2023年7月7日、F1第11戦イギリスGPがノーザンプトンシャーのシルバーストン・サーキットで開幕する。開幕から続くレッドブルの連勝は続くのか、マックス・フェルスタッペンの独走を止めるドライバーは現れるのか。シーズンも中盤戦、イギリスGPは後半戦の行方を占う重要な1戦となりそうだ。なお、イギリスGPは通常のレースフォーマットで行われる。
どうすればレッドブルを攻略することができるのか
前戦オーストリアGPでレッドブルはついに開幕から負けなし9連勝をマーク、フェルスタッペンは5連勝(9戦7勝2位2回)と、もはや敵なしの状態となりつつある。「ふつうに走っていれば勝てる」といった雰囲気もあり、このままではチャンピオンシップへの興味が薄れかねない状況だ。
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では、誰がレッドブル、そしてフェルスタッペンを止めるのか。どうすればレッドブルを攻略することができるのか。グランプリの興味はそこに移ってきた。
ところが、レッドブルを追う2番手チームはグランプリごとに異なるといった状況。前戦オーストリアGPで果敢にフェルスタッペンに挑んだフェラーリ、地元イギリス出身のドライバーふたりを揃えるメルセデス、開幕ダッシュで快進撃を見せたアストンマーティンに注目が集まるが、イギリスGPはどんなレースになるのだろうか。
2023年F1ドライバーズランキング(第10戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)229
2位 S.ペレス(レッドブル)148
3位 F.アロンソ(アストンマーティン)131
4位 L.ハミルトン(メルセデス)106
5位 C.サインツ(フェラーリ)82
6位 C.ルクレール(フェラーリ)72
6位 G.ラッセル(メルセデス)72
2023年F1コンストラクターズランキング(第10戦終了時)
1位 レッドブル 377
2位 メルセデス 178
3位アストンマーティン 175
4位 フェラーリ 154
5位 アルピーヌ 47
シルバーストンは平坦で直線部分が長い「超高速サーキット」
そんな状況で迎えるイギリスGPは、F1の名の下で最初に開催された伝統のあるイベント。その舞台となるシルバーストン・サーキット(Silverstone Circuit)は、第二次世界大戦で使われた元イギリス空軍飛行場の跡地に建設されたコースで、滑走路がそのままコースとして使われていることもあり、平坦で直線部分が長く、「超高速サーキット」として知られる。
とくにターン14へと続くハンガー(航空機格納庫)ストレート、マゴッツ、ベケッツ、チャペルと続く超高速コーナーが有名で、現在のレイアウトは低・中・高速のコーナーが混在しているものの、現代のF1マシンではアクセル全開で「ほぼストレート」となる区間が多い。
このサーキットを得意とするドライバーとしてハミルトンの名前があがるが、今季のレッドブルのマシンは高速区間で速さを見せており、やはりマシンとしてはレッドブルが優位となるだろう。
ただし、高速コーナーが多いことから後続車は乱気流の影響を受けやすく、追い抜きは意外と簡単ではなく、レース序盤に主導権を握ることができれば、レッドブルを抑えてそのまま逃げ切ることも不可能ではない。
レッドブル攻略のひとつのポイントは英国特有の気まぐれな天気(ブリティッシュウェザー)。風向きの変化も大きく、時にブレーキングやストレートでの伸びなど、クルマのバランスに影響を与える。路面状況がコースの中でも異なったり、ドライからウエット、再びドライと変化するような天候になったりすれば、波乱も予想される。
昨年のイギリスGPではフェルスタッペンはアクシデントで後退
昨年のイギリスGPはフェラーリのカルロス・サインツが優勝した。
レース序盤はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がリード、必勝パターンに持ち込んだかに見えたがデブリによるフロアの損傷からペースダウンしてしまう。
フェルスタッペンの後退後、サインツ、ルクレールのフェラーリ2台とハミルトンのメルセデスによる戦いとなった優勝争いは、セーフティカーを機に動き出し、残り10周の勝負となった最終スティントでサインツがルクレールをあっさりとかわして首位を奪回。そのまま自身F1初優勝となるチェッカーに飛び込んだ。
フェルスタッペンはフロアの損傷からその後もペースが上がらずに7位に終わった。
昨年のイギリスGPの決勝当日は、青空と黒雲が混在する空模様。いつ雨が降ってもおかしくない状況だったが、結局、雨は落ちてこなかった。
【参考】2022年F1第10戦イギリスGP決勝 結果
1位 55 C.サインツ(フェラーリ)52周
2位 11 S.ペレス(レッドブル)+3.779s
3位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+6.225s
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+8.546s
5位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+9.571s
6位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+11.943s
7位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)+18.777s
8位 47 M.シューマッハ(ハース・フェラーリ)+18.995s
9位 5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)+22.356s
10位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ)+24.590s
・・・・・・・・・・・・・
14位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル)+40.910s
リタイア 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル)
ファステストラップ: 44 L.ハミルトン(メルセデス)
新しい構造のスリックタイヤを提供
イギリスGP開幕に向けて、タイヤを供給するピレリは2024年シーズンに導入予定だった、新しい構造のスリックタイヤを供給することを明らかにしている。
「このイギリスGPで、来年の導入予定だった新しい構造のスリックタイヤを供給します。 この仕様変更はチームから提供されたデータが、速度と負荷の両方の点でシーズン開始時より大きく向上したためです。 新しい仕様により、タイヤの疲労に対する耐性が強化されますが、トラック上の挙動には影響しません。 スペインGPですでに全チームがこの新しいタイヤ構造を試しており、新しい仕様により、より高いレベルの争いが展開されることになるはずです。この新しいタイヤのデビューは、最もタイヤに負担がかかるサーキットのひとつで行われることになります。 私たちの持っているデータでは、シルバーストーンはフロント左にかかる応力と横方向の力の点で、F1が行われるサーキットの中でトップに位置しています。 また、このサーキットはドライバーの負担も大きく、ドライバーは高速コーナー全体で5Gを超える横加速度に対処しなければなりません。今回供給するタイヤコンパウンドの名称は、ハード=C1、ミディアム=C2、ソフト=C3 と昨年と同じですが、現在はまったく新しいコンパウンドとなります」
さて2023年はどんなレースとなるのか。第11戦イギリスGPは日本時間7月6日20時30分(現地時間12時30分)から始まるフリー走行で開幕する。
2023年F1第11戦イギリスGP タイムスケジュール
フリー走行1回目:7月7日12時30分~13時30分(日本時間20時30分~221時30分)
フリー走行2回目:7月7日16時~17時(日本時間24時~25時)
フリー走行3回目:7月8日11時30分~12時30分(日本時間19時30分~20時30分)
予選:7月8日15時~16時(日本時間23時~24時)
決勝(52周):7月9日15時~(日本時間23時~)
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