2005年、独プレミアムスリーの戦いが激化する中で登場したのが、B7型A4に設定されたアウディS4だった。BMWがE90型5代目3シリーズを発表し、メルセデス・ベンツがCクラスを大幅改良する中、アウディS4はその先進技術で「Dセグメントのスポーツモデル」として一歩先を行っていた。Motor Magazine誌はメカニズムにスポットを当てながら、その魅力を検証している。(以下の試乗記はMotor Magazine 2005年7月号より)
V8エンジン+クワトロには強い説得力があった
1980年、クワトロシステムを発表したアウディは、技術の先進性だけでなく、新しい4WDの考え方を示して注目された。そして、そのクルマはアウディ クワトロとして市販されるとともに、世界ラリー選手権を席巻し、その考えの正しさを証明していく。
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それまで4WDは非舗装路を走るもの、雪道や泥濘地など路面ミューが低い場所を走るものと誰もが思っていた。それはゆっくり走ることを意味していた。これを高速で舗装路も走るラリーカーに採用したのだった。
アウディの理屈はこうだ。「路面のミューが低い時、4WDにすれば一輪当たりの負担が少なくなり駆動力と安定性が増す。路面のミューが高ければ、安定性を確保したまま、より強い駆動力を伝えることができる」というのだ。つまり、パワーのあるエンジンを搭載した時、その力をそのまま路面に伝えることができるというのだ。
言われてみればその通り。それ以降ハイパフォーマンス車の中にも、アウディと同じ考え方の舗装路用フルタイム4WDシステムを採用するクルマが多くなった。
S4はA4シリーズのボディに大パワーのエンジンやクワトロシステムなど、アウディ自慢の先進テクノロジーを詰め込んだスペシャルマシン。そんな背景も知ったうえでS4をドライビングすると、「これぞクワトロの真骨頂」と叫びたくなる。
このS4に搭載されたV型8気筒4.2L DOHC5バルブエンジンは、最高出力344ps/7000rpm、最大トルク410Nm/3500rpmという力を発揮する。同じボディの4気筒2LエンジンのA4 2.0と比べると、出力は2.6倍、トルクは2.1倍になる。
これをクワトロシステムによって破綻することなく路面に伝えるのだ。大きなエンジンを搭載することにはメリットと同時にデメリットがある。V型8気筒4.2Lだから4気筒2Lのシリンダーブロックがもう一基増えたのと同じ。しかし、ハンドリング面でエンジンの重さをほとんど感じさせないのがアウディの凄さだ。
重さが問題になるのは、コーナーのターンインでの応答性とコーナー出口でのアンダーステア。通常フロントヘビーとなると、ハンドルを切ったタイミングに遅れてヨーが出る。ハンドルを切っても期待するタイミングから遅れて反応するということだ。
これを解決するにはエンジンとトランスミッションをしっかりと固定すればいい。エンジンとボディが一体になっていないとボディの動きとずれるのでハンドルを切ったときに動きがぶれてしまうのだ。ボクはこれを「ゆで卵と生卵理論」と呼んでいる。生卵は殻の中で黄身が動くが、ゆで卵は殻と黄身が一緒に動くから殻の動きに対してずれがない。
しかし、エンジンとトランスミッションを強く固定してしまうと弊害も起こる。振動と音の問題だ。ところがアウディは、回転部分や運動部分を高い機械精度でバランス良く作ることによって、そのデメリットを出さないようにしている。
コーナー出口でアクセルペダルを踏み込んだ時のアンダーステアは、クワトロによって解決している。FFだったら強いアンダーステア、FRだったらオーバーステアになりそうなエンジンパワーも、フロントよりリアにやや強めの駆動力を掛けて、フロントタイヤのグリップに余裕を持たせることで、曲がる力を強くしているのである。
各タイヤが負担しているトラクションは半分近くになっているから、安定性も確保されている。つまり高い安定性の中でアンダーステアを出さないコーナリングを実現しているのである。(文:こもだきよし/Motor Magazine 2005年7月号より)
アウディS4(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4585×1780×1410mm
●ホイールベース:2645mm
●車両重量:1750kg
●エンジン:V8DOHC
●排気量:4163cc
●最高出力:344ps/7000rpm
●最大トルク:410Nm/3500rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:4WD
●車両価格:808万円(2005年当時)
[ アルバム : アウディS4(2005年) はオリジナルサイトでご覧ください ]
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