■日本で30年以上愛された「プラド」のネーミングに終止符
2023年8月2日、トヨタ「ランドクルーザー 250」が世界初公開されました。
これまで日本市場では「ランドクルーザープラド(150系)」が販売されてきましたが、新たにプラド名ではなくランドクルーザー250」として販売されることが明かされました。
実際の販売店にはどのような反響が寄せられているのでしょうか。
トヨタが新型「ミニランクル」を披露! 話題の「コンパクトクルーザー」を250発表時に示唆? どんなモデルなのか
ランドクルーザー(以下ランクル)は誕生以来、モデルチェンジや派生モデルを展開するなどして、「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」として認知されるモデルです。
これまでランクルは、プロから常用までこなせる「ステーションワゴン」、快適な乗り心地と悪路走破性を両立した「ライトデューティ」、過酷な環境を主体とした「ヘビーデューティー」と分けることが出来ます。
ステーションワゴンとしては、2021年にフルモデルチェンジを遂げて登場した「300系」、ヘビーデューティーでは不変の設計思想を持つ「70系」。
そしてライトデューティでは、70系のワゴンをベースに1990年から国や地域によってサブネーム「プラド」という名が与えられた「150系」が存在しました。
今回、150系(一部ではプラド)が立ち位置などを変えてフルモデルチェンジされ登場したのが250系です。
ランクルの中核モデルとして登場する250は、300系と同じGA-Fプラットフォームを採用し、オフローダーとしての基本性能を大幅に向上させています。
これにより150系(プラド)以上にランクルにふさわしい力強い走りや環境性能を実現した多様なパワートレーンとして、国や地域に合わせてガソリン車・ハイブリッド車・ディーゼル車をラインナップ。
スタイリングでは、機能性を追求したパッケージと、伝統とモダンを融合した内外装デザインを取り入れランクルらしさを追求しています。
SNSでは「ランクル250ゴツい系確定!アツいぞ!」や「このデザインがめちゃ好み」などの声が見られました。
このように進化した250系ですが、ユーザーからは「プラドの後継に位置するモデル」と見て取ることも出来ます。
■「プラドの後継モデル」ではない? 国や地域で異なる「プラド名」の採用…トヨタの回答はいかに?
今回日本では「プラド名」が無くなりました。しかし、海外の一部地域では「ランドクルーザープラド(250系)」として販売されます。
その経緯に関して、トヨタの担当者は次のように説明しています。
「(250系に関して)トヨタとしては、ランクルの原点に回帰する中核モデルとして新型を位置付けています。
そのため『プラド』というサブネームを取り去っており、この思想は全世界共通です。
しかしながら、各国・地域としては(象徴である300、普遍である70のどちらでもなく、プラドのレンジを受け継ぐ)中核モデルである250について『全くの新型です』という言い方をしてしまっては、このレンジ(価格帯・排気量等々)のランクルが欲しいお客様に不要な混乱が及ぶ可能性があります。
そのため、各国・地域の判断において、オーストラリア、東欧などでは『プラド』というサブネームを継続している地域もあります」
こうした背景もあり、日本市場においては、新たなランクルとして「250」の名称が採用されました。
名前に関するSNSでの反響は「ランクル250になるらしい。プラドの名前が消えてしまう」、「150系が最終型のプラドか、ちょっと寂しい」、「プラドのサブネームがなくなるのは寂しい」という声が見られました。
また、実際に販売店にはどのような声が届いているのでしょうか。首都圏の販売店担当者は次のように話します。
「ランドクルーザー250に関しての問い合わせはかなり多くいただいています。プラド(150系)を買えていない人も多く、今回の250は注目を集めています。
また車種名の変更に関しても『プラドという名前を気に入っていたので寂しい』というお客様もいました」
また関西圏の販売店では次のように話しています。
「プラド名が無くなることについて『寂しい』という声は少なからずあります。
しかし、150系とは見た目がガラッと変わったことや、新たな250シリーズという立ち位置を理解される人も多いです。
そのため『プラド名じゃないから買わない』という人はおらず、むしろ『新たなデザインが好み』という声のほうが多い印象です」
※ ※ ※
プラド名では無くなった新たなランクル250。日本での発売は特別仕様車の「ファーストエディション」を含めて、2024年前半のを予定しています。
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