日産は、1月12日から14日まで千葉県の幕張メッセで開催された「東京オートサロン2024」において、日産キャラバンをベースにした支援車両「Disaster Support Mobile-Hub(ディザスター サポート モバイル-Hub)」を一般公開した。
「Disaster Support Mobile-Hub」は、日産キャラバンをベースにした、緊急・災害時に防災拠点にもなる支援車両(Mobile-Hub)だ。災害発生時、いち早く現場に駆けつけて、現地の情報収集、避難時のライフラインの確保をはじめ、様々な困りごとを解決できる装備を搭載したコンセプトカーとなっている。車両の制作には、備え・防災アドバイザーの高荷智也氏が監修を手がけた。
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最大の特徴は、2023年9月に発売した「日産リーフ」のリサイクルバッテリーを利用した「ポータブルバッテリー from LEAF」を17個搭載している点だ。
日産、フォーアールエナジー、JVCケンウッドの3社によって共同開発されたこのバッテリーは温度変化に強く、自己放電が少ないため万一の際の備蓄にも最適な非常用電源として、2023年グッドデザイン金賞を受賞しており一般販売もされている。
キャラバンのリアのスライドドアやリヤゲートは、商品車とは異なり、引き出して展開する構造となっている。リアのスライドドアを引き出すと、ポータブルバッテリーなどが収納されており、携帯電話などを充電できる鍵付の充電ステーションも装備。
後席の空間は災害対策室としての作業スペースになっており、災害時の情報の入手や通信網の確保、多種多様な装備により、いざという際の困りごとをサポートする。
車両には衛星通信サービス「スターリンク」キットが装備されているほか、左側面のクォーターガラスやリアガラスは、不特定多数の目に触れる場所での使用を前提とした「サイネージモニター」を装備。気象情報や現場の状況などが共有できる。
ポータブル電源によって動くギャレー(調理設備)も備わっており、防災拠点としての様々なアイデアが詰め込まれている。
リアセクションは、後席とは区切られた形となっており、簡易的なベッド、AED、救急箱、電子レンジや暖房器具などを備えている。また、展開することで、1人が入れる防音機能付きプライベートブースを装備。被災した際にもプライバシー確保のサポートをする。
エクステリア面では、ガードバンパーやウィンチを装備。またタイヤもオフロード用タイヤなどを装備し、ハードな悪路走行にも対応を想定している。
給電機能という意味では、車両ルーフ部にソーラーパネルを確保、またDC/ACインバーターも備わっている。ただし、災害発生時の電力回復までの数日間の困りごとの解決を主として置いており、V2Hのような機能は未装備である。ただし避難時のライフラインをはじめ、様々な困りごとを解決できる装備を搭載したこのコンセプトカーは頼りになる1台といえる。
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