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ちょっと待った~!! 「MT車卒業宣言」しちゃう前に乗ってほしいラスイチ車5選

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ちょっと待った~!! 「MT車卒業宣言」しちゃう前に乗ってほしいラスイチ車5選

 30代以下の約7割がAT限定で運転免許を取得する現代において、MT車は絶滅の危機に瀕していると言っても過言ではない。とはいえ、根っからのクルマ好きのなかには今でも「MT車にしか乗りたくない」というコダワリ派も多いハズ。だがしかし、MT車の選択の幅は狭くなるいっぽう。そうなると、いよいよMT車を卒業するしかないのだが……。

 ちょっと待ったぁ。MT車を卒業するその前に、ここで紹介する5モデルをラスイチ車として選んでみてはどうだろうか?

ちょっと待った~!! 「MT車卒業宣言」しちゃう前に乗ってほしいラスイチ車5選

文/FK、写真/ダイハツ、トヨタ、ホンダ、マツダ

大幅改良のMAZDA2にMT車が生き残って…ホッとひと安心!?

内外装のデザイン変更が行われたMAZDA2。ボディカラーもaeroグレーメタリック(写真)とエアストリームブルーメタリックの2色が新たに採用された。写真はXD SPORT+

 マツダブランドの鮮明化を目的に2019年7月に従来のデミオから車名を変更したMAZDA2の大幅な商品改良が2023年1月に発表され、2023年3月から発売が開始されることになった。

 今回の商品改良では現行のスタイリッシュさを維持しながら、それぞれの機種の役割に合わせて共感が得られるキャラクターを付与するべく、フロント・リアバンパー・グリルなどのデザインを変更するとともに内装の見直しも実施。

 また、インパネには植物由来原料の材料を採用することで石油資源の使用量削減やCO2排出量の抑制、無塗装による揮発性有機化合物の削減など環境負荷の低減などにも貢献を果たしている。

 いっぽう、今回のテーマであるMT車は15 SPORT(ガソリンエンジン車)、XD SPORT+(ディーゼルエンジン車)の2グレードに設定。

 加えて、両モデルではブラックメタリック塗装と切削加工が施された16インチの専用アルミホイール、クロスブラックの専用メッシュグリル、赤ラインがアクセントとなるブラック基調のシートを採用することで、他のグレードとは一線を画すスポーティさが強調されている。

 また、モータースポーツベースのホットハッチとして知る人ぞ知る15MBの販売も継続。さすがは「好きを探せる相棒」をコンセプトとしているMAZDA2だけあって、引き続きMT車を設定してくれたことに拍手を送りたい。

日本でわずか数%! 6MTのトヨタ・ヤリスで超少数派を気取ってみませんか

大胆(BOLD)に、活発(BRISK)に、そして美しく(BEAUTY)。徹底的にムダをそぎ落したキャビンとボディ中心から前後タイヤに向かう引き締まった造形がアクティブな走りを予感させる

 一般社団法人 日本自動車販売協会連合会が発表した2022年1月~12月の乗用車ブランド通名別販売台数で1位に輝いたトヨタ・ヤリス。

 その人気の理由は枚挙に暇がないが、軽快なハンドリングと上質な乗り心地を両立したコンパクトカー向けのTNGAプラットフォーム(GA-B)と軽量・高剛性かつ低重心の新開発ボディがヤリスの良さをいっそう引き立てているといえよう。

 加えて、豊富なシリーズラインナップも魅力のひとつ。エンジンと駆動方式はそれぞれ3種類から、トランスミッションもガソリン車においては6MT、Super CVT-i、Direct Shift-CVTの3種類から選択でき、あらゆるオーナーのニーズに対応。それゆえに、6MTを選択する人はヤリス購入者全体の数%と超少数派となるが、逆の見方をすればピュアスポーツカーではなく日常のアシとして使用することがほとんどのヤリスにおいても6MTを選択する人が数%存在するという事実のほうが、なぜかうれしく感じてしまうのは気のせいか!? 

 また、ヤリスではトヨタ初のToyota Safety Senseはもとより、スマートフォンと連携するディスプレイオーディオを全車に標準装備する充実ぶり。それでいながら、6MT車の廉価グレードであるX(1.5リッターガソリンエンジン・6MT・2WD)の車両本体価格は154万8000円とリーズナブルなのだから……そりゃ売れて当然、欲しくもなるってもんだ。

ガソリンエンジン+6MTのマツダ・ロードスターが買えるのは今のうちかも?

