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今年のトレンドは国産名車?注目の新製品が一気に発表された「静岡ホビーショー 2018」

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今年のトレンドは国産名車?注目の新製品が一気に発表された「静岡ホビーショー 2018」

世界的な模型メーカーが集結し、「模型の首都」といわれる静岡。そんな聖地で毎年開催されているのが「静岡ホビーショー」。各社がプラモデル、ラジコン、ミニカーなどの新製品を多数発表するため、業者招待日には世界中のバイヤーが、そして一般公開日には7万人以上の来場者が集まるビッグイベントです。

今回は、今年で57回目を数える静岡ホビーショーで発表された、クルマ関係の注目の新製品をご紹介します。

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トミーテックは日産 プリンスロイヤルの製品化を発表

ネオクラシック好きにはたまらないミニカー・ラインアップを取り揃えているメーカーがトミーテック。今回のショーでは、同社のTLV(トミカリミテッドヴィンテージ)誕生15周年記念商品として、なんと皇室で長年御料車として活躍してきた日産 プリンスロイヤルの製品化を発表しました。これは以前から同車の製品開発が噂されていたエブロとの協力により実現したもの。1/64スケールではトミーテックが、そして1/43スケールではエブロがそれぞれ製品化する予定です。
ちなみに奥に見えるのは、1970年代に製作されたトミカの倍寸木型。試作品まで製作されながら未発売に終わったトミカに代わり、40年以上の歳月を経てトミカリミテッドヴィンテージとして発売されるとは、まさに感無量。個人的には今回最大のトピックでした。

トミーテックでは、初期型スバル360の製品化も大きな注目を集めていました。わずか5センチ弱のミニカーながら、なんとエンジンフードは開閉式。写真後方のスバル360コンバーチブルではエンジンルームが再現されていることがわかります。

Y32の日産 セドリック/グロリアやトヨタ マークIIハードトップなど、かゆい所に手が届く車種選定がお見事。このほかにも1/64のFD3S型RX-7を製品化するなど、盛りだくさんの内容でした。

直球から変化球まで変幻自在のignition model

シャープな造形でミニカーファンを唸らせるメーカーがignition model(イグニッションモデル)。今回は最新スポーツカーから旧車まで幅広い新作ラインアップを発表しました。注目はクルマ関連アイテムへの積極的な提案。写真の星野一義さんや土屋圭市さんのフィギュアをはじめ、GT-Rに搭載されるRB26DETTの1/18エンジン単体モデルなども発表しました。

なかでも個人的に一番驚いたのは、1/18スケールの懐かし系スクーター。マールボロカラーとゴロワーズカラーに塗られたヤマハ・チャンプ RSは、’80年代半ばに勃発したスクーターのパワー競争を知る世代にはグッとくるラインアップ。個人的にはTECH21カラーのチャンプ RSにも期待したいところです。また背後にチラッと見える試作品は、これまた懐かしいホンダ・DJ・1 RR。これらはオートバイの標準スケールである1/12ではないため、あくまでも1/18ミニカーと一緒にディスプレイすることを前提に開発されたことが伺えます。新ジャンルの製品となるだけに、会期中どれくらいの反応があったのか気になります。

こちらはignition modelが輸入・販売を行う中国の新興ブランド「ケンファイ」製の1/12 メルセデス・ベンツ 300 SL。各部の開閉に加え、特にエンジンルーム内の再現は緻密そのもの。この内容でリーズナブルな価格設定であればいうことなしですね。

着色不要のプラモデルで新境地を開くアオシマ

プラモデルメーカーのアオシマは、塗装済みプラモデルの新製品として1/24 マツダ FD3S RX-7を発表しました。すでに発売中のトヨタ AE86 レビンと同様に、ボディ、内装、レンズ類など、すべてのパーツが塗装された状態でセットされます。そのため、接着剤とニッパー、カッターを用意すれば、組み立てるだけで美しい完成品が出来上がります。

特にAE86では特徴的なツートーンのボディカラーが塗装済みのため、面倒な塗り分けをすることなく、手軽に美しい完成品を製作できます。気になる価格は税抜4,200円。1/24のカーモデルは3,000円前後が相場のため、プラス1,000円程度でキットが塗装済みになると考えれば、十分リーズナブルといえるでしょう。

