パナソニックがCESで展示したScalable ePowertrain Platformは、パナソニックの自動車部品サプライヤー化を象徴するものだった。電池やモーター、インバーターなどの個々のデバイスとしてではなく、プラットフォームとしての提案は大きな話題となった。
パナソニックの創業は、1918年。2018年3月に100周年を迎える。松下幸之助が松下電気器具製作所を創設し、最初の製品である配線器具の「アタッチメントプラグ」を製造してから100年。今やパナソニックは売上高7兆円強、従業員27万人の巨大企業になった。
そのパナソニックが現在、力を入れているのが、リチウムイオン電池やADAS(先進運転支援システム)、コックピットシステムなどを含む車載事業だ。電池では、トヨタのHEV用のバッテリー(ニッケル水素、リチウムイオン電池)を長年作り続けているし、米・テスラのバッテリーを供給していることでも知られている。テスラと共同運営する大規模電池工場の「ギガファクトリー」へも投資している。
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パナソニックが1月のCESで展示したのが、48VシステムのEVパワートレーン・プラットフォームである。パナソニックによれば、「EV(電気自動車)の開発効率化に貢献する、小型EVソリューション「ePowertrain」プラットフォーム」、CESの会場では、Scalable ePowertrain Platformと書いてあった。このプラットフォームは、二輪EV及び超小型EV向けに開発したもので、統合小型(Integrated compact)、高効率(High Efficiency)、拡張性(Scalable)に優れた省電力で安全性の高いパワートレーンだという。スケーラブルというのも重要なポイント。
車両の大きさ、走行速度、トルクなど求められる仕様に応じて基本システムを組み合わせて使用できるので、開発コストや時間を短縮できる。
EVシステムは、ボッシュ、コンチネンタル、ZF、ヴァレオ、マグナ、デンソーなど世界のそうそうたるメガサプライヤーが開発している。ここにパナソニックも参入する構図となる。あえて高電圧ではなく48Vを選び、4輪だけでなく2輪EVにも使えるというから、今後の展開が楽しみである。
このScalable ePowertrain Platformを採用すれば、比較的短時間に開発コストをかけずに小型EV、いわゆる小型モビリティを作れるとなれば、中国などの新興自動車メーカーのみならず、ベンチャーなどからの引き合いもありそうだ。48VのEVプラットフォームを足がかりに、パナソニックがどこまでどこまで自動車に食い込んでいくのか、注目だ。
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