この記事をまとめると
■スバルのアイサイトは数多のADASの中で評価が高い
一度経験すると付いていないクルマに乗れなくなるほど便利な装備11選
■歴史の長さや、価格などが理由として考えられる
■機能ではスバルを上まわるメーカーも存在
ADAS性能の高さから「アイサイト」を選ぶユーザーは少なくない
3代目プリウスが日本中で売れまくっていた10年前は、日本市場で売れるクルマの最優先事項は燃費性能が優れていることだった。
いまは違う。アクセル・ブレーキペダルの踏み間違いや居眠り・よそ見などドライバーのミスに起因する交通事故を減らすことが期待できる「ADAS(先進運転支援システム)」を搭載していることは新車選びにおいては重要なポイントとなっている。
とはいえ、AEB(衝突被害軽減ブレーキ)については、メーカーや車種による差はわかりづらい。まずAEBを作動させてみなければ性能は判断できないし、減速Gなどは各社でほとんど変わりないので、性能差が出づらいのも事実だ。
そうしたなかでADAS性能の高さからスバル「アイサイト」を選ぶユーザーは少なくないという。なぜアイサイトは数多のADASのなかで評価が高いのだろうか。
おそらく一般ユーザーがADAS性能を比べる場合、ACC(追従クルーズコントロール)の仕上がりが良し悪しを判断する基準となるだろう。具体的には先行車両に速度を合わせるときの滑らかさや、車線中央維持の自然さが評価ポイントとなる。
そして、スバル・アイサイトはそうした点について確かに出来がいい。そこには2つの理由が考えられる。
ひとつにはアイサイトは歴史が長いということだ。
AEBのような急ブレーキをかける機能いついては、危機回避のポイントに対象物があったときに一定のブレーキをかけるという制御なので、センサーが性能差に直結するという部分が大きい。また、そもそものブレーキ性能やタイヤのグリップも影響する。
しかしACCでは乗員の感性に合った加減速の制御になっている必要がある。急発進・急制動のような制御では乗っていられないし、そうでなくとも出来の悪いACCには違和感を覚えることが多い。こうした作り込みにはメーカーの経験値が大きく影響する。
経験値とは、まさに歴史の長さにほかならない。日本車としてADASの普及におおいに寄与したアイサイト(スバル)にはそれがある。微妙なフィーリングにおいてアイサイトにはまさに一日の長がある。
プラットフォームの統一によってコスト面でも有利に
もうひとつ、スバルは車種が少なく、プラットフォームもひとつしかないという点もADASの作り込みにおいてメリットとなっている。
先日レガシィアウトバックのフルモデルチェンジが発表されたが、これによってスバルのラインアップはBRZを除いて、すべてSGP(スバルグローバルプラットフォーム)になった。
こうしたプラットフォームの統一化は、電子制御の共通化にもつながる。ADASを装備する段階での開発工数を減らすことが期待できるのだ。
そうはいっても、車種ごとの仕上げにかけられる時間も年単位で必要になるが、スバルの場合そもそもの車種が少なく、しかもコンパクトカーはOEMとなっている。アイサイト装着車はCセグメント以上となるため、各モデルでの開発時間を十分に確保でき、それが繊細なACCの制御につながっている。
こうしたプラットフォームの統一や車種の少なさ、そして基本的にステレオカメラによってさまざまな機能を実現しているというアイサイトの特徴は、センサーの少なさも含めてコスト面で効いてくる。
いまやアイサイト・レスのモデルはなくなっているのでアイサイトがいくら相当なのか換算することは難しいが、かつての数字でいえばアイサイトは、ACCとAEBSのいずれもが高機能ありながら10万円相当で実装できるADAS機能だった。
現在は、上級機能として渋滞時のハンズオフを可能とした「アイサイトX」を追加すると30万円以上高くなるが、その中には縦長で大型のインフォメーションディスプレイや、フルデジタルメーターなども含まれている。アイサイトXのADAS機能だけでいえば10万円程度でグレードアップできると考えられる。
これは他社と比べてもコスト面で有利だ。そもそも“公式にハンズオフ運転が可能”なモデルが、レヴォーグでいえば350万円以下から用意されているというのは、ADAS機能のレベルからするとバーゲンプライスといえる。
機能ではスバルを上まわるメーカーも存在
ただし、スバル・アイサイトのADAS機能がライバル他社を圧倒するほどの機能があるかといえば、そうとは言い切れない。
すでにホンダは限定的とはいえ自動運転レベル3を市販車に搭載しているし、高速巡行時のACC制御でいえばスバルを凌駕するようなメーカーもある。
もちろん、加減速でギクシャクしたり、減速タイミングが遅いためドライバーがドキドキしたりするようなメーカー、モデルもあり、依然としてスバルが高いレベルにあることは間違いないが、何はなくともアイサイトを選ぶほどの優位性があるとはいえないだろう。
ただし、ブランディングという意味でのアイサイトには、あいかわらずアドバンテージがある。少なくとも日本においてはADAS機能のことを「アイサイト的なもの」といった風に表現するユーザーは少なくないし、これまでアイサイトが実現してきた高いレベルのADAS制御を味わったユーザーは、他のメーカーに浮気する気が起きないだろう。
なにより日本でアイサイトがウケている理由として挙げたいのは渋滞時のスムースな走りだ。前述した加減速のなめらかさは渋滞でも健在で、イライラすることはない。
車線中央維持機能についても白線(区画線)が見えないようなシチュエーションでも先行車の軌跡から道の曲がり具合を予測して、スマートなハンドル操作をしてくれる。
道が順調に流れているときはADASを使わずに、自分で操作をしたいという走り大好きなドライバーでも渋滞は運転したくないと思うだろう。そうした機械任せにしたいシチュエーションにおいて期待以上の運転支援をしてくれることも、アイサイトの日本における高評価につながっているといえそうだ。
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