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【ワンメイク・ラリーマシン】ボウラー・ディフェンダー・チャレンジレーサーへ試乗 後編

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【ワンメイク・ラリーマシン】ボウラー・ディフェンダー・チャレンジレーサーへ試乗 後編

四輪駆動システムと8速ATはそのまま

text:Matt Prior(マット・プライヤー)

【画像】ボウラー・ディフェンダー フェラーリ308とエスコート・ベースのラリーマシンも 全131枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


新しいランドローバー・ディフェンダーのボディは堅牢だが、ほとんどがアルミニウム製。スチールより柔らかい。ボウラー・ディフェンダーが内包するロールケージとボディとをつなぐプレートは大きくなり、溶接も難しくなる。

しかもロールケージは、シャシー構造の一部としても機能する必要があった。フォックス・モータースポーツ社製のリザーバータンク付きダンパーは、ロールケージに直接固定されている。

チャレンジレーサーを支えているのは、エアサスペンションではなく、コイルスプリング。車高は標準のディフェンダーから25mm持ち上げてある。一方でホイールはインチダウンされ、18インチを履く。試乗車より大径のタイヤを選ぶことも可能だという。

チャレンジレーサーは、可能な限り多くの人に手が届く価格で、維持しやすい内容となるようにチューニングを留めている。ドライバーがさらに過酷な荒野を目指したいなら、アップデートを加える準備も整っているそうだ。

このチャレンジレーサーでは、四輪駆動システムは通常のディフェンダーから変更を受けていない。電子制御のディファレンシャルは省かれるが、トランスミッションもトルクコンバーター式8速ATのまま。ボウラー社独自のパドルシフトが付くけれど。

それ以外の改良は、ラリー走行に備えた強化がメインとなる。破損の恐れがある、2基の小さなサイドラジエターは除去。フロントグリルの開口部を広げ、大きなラジエターが1基、中央にマウントされている。

エアコンを使える車内の美しいロールケージ

バンパーには強力なドライビングライトが埋め込まれた。ランドローバーは、後にボウラー・ブランドとしてアクセサリー・オプションに加えるかもしれない。

ルーフの後端には、リップスポイラーも追加されている。リアガラスに付着する砂埃の一部を防いでくれる。ナイトラリーでコースオフしても脱出しやすいように、強力なバックライトも付く。

ドアの下端は70mmほど切り取られた。通常は、乗り降りする際にサイドシルの汚れが衣服へ付かないよう、ドアがボディ下端まで伸びている。しかし、ラリー走行中は飛び石などでダメージをモロに受けてしまう。

そのかわり、厚さ6mmもあるアルミ製のサイドプレートがサイドシルを覆い、ボディを守ってくれている。ロールケージを避けて乗り込む際の、サイドステップにもなる。

ディフェンダー・チャレンジレーサーは、多くのモータースポーツ用マシンより乗降性が良い。新しいディフェンダーが、大柄だからだ。車内には、しっかりしたバケットシートが2脚備え付けてある。

ロールケージは肉厚だが、信じられないほど美しく仕上げてある。内張りは剥がされているが、ディフェンダーだと思い出させてくれる、スイッチ類などが一部残っている。エアコンも使える。

走り始めると、多くのラリーマシンより運転しやすいことに気づく。2014年に試乗した、以前のディフェンダー・チャレンジ用マシンもそうだった。コーナーを曲がれば、不安定さが軽減されていて、横転する可能性を明らかに感じにくい。

走りっぷりには中毒性がある

ホイールコントロールは驚くほど素晴らしく、ステアリングは軽くコミュニケーション力豊か。ボディロールはするものの抑制され、トラクションも驚異的。ボウラーによれば、サスペンションのレートはもう少し煮詰める予定とのこと。

車重はノーマルのディフェンダーとほぼ同じ、2260kg。電子制御デフが省かれているにも関わらず、予想以上に軽快に向きを変えていく。コーナリング中にブレーキペダルを踏む力を変化させると、さらに回頭性が高まる。

試乗では、今まで運転してきたどんなクルマより積極的にジャンプすることができた。ボウラーが目指した親しみやすさも、チャレンジレーサーはしっかり備えているようだ。

2022年には、グラベルやヒルクライム、サファリなど多様なステージが組み合わされたチャレンジシリーズが開幕する。車両の購入費とイベントサポート費用を含めて、参戦には9万9500ポンド(1532万円)が必要になる。

金額としては、安いものではない。でも、そもそもモータースポーツは多くの費用が必要となるものだ。筆者の経験として、クルマに支払うだけの価値はあると思う。ボウラー・ディフェンダー・チャレンジレーサーの走りっぷりには、中毒性がある。

2016年まで開催されていた、初代ディフェンダーでのチャレンジシリーズに参戦していたドライバーのうち、7名が新しいチャレンジレーサーを購入したという。

もしイベントを走らなくても、チャレンジレーサーは公道走行が可能だ。ガレージに隠しておいて、友人を驚かせることだってできる。

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