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4座全部がバカッと開く! エンジンフードが左右跳ね上げ! マニアでも知らないガルウイングなクルマ5選

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4座全部がバカッと開く! エンジンフードが左右跳ね上げ! マニアでも知らないガルウイングなクルマ5選

 この記事をまとめると

■跳ね上げ式ドアの発祥は1954年メルセデス・ベンツ300SL

リトラクタブルが普通に見える! 変わり種ヘッドライトのクルマ8選

■以後、プロポーザルモデルでさまざまな跳ね上げ式ドアのモデルが提案された

■ランボルギーニが有名だが、それ以外のレアな跳ね上げドアモデルも紹介

 プロポーザルモデルならなんでもあり!?

 1954年に発売されたメルセデス・ベンツ300SLが採用していた跳ね上げ式ドア、これがカモメの翼に似ていることから「ガルウィングドア」と呼ばれ、以後さまざまなクルマが「似たような」ドアやトランクフードを取り入れてきました。メルセデスの場合は、パイプフレームの設計上サイドシルが太くなってしまい、乗降時にそれをクリアするための機構としたものでした。ここでご紹介するガルウィングを取り入れたクルマたちは、はてさてどんな思惑だったのでしょうか。

 1)ランボルギーニ・マルツァル

 ランボルギーニは、メーカー規模に比べ過剰なほどプロポーザル(コンセプト)モデルを作っているため、「マルツァル」といわれてすぐにこの巨大ガルウィング車を思い浮かべられる方はかなりのマニアかもしれません。ベルトーネがフェルッチオ・ランボルギーニの依頼をうけて製作したモデルで、実際の指揮をとったのはマルチェロ・ガンディーニとされています。

 巨大なガルウィングドアは、4シーターのマルツァルにとって前席・後席いっぺんに乗り降りできるという画期的なアイディアだったのかもしれません。ただ、ドアを持ち上げているダンパーに目を凝らせば「大丈夫か?」と心配になるような細さ。ガラスでなくパースペックスだったとしても相当な重さでしょうからね。

 もっとも、プロポーザルモデルだし、モナコのグレース王妃も喜んで乗ったってくらいですから、そういう突っ込みは野暮。素直に「カッケー!」と喜ぶべきガルウィングの最たる例でしょう。

 2)イズデラ・コメンダトーレ112i

 イズデラもまたマニアックなスポーツカーメーカー。といっても、2モデルくらいしかリリースしていないので一般的なクルマ好きなら知らなくても不思議ではありません。コメンダトーレ以前に作ってそこそこ売れたインペレーター108(の前身がCW311)もガルウィングドアを採用しており、相当こだわりがあるのかと思われ。

 創設者のエーベルハルト・シュルツはメルセデス・ベンツやポルシェでチーフを務めた腕っこきのエンジニア。ここがキモで、シュルツはメルセデス・ベンツのプロポーザルモデルで同じくガルウィングを採用していたC-111の影響を受けていたのかもしれません。

 コメンダトーレはドアどころか、リヤのエンジンフードも左右2分割の横ヒンジ。それゆえドア&フードを全開にした姿はあたかも魚の開きかのような見え方。

 設計思想とか聞くと軽く半日くらいかかりそうで面倒くさそうですが、前述の300SL→C-111→CW311→コメンダトーレの順に並べてみると「正常進化」かのような説得力! たったの1台しか作られなかったコメンダトーレですが、見方によってはじつに感慨深いモデルといえるでしょう。

 市販モデルにもガルウイングなレアモデルあり

 3)デ・トマソ・マングスタ

 フェラーリvsフォードという名作映画がありましたが、キャロル・シェルビーがデ・トマソの社長、アレハンドロと仲違いさえしていなければ、GT40の代わりにこのマングスタがフェラーリをやっつけていかもしれません。なにせ、アレハンドロの嫁はんはフォード一族、マングスタもパンテーラもフォード製V8エンジンをお友達価格で譲られていたくらいですし。