アオシマの1/32スナップキットシリーズは、プラスチック材料への着色と、パーツ数を抑えたはめ込み式の設計により、塗装不要・接着剤不要・お手頃価格を実現。最新の国産車ラインアップに加え、新たにトヨタ 2000GTが発表されました。ボディカラーは3色が予定され、2018年12月発売予定。価格は税抜1,500円という手頃さです。フェンダーミラーやフロントのライト類など、繊細なディテールが特徴的なトヨタ 2000GTをスナップキットでどのように表現するのか、大いに注目されます。

物欲をビンビンに刺激する各社の魅力的な新製品を一挙ご紹介

数多くの新製品を発表した香港のTSM-MODELでは、映画『トップガン』の劇中に登場したアイテムを製品化。主人公マーベリックの愛車であるカワサキ GPZ900Rと、教官役のチャーリーが乗っていたインターメカニカ 356 スピードスター、さらに愛機のF14A トムキャットまで製品化。1/72スケールでそれら3つをセットにしたデラックスセットも発売される予定です。

TSM-MODELでは、新たに「MINI GT」ブランドで1/64ミニカーを開発。ボディとシャシーはダイキャスト製で、内装パーツも細かく再現。千円台半ばの価格で販売される予定です。すでにポルシェ、マクラーレン、パガーニ、アストンマーティンなどのモックアップも展示され、今後の展開が期待できます。

オートアートの1/18 日産 スカイライン RS ターボ スーパーシルエットは、圧倒的な再現度を誇るハイグレードモデル。以前発売していた鉄仮面マスクの後期型に対して、今回発売されるのは1982年シーズンで活躍した前期型。スカイライン・ファンにとって必携のモデルといえます。年内発売予定となっているため、今から貯金を始めたほうが良いでしょう。

エブロは、1/43のSUPER GTマシンから1/24のプラモデル、さらに1/144スケールのHondaJetのダイキャストモデルまで、バラエティ豊かな新製品を展示。写真は参考出品されたレジン製の1/43 ダットサン・フェアレディ SPLで、ツートーンカラーの愛らしい姿が印象的でした。

京商の目玉は、日本車を1/12および1/18スケールのレジン製ミニカーで再現した「samurai」ブランドの新製品。実車をそのまま縮小したような存在感が特長です。写真のマツダ・コスモスポーツは1/12スケールで、ホワイトが600台、レッドが200台の限定生産。価格は税別32,000円の予定です。

こちらは同じ「samurai」ブランドの1/18ミニカーとして展示された日産 セドリック シーマ(税別15,000円)。これまでありそうでなかった1/18スケールで、フロントグリルの実感溢れる造形が印象的。ボディラインの再現力にも驚かされます。

タミヤの新製品で注目したいのが、シトロエン 2CV チャールストンの1/10電動RCカーキット(税別11,800円)。実車と同じ前輪駆動で、愛嬌のある走りが楽しめそうです。

ホビーショップ「キッドボックス」がプロデュースするミニカーブランドが「ENIF」。今回1/43ミニカーとして参考出品していたのはご覧の車種たち。「クジラ」クラウンやマツダ・ルーチェ ロータリークーペなどマニアックな車種選定にビックリ。今後の製品化が楽しみです。

2013年に設立された香港のミニカーメーカーが「onemodel」。新興ブランドながら、実車のような美しい塗装とシャープな造形で、ホンダ車を中心にラインアップを着実に増やしています。今回のショーではメルセデス・ベンツ 190E 2.5-16 エボリューションIIのDTMモデルの試作品を展示。最終的にどんな仕上がりになるのか楽しみなモデルでした。

ミニカーメーカーの「スパーク」ブースでは、ルックスマート社製の1/18 ランボルギーニ・エスパーダとLM002を展示。どちらも実車を彷彿とさせる美しい仕上がりで、思わず目が釘付けになりました。実車は頑張っても買える金額ではなくなってしまったので、せめて1/18ミニカーくらいは頑張って購入したいですね。

カーホビー製品は全体的に値上がり傾向にあり、以前のように手軽な価格で買えるアイテムが少なくなってしまいました。その反面、クオリティは数年前とは比較にならないほど向上していて、価格に見合った価値を提供しています。特に国産車アイテムの充実ぶりは目を見張るほど。そしてどの製品もエモーショナルな魅力に溢れていました。今回のショーは、カーホビーにはまだまだ元気があることを強く印象付けるものでした。

[ライター・画像/北沢剛司]

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