全身ダイナミック! 文句なく速く、ひと目をひく存在
GTOは文句なく速いし、人目を引く。目立ちたがり屋にはおおいにお勧めの1台だ。
パフォーマンスは圧倒的なレベルにある。ツインターボの280ps/6000rpm、42.5kgm/2500rpmのパワーとトルクは国産最強である。横置きに積んで4輪を駆動しているのだが、とにかくバカッ速い!
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強烈なトルクの持ち主ゆえだろうが、ギアリングは高い。1速で75km/hくらい、2速では130km/hあたりまで伸びる。山岳路などではほとんど1速と2速しか使うことはない。それにしても山岳路のGTOは速かった。とくにヒルクライムのアベレージスピードの高さは強烈なレベルだ。
4WDとLSDの組み合わせは、280psパワーを余すところなく路面に伝え、1700kgのボディをグイグイ強引に押し出していく。軽量なウェイトを、洗練されたNAエンジンで切れ味鋭く走らせるNSXとは対照的である。
安心感のあるハンドリング。BROS車はダッジ・ステルスの名で販売
パワー的に文句なしのGTOは、シティユースでも使いやすい。エンジンはだいたい1500rpmから実用域に入る。3速で45km/h、4速では55km/hといったところだ。街中では2、3速を中心に使うが、非常にハイギアリングなことを思えば当然である。2500rpmを超えるころからトルクはグイグイと上昇しはじめ、豪快なGTOの走りの世界を展開する。
GTOは、ポテンシャルの70~80%までなら、4WDをはじめ、いろいろなデバイスの働きもあって比較的素直だ。安心感のあるハンドリングを示してくれる。ステアリングへの路面からの情報フィードバックは、これだけ高性能なクルマとして物足りないが、まぁ、そこそこの走りなら、とくに問題はない。そしてGTOはこの領域でもワインディングロードで、十分に高いアベレージスピードをたたき出す。だから、たいていのユーザーは、このクルマに満足するに違いない。
GTOは、ハイパワーとアグレッシブなスタイルを、盛りだくさんの装備とともに提供したクルマだ。400万円以下で手に入れられるのは魅力的である。
なお、アメリカではBROS車が、ダッジ・ステルスの名で販売されている。
(カー・アンド・ドライバー 1990年12月26日号掲載)
ワンポイント名車購入ガイド
GTO( Z15A/Z16A型)はスタリオンの後継として発表された4WDスポーツ。1990年から2001年まで販売された。モデルライフ中に4回のマイナーチェンジを実施している。エンジンは3リッター・V6、ツインターボとNAが選べる。ツインターボはMT仕様。ユーズドカー市場での流通量は少ない。最近、初期型の走行5.1万kmの車両が約300万円で販売されていた。欠品パーツが比較的多いため、コンディションチェックは慎重に。
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