3月30日(土)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦サファリ・ラリー・ケニアの競技三日目(デイ3)には、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のトヨタGRヤリス・ラリー1が3台出走し、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合首位をキープしている。
日本人ラリードライバーの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、SS10で発生したタイヤトラブルにも冷静に対処し、総合2番手にポジションアップ。チームメイトのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)もタイヤトラブルが起きたが、ロスを最小限にとどめて総合4番手につけた。
サファリの猛威襲来。アクシデント続出のなかロバンペラが首位堅持、勝田は2番手に/WRC第3戦ケニア
デイ3は、サービスパークのあるナイバシャ北側のエレメンタイタ湖の周辺で『ソイサンブ』、『エレメンタイタ』、『スリーピングウォーリアー』という3本のステージを各2回走行。その合計距離は160.96kmと、今大会最長のステージ距離を走行する一日となった。ステージの大方はドライコンディションとなったが、路面は全体的に荒れており、ぬかるんでいるエリアも一部見られる。
デイ2ですべてのステージを制し首位に立ったロバンペラは、56.9秒のリードでデイ3をスタート。朝から2ステージ連続で3番手タイムを記録し、36.08kmと今大会最長のステージであるSS10『スリーピングウォーリアー1』では2番手に24.8秒差をつけるベストタイムを記録した。リードを広げたロバンペラは、午後のステージでも確実な走りを続け、首位の座を堅持している。
総合3番手からデイ3を開始した勝田は、オープニングのSS8で今大会初のベストタイムを記録し総合2番手に順位を上げた。しかし、SS10で2本のパンクを喫し1分以上をロス。この時点ではヒョンデ・シェル・モービスWRTのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)に総合2番手の座を明け渡したが、SS11でふたたびベストタイムを記録。一方のヌービルがトラブルに見舞われたこともあり、総合2番手を取り戻している。
ポイントランキング2位につけており選手権争いもかかるエバンスは、SS8でのタイヤ交換により総合5位に後退してしまうデイ3の幕開けとなる。その後も、タイヤトラブルが続いたものの堅実に一日を戦い抜き、午後にはSS11でセカンドベストタイムを、SS12ではベストタイムを記録して総合4番手まで回復した。
トップ4に3台のトヨタGRヤリス・ラリー1がつける展開となったデイ3を終えたヤリ-マティ・ラトバラ代表は、「今日も多くのドラマがあったことを考えると、喜ぶべき一日だと言える」と、各ドライバーの鬼門となった一日を評する。
「カッレ(・ロバンペラ)は本当に忍耐強く、クレバーに