 で、ジョルジェット・ジウジアーロ率いるカロッツェリア・ギアは、リヤのエンジンフードを左右2分割のガルウィング状にデザインしました。縦置きされたV8エンジンの左右からアプローチ可能、などのエクスキューズもできるでしょうが「だったら最初から一体型フードにすればいいじゃん」は開発陣の前ではいってはいけないNGワード。気性の荒いアルゼンチン出身の元F1ドライバー、アレハンドロが聞いたら正拳のひとつくらいお見舞いされたことでしょう。

 なにしろ、フォード首脳陣はこのガルウィングフードをいたくお気に入りだったそうですから。おかげでマングスタは400台もの売れ行きで、引き続きフォードのサポートを得たアレハンドロは大ヒット作、パンテーラを製作することができたのです。

 4)ブルックリンSV-1

 1974年に北米で発売されたブルックリンSV-1。ネットで検索すれば、マニアックなモデルながら数多くヒットします。マルコム・ブルックリンというビジネスマンが興したメーカーで、リリースはこの1モデルのみ。ガルウィングドアを採用していますが、その重さが片方で約40kgというかなりな重さ。それゆえ、電動で開閉する機構が用いられていたそうですが、これがよく壊れたそうです。その際はリヤハッチから出入りしないとならないらしく、ちょっとしたコメディのような場面。

 車名のSVはSafty Vehicle(安全なクルマ)との意味が込められているそうで、当時の安全基準で定められたマイルバンパーよりはるかに丈夫そうなバンパーを装備しているわりに地雷を踏んでしまったようです。

 もっとも、北米だけでなく、少数ながら日本国内にも輸入された模様。デロリアン同様、その生存車体は想像よりも多いかもしれません。公式には2854台が製造されており、デロリアン(9000台程度)より少ないにも関わらず、健闘しているといわざるをえません。前出のイタリアン・カロッツェリアのモデルに比べて、アメリカン・テイストというか、ゆるさもある独特なスタイルが熱烈なファンを引き寄せているのでしょう。

 5)グンペルト・アポロ

 元アウディのレーシング部門「アウディ・シュポルト」を率いたトップエンジニア、ローラント・グンペルトが創設したグンペルト・シュポルトワーゲン。ここが作った野趣あふれるスーパーカーがアポロです。宇宙船をイメージしたデザインから、ローマ神話に出てくる「アポロ=太陽の神」に紐づけたネーミングは、宇宙ロケット時代に少年期を過ごした大人たちから支持をうけたことでしょう。

 ガルウィングドアは300SLと同じく、深くゴツいサイドシル(というか、もはやポンツーンです)をクリアするための必然的機能に端を発しているもの。つまり「飾りじゃないのよ」ということ。ボディパネルにはカーボンを多用していることから、(動画を見る限り)ドア自体も軽そうで開閉もスムース。このあたり、ドイツ人によるドイツらしい堅実さが垣間見え、イタリアン・カロッツェリアのモデルやアメリカン・ガルウイングとは一線を画しているかと。なお、グンペルトは現在、グンペルト・アイウェイ・オートモビルを主宰し、EVや水素エンジン車を開発しています。

 ガルウィングはクルマが逆さまになる事故などの際、救助に時間がかかるなどの弱点もあるため、グンペルトはドイツ人エンジニアらしい合理性でもって採用しなかったのかもしれませんね。

 アポロと矛盾するようですが、こちらは生粋のスーパーカーで命知らずのドライバー向け。「宇宙船なんだから、カッコよければいいのだ!」と、これまた蛮勇で知られるバルバロッサを祖にもつドイツ人らしい割り切り、かもしれませんね。

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みんなのコメント

11件
  • 日本車の
    エクリプスとスタリオン
    限定だがちゃんとメーカーから市販された
    当時、エクリプスのガルウイングのリーフレットはもらったことがある
    現車は見たことがない
  • >マニアでも知らないガルウイングなクルマ5選

    マニアなら全てわかるでしょう。
    マングスタやマルツァルなんて結構有名でしょ。
    イズテラとかブルックリンは少しマニアックかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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