500勝の488 GT3に代わる新世代マシン
フェラーリの新型GT3マシンとして送り出された296 GT3が、富士スピードウェイで開かれたフェラーリ・レーシング・デイズで一般公開された。これまでフェラーリは488 GT3と、その発展型として2020年に投入された488 GT3エヴォは、世界のGTレースに挑み500勝を記録するという大成功を収めてきた。
【画像】日本初公開 フェラーリ新世代GT3マシン『296 GT3』のディテールを現場からレポート 全33枚
488 GT3に代わる新時代のマシンとして2022年7月に発表されたのが296 GT3だ。ロードカーの296 GTBをベースに、GT3規定に合わせて開発が進められた。2022年4月12日にフィオラノ・サーキットで最初のシェイクダウンを行って以来、296 GT3はレースに向けて何万キロもの距離を走行し、熟成を進めてきた。
本稿ではフェラーリ・レーシング・デイズ 2023で公開された296 GT3の各部ディテールを中心に紹介していこう。
エンジン
296 GT3は、6気筒エンジンを搭載したレーシングマシンの復活を意味する。車両規定に従い、296 GTBに採用されていたPHVユニットは搭載されていない。
120度のバンク角を備えるV6のティーポF163CEユニットを、フェラーリ社は「コンパクトな12気筒エンジン」と謳う。バンク間にターボチャージャーを配し、2992ccの排気量から最高出力600ps/7250rpmを発揮する。エンジンは、296 GTBに較べ低く前方寄りの位置に搭載され、コンパクト化、低重心化、軽量化を実現している。
新開発された6速ギアボックスは、空力性能と重量配分を向上させるため、横置きタイプとされた。クラッチと変速は電子式で、ロードカーと同様にパドルでシフトする。
シャシー
296 GT3のシャシーは、488 GT3の経験を生かして開発され軽量化を実現している。新構成のアルミニウム製で、ホイールベースは60mm延長された2660mmとされている。
フロントとリアのサスペンションはダブル・ウィッシュボーン式で、高速走行時でも最大限のグリップを発揮する。タイヤへの負担を抑える設計で、グリップ力を確保しながら耐久性を向上させている。
ブレーキシステムは新設計のキャリパーとディスク(フロント400mm)を採用。ホイールは488 GT3から採用されているロティフォーム社製で、296 GT3専用の鍛造ワンピースホイールが組まれる。
ボディワーク
実戦で使用される296 GT3のボディワークは整備性を高めるため、フロントとリアは一体に開く構造だ。カウルの破損に対応するため、パネルごとに分割されているのが特徴。
ワイドなタイヤの対応するため前後のフェンダーは拡大され、ホイールアーチ内の負圧を抜くためのルーバーが設けられている。
注目したいのはヘットライト性能が大幅に高められ、488 GT3に補助灯を付けた状態以上の光量を誇る。さらにノーズの中央と左右下に補助灯を組み込むこともできる。
デビューはデイトナ24時間
今年の1月に行われたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のデイトナ24時間レースが296 GT3のデビュー戦となった。リジ・コンペティツィオーネとAFコルセ、トリアルシ・コンペティツィオーネ、チェティラー・レーシングが4台の296 GTCを走らせたが、熟成不足から不完全燃焼に終わる。
初の総合優勝を勝ち取ったのは、過酷なレースとして知られる5月に行われたニュルブルクリンク24時間レース。最多周回数となる162ラップを記録しての勝利だった。
カーガイ・レーシングの296 GT3を展示
フェラーリ・レーシング・デイズに展示されたフェラーリ296 GT3は、現時点で日本に唯一存在するカーガイ・レーシングのGTワールド・チャレンジ・アジア参戦車だ。カーガイ・レーシングは昨年のGTWCアジアとジャパンカップを、木村武史とケイ・コッツォリーノ組がフェラーリ488 GT3で制し、今年から296 GT3にスイッチしたもの。
6月に富士スピードウェイで開催されたGTワールド・チャレンジ・アジアの2023年第2ラウンドが、カーガイ・レーシング・フェラーリ296 GT3のデビュー戦となった。カーガイ・レーシングが投入したフェラーリ296 GT3は、規定の性能調整を受けて本領を発揮できず、トラブルも発生してデビュー戦では苦しいレースとなってしまった。しかし基本性能の高さは確認できており、熟成が進めば本来持つパフォーマンスが発揮できるはずで、今後の活躍を期待したい。
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