メカは変わらなくても、名前を変える
2020年11月にマイナーチェンジしたオデッセイ。2Lハイブリッド車の車両後部のエンブレムには、従来の「HYBRID」の代わりに新たに「e:HEV」というエンブレムが装着された。読み方は「イー エイチ イー ブイ」だ。
e:HEVはハイブリッド車のグレード名にも使われているが、もともとは駆動用と発電用の2つのモーターを搭載した独自のハイブリッドシステムの名称である。従来は「SPORT HYBRID i-MMD(intelligent Multi-Mode Drive)」の名前で呼んでいたが、メカニズム自体に変更なく、名前だけが変わったのである。
●高い環境性能と走りの楽しさを実現した2モーターハイブリッドシステム。駆動用モーターによる走りを基本としている
初めてこの名前がお披露目されたのが、2019年秋の東京モーターショーで、新型フィットとともに公開。市販車の発表日ベースでは2020年1月9日のステップワゴンの一部改良で、2モーターハイブリッドシステムを搭載した仕様を「e:HEV」と呼んだのを皮切りに、フィット(2月13日)、アコード(2月20日)、インサイト(5月29日)、CR-V(6月18日)と、新型や改良型になったタイミングで順次採用。そして今回のオデッセイにつながるわけだ。
●改良などのタイミングを見計らって「e:HEV」の名称を順次採用。2020年11月にはオデッセイがマイナーチェンジで名乗った
ではなぜ、「e:HEV」に変わったのか、ホンダに聞いてみた。
「電動の乗り物ですよということが言いたくて『e:』という言葉を使っています。エネルギーを有効活用するホンダの高効率電動化技術として『Honda e:TECHNOLOGY』というネーミング(※)を使い始めていて、そのハイブリッド版ということで、ハイブリッド・エレクトリック・ビークル=HEVを組み合わせました。ちなみに、社内ではハイブリッド車のことを『HEV(ヘブ)』と呼んでいます。ホンダの電動化コア技術である高効率・低燃費な2モーターハイブリッドを設定しているクルマに関しては今後、そういう呼び方に変えていきます。ブランドのなかで統一的にやっていきます。
これまで私たちが使っていた呼び方は『i-MMD』でしたが、他社さんのシステムの呼称に比べるとすごく覚えづらかったり、認知が浸透していないという点がありました。ただ仕組みとしては当然、採用を広げていきたいコア技術なので、ここで名前を一新して訴求をきっちり進めていくというような考えで変えています。
じつはただバッジを装着すればいいというものではなくて、システム起動の際にメーターに『i-MMD』というシステム名が表示されていました。さすがにその名前が残っているのも都合が悪いので、変更をきっちりやれるタイミングで変えていったというわけです」
わずか5文字だが、名前はじつに奥が深い。
※Honda e:TECHNOLOGYの「e:」には、「electric(電気)」を「energy(原動力)」にして、みんなの笑顔と元気を力強く「energize(活気づける)」していくという意味が込められている
〈文=ドライバーWeb編集部〉
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みんなのコメント
ブランディングとして一般的に浸透しているのってVTECくらいかな?
マニアにしかわからないところに誇りを持っているような節さえある。とっつきにくさがアイデンティティみたいな。