高出力400psを超えた。過去にもM3にV8エンジンが搭載されたこともあるが、ごく少数のモデルに限られた。すべてのモデルで使用されたのはS65型が初めてだ。
キャデラックCT6
CT6といえば、フルサイズの高級セダンである。その高性能バージョンがCT6-Vで、最高出力558psの4.2L V8エンジン、通称「ブラックウィング」がもたらすパフォーマンスは非常に印象的なものである。また、CT6プラチナムにも最高出力500psのエンジンが搭載された。
これらは2019年のモデルイヤーのみ販売された。その後まもなく、販売不振と、デトロイト・ハムトラック工場がEV生産に切り替わることもあり、CT6は生産中止となった。ブラックウィングの名称は、CT4とCT5の高性能バージョンにも使用されているが、いずれも名前だけで、ブラックウィング・エンジンは搭載されていない。
シボレー・コルベット
コルベットは歴史上最も人気の高いスポーツカーの1つであり、1953年発売の直6エンジンを搭載した初代モデルがまったく売れなかったというのは、今となっては不思議な話だ。1955年、シボレーの4.3Lの「スモールブロック」V8が導入され、排気量は後に4.6L、さらに5.4Lへと拡大された。
このエンジンは、まさに米国国民が待ち望んでいたものであった。コルベットの販売台数を飛躍的に伸ばし、結局1962年まで生産され続けた。これがなければ、コルベットは早い段階で見切りをつけられたかもしれない。60年経った今でもコルベットは健在で、最新世代も変わらずV8エンジンを搭載している。
ダッジ・チャレンジャー
昨年生産終了した第3世代のチャレンジャーでは、非常にパワフルで驚異的なバージョンがいくつも販売されていた。その中でも、2018年モデルイヤーのみ販売されたSRTデーモンは群を抜いている。
スーパーチャージャー付き6.2L V8エンジンは、公道走行可能なダッジ車、ひいてはクライスラー車に搭載されたエンジンとしては史上最強のユニットである。オクタン価91のレギュラーガソリンで最高出力808psを発生するが、オプションの「デーモン・クレート」パッケージとオクタン価100のレース用燃料を使用すると、840psまでパワーアップする。
フィアット500
2007年発売のフィアット500には当初、複数の4気筒ガソリンエンジンが用意されていた。発売から3年後、フィアットはマルチエア技術を使用した2気筒の「ツインエア(TwinAir)」エンジンを導入した。
燃費はあまり芳しくなく、デュアルマス・フライホイールを追加するまでは振動も大きかった。しかし、人気の秘訣は何よりもその可愛らしさにある。500の外観と同じように、ツインエアはとても愛くるしいサウンドを奏でるのだ。
フォード・コルティナ
1962年に発売された初代コルティナ(Cortina)のほとんどのモデルは、プレ・クロスフロー(pre-Crossflow)形式の1.2Lまたは1.5Lの「ケント(Kent)」エンジンを搭載していた。翌1963年、新しいエンジンを導入し、大きな変貌を遂げたモデルが登場する。ロータス・コルティナである。
基本的にはケントと同じエンジンだが、シリンダーヘッドが全く異なるものであった。このエンジンは「ツインカム(Twin Cam)」と呼ばれ、コルティナとして初めて最高出力100psを超えた。その後も改良を重ね、レースやラリーで大活躍。1960年代のホットハッチとして今も語り継がれている。
フォード・エスコート
コルティナと同様、初代エスコート(Escort)もロータスのツインカム・エンジンを導入して名を馳せた。そのさらに上を目指したのが、1970年のコスワース「BDA」エンジンを搭載したエスコートRS1600だ。
ツインカムと同じく、ケント・エンジンをベースとしており、標準仕様はさほどパワフルではない。しかし、1気筒あたり4バルブを採用したためチューニングに対する柔軟性が高く、結果として初代エスコートは70年代初期から中期にかけて偉大なラリーカーとして知られるようになった。
今でも、フルチューンされたエスコートRS1600が森の中のラリーステージを駆け抜けるサウンドは、聞く者にとって忘れがたい経験となる。
フォード・シエラ
シエラ(Sierra)は、コルティナとモンデオの中間に位置する欧州フォードの中型車で、初期の頃はさまざまなエンジンが用意されていたが、大型のV6エンジンを除いて、特に目立ったものはない。転機となったのは、1986年以降のシエラRSコスワースに搭載された2.0L 4気筒エンジンである。
その基礎部分は、実績豊富なピント・エンジンをベースにした平凡なものだが、ターボチャージャーと16バルブの採用により性能が飛躍的に向上。最も “非力” なバージョンでも200ps以上を発生し、競技用としてさらに改良を加えれば、600psを上回ることも可能だった。
ホンダ・シビック・タイプR
シビック・タイプRは2001年以降、自然吸気の2.0Lエンジンを使用してきた。驚異的なパワーと8000rpmを超える高回転域での性能、そして革新的な可変バルブタイミング機構「VTEC」による効率性とスポーツ性の両立など、さまざまな特徴を備えている。
しかし、2015年にターボチャージャーが追加されたことで、状況は大きく変わる。エンジン回転数は比較的控えめな7000rpm前後に制限されたが、中速域のパワーが大幅に向上し、最高出力は310psに跳ね上がった。その後も改良が加えられ、最新モデルでは330psに引き上げられた。
ランチア・テーマ
1984年に登場したランチア・テーマ(Lancia Thema)は、アルファ・ロメオ164、フィアット・クロマ、サーブ9000と同じプラットフォームを採用した高級セダンだ。発売から2年後、エンジンの気筒数とバルブ数にちなんで「8.32」と名付けられた高性能バージョンが追加された。
排気量2.9Lと、テーマに用意されたエンジンの中では最大というわけではなかったが、出力は最強だった。フェラーリのディーノV8エンジンから派生した由緒正しきユニットで、アルファ・ロメオの3.0L V6を40ps上回る最高出力215psを発生。兄弟車のトップ争いを制したのである。
ロータス・ヨーロッパ
1965年に発表されたヨーロッパ(Europa)は、ミドエンジン方式を採用した市販スポーツカーとしてはごく初期の1台だ。従来のフォード製ドライブトレインではなく、当初はルノー16の「クレオンアルー」エンジンとトランスアクスルを搭載していた。
このトランスアクスルは生産終了時まで使われ続けたが、エンジンは途中でフォードベースの「ツインカム」に変更された。これにより、最終的に最高出力は126psまで向上し、当初よりはるかに高い加速性能を獲得した。
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