軽いことによる楽しさを追求した最軽量グレードの“S” から、さらなるバネ下重量の低減を図った特別仕様車の990Sは2022年1月に登場

 マツダのスカイアクティブ技術とデザインテーマの魂動を採用した新世代商品第6弾として、2015年に登場した現行の4代目マツダ・ロードスター。

 デビューからまもなく8年が経過しようとしているが、今なお色褪せることがない洗練された美しいプロポーションと人馬一体がもたらす走りの良さが根強い人気を博していることは周知のとおりだ。

 2022年1月にはRAYS社製鍛造16インチアルミホイールやBrembo社製大径ベンチレーテッドディスク&対向4ピストンキャリパーを装備し、ダンパー・コイルスプリング・電動パワーステアリング・エンジンの各制御に専用セッティングを施した特別仕様車の990Sが登場するなど話題にもこと欠かないロードスター。

 トランスミッションは6ATと6MTが用意されているが、SKYACTIV-MTと名付けられて6MTは手首の返しだけで正確に操作できるショートストロークはもちろん、確かな手応えと軽快さに加えてなめらかさも感じられる唯一無二のシフトフィールが追求された優れモノ。シフトフィールのダイレクト感と優れた燃費性能を実現した専用の6ATとともに、より人馬一体が感じられるスペックが与えられている。

 とはいえ、次期ロードスターはモーターアシストのハイブリッドを採用するのではないかとの噂もあり……ガソリンエンジンを搭載したMT仕様のロードスターが買えるのも今のうち!?

S660なき今、乗るべき軽スポーツのMTモデルはホンダ・N-ONE RSしかないでしょ

ダーククロームメッキ・フロントグリルモールやダーククロームメッキ・フォグといった専用エクステリアの採用で他のグレードと差別化が図られているN-ONE RS

 日本一売れている軽自動車=ホンダ・Nシリーズのなかでスポーティなイメージを強く打ち出したモデルが、半世紀以上前に発売された名車“N360”の意匠を受け継ぐホンダ・N-ONE。

 Nシリーズが提案する“Nのある豊かな生活”という思想のもと、日本の生活と時間を見つめて日々の生活に寄り添いながら長く使えて飽きがこない、末永く愛せるクルマを目指した一台として登場した。

 その特徴は丸・四角・台形から構成されるエクステリアと、M・M思想から生まれた独創のセンタータンクレイアウトによって実現したミニマルで心地良い室内空間の追求にある。そんなN-ONEのグレード展開は4つだが、最上位のRSグレードは軽自動車初のFFターボを採用し、トランスミッションもRS専用セッティングを施したCVTと操る楽しさを満喫できる6MTを設定。6MT車ではターボエンジンとS660のギヤレシオが織りなす軽快さ、スポーティなショートストロークの爽快さ、疲れにくいクラッチフィールの快適さなどを高い次元で実現している。

 加えて、RSではGメーターとブースト計を搭載した専用のメーター表示を採用。左右旋回時に発生するGやターボのブースト圧をマルチインフォメーション・ディスプレーに表示することで操る楽しさをいっそう演出してくれる。全6種類が設定された2トーンのボディカラーもスポーティな雰囲気が満点だ。

100万円そこそこで新車が買える今どき貴重なダイハツ・ハイゼット トラック

従来モデルから継承する広い荷台スペースと仕事の効率性を高める室内スペースに加え、充実した快適装備と安全装備も現行ハイゼット トラックの魅力だ

 1960年の初代モデル登場以来、ユーザーに寄り添ったクルマづくりで軽商用車No.1の地位を確立したダイハツ・ハイゼット。

 そのラインナップは配送業や小売業などを中心に使用されているハイゼット カーゴと農林水産業を中心に使用されているハイゼット トラックの2種類展開となるが、なかでもハイゼット トラックは5MTを搭載したモデルの車両本体価格が100万円を下回るリーズナブルさも魅力となっている。

 2021年12月のマイナーチェンジで大きな話題をさらったハイゼット トラック。マイナーチェンジ時の話題の中心になったのは商用車初となるDNGA(Daihatsu New Global Architecture)の展開によって一新したプラットフォームの採用と、燃費・静粛性・発進性の向上に貢献するFR用CVTの初採用というふたつだった。

 そう聞くと「CVTのほうがイイんじゃない?」と思われるかもしれないが……たしかにCVTの4WD車には駆動方式を2WD/4WD/4WD LOCKから選択できる電子制御式4WD方式が採用されていたり、従来はMT車にのみ設定されていたスーパーデフロックがCVT車にも搭載されるなどCVT車の装備はあきらかに充実しているが、CVT車を上回る燃費性能、運転する楽しさなどは5MT車に軍配が上がる。

 それ以上に、MT仕様の新車が100万円そこそこで買えるなんて、価格高騰が著しい今の時代にあって貴重だと思わない?

 MTとATはそれぞれに一長一短があることから、どちらを選ぶのが正解なのかといった明確な答えは存在しない。しかし、クルマを操っている感覚という点においては、クラッチやシフトレバーを操作することによってクルマを動かすことができるMTに軍配が上がることは誰もが認めるところ。

 AT車に身体が慣れきってしまっている人でも、久しぶりにMT車に乗ると楽しいと感じることは確実なだけに、終の一台にMT車を選ぶのもアリかもしれない。

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