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57歳星野敏“四度目の世界戦”のWEC初挑戦でクラスPPの殊勲。「自分でも驚いています!」

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57歳星野敏“四度目の世界戦”のWEC初挑戦でクラスPPの殊勲。「自分でも驚いています!」

 WEC世界耐久選手権第4戦富士6時間レースは10月13日、富士スピードウェイで予選が行われた。LM-GTE Amクラスには今回3人の日本人ドライバーが参戦しているが、デンプシー・プロトン・レーシングの88号車ポルシェ911 RSRに乗り込んだ星野敏が、見事初挑戦ながらクラスポールポジションを獲得してみせた。

 星野は1961年群馬県出身。現在、平成30年実績で2,928億円の売上高を誇るネクサス株式会社の代表を務めるビジネスマンだが、もともとのクルマ好きが高じ、モータースポーツに挑戦。2014年にはポルシェカレラカップ・ジャパン(PCCJ)のジェントルマンクラスでチャンピオンを獲得した。

WEC富士に新たな日本人挑戦者。星野敏がデンプシー・プロトンの88号車をドライブへ

 その後もPCCJをはじめ活躍し、スーパー耐久でも優勝を飾るなど速さをみせながら、さまざまなチームへのスポンサード活動を経て、2017年にはD'station Racingを結成。スーパー耐久、PCCJでは自らドライバーとしてステアリングを握っている。

 そんな星野は、チーム結成時に「オールジャパンでの世界への挑戦」を目標のひとつとして掲げていたが、「憧れのひとつ」ととらえていたのがル・マン24時間挑戦だ。星野自身は2017年にル・マン24時間サポートのポルシェカレラカップに参戦しているほか、15年にはアドバイザーを務める藤井誠暢とともに、LMP2でテストデーにも参加した。

 今回はD'station Racingとデンプシー・プロトン・レーシングとのコラボという形で、WEC参戦が直前に決まった。星野にとっては憧れであるル・マン24時間に繋がるレースへの挑戦だ。まずは慣れ親しんだ富士での参戦ならば、リスクも少ない。ただふだんドライブしているカレラカップカー、GT3 Rとは同じポルシェながら、WECで使われる911 RSRは別物。事前に星野はイタリアのアドリアに飛び、プロトン・コンペティションがELMSで走らせる911 RSRをテスト。クルマに慣れてから帰国した。

■初挑戦の“四度目の世界戦”で自分でも驚きのポール
 星野は帰国した直後、鈴鹿サーキットでのF1日本グランプリの舞台で、PCCJの今季最終戦に参戦。若手を打ち破り初めてのオーバーオール優勝を飾り、その勢いのまま富士に乗り込んだ。そしてこの予選では、チームメイトのマッテオ・カイローリが3番手タイムにつけるなか、規定で義務づけられるジェントルマンドライバーのアタックを担当。1分39秒525を記録し平均タイムを上げ、見事初参戦でのポールポジション獲得に繋げてみせた。

「WEC初参戦でこうしてポールポジションを獲れて、自分でも驚いています」と星野は喜びを語ったが、実はピットに戻るまでポール獲得は知らされず、ピットで笑顔の歓迎を受けたという。

「今回は富士でのレースで、コースも知っていますからね。タイムは気にしなかったのですが、『とりあえず3周してこい』というので。まさかポールポジションを獲れるとは思いませんでした」

 実は星野は、ビジネスマンとして起業する前は、フェンシングで活躍するアスリートだった。「たまたま高校の担任が顧問だった」きっかけで始めたフェンシングでは、1983年に全日本選手権で優勝し、1985年から87年まで、三度世界選手権に出場している。“世界戦”という意味では、今回のWEC挑戦が4回目なのだ。

「過去にフェンシングで世界選手権に出てるので、今回は人生4回目の世界戦なんです。フェンシングでは予選落ちしてしまったので、明日が本当に楽しみですね。ただ、LMP1がとんでもなく速いので、そこには気をつけたいと思っています」

 ふだんは口数も多くなく朴訥とした印象だが、サーキットでさえも経営に気を配り、何事も素早く決断していく姿は会社経営者そのもの。一方で「もっと速くなりたい」と日々周囲や家族も驚くほどのトレーニングを積んでおり、その姿は57歳とは思えないほどエネルギッシュ。その成果が、今回のポール獲得に繋がっただろう。

 目標とするル・マン挑戦については「夢ですけどね」とまだ具体的なプランはない。それでも、社内ではネクサス・フェンシングチームを組織して世界に挑戦したり、地元群馬のスポーツチームを支援したりと、その目はいつも“世界への挑戦”を見据えている男だ。

 自らの世界への挑戦初戦は、最高のすべり出しをみせた。明日の決勝でどんな結果に繋がるのか、楽しみなところだ。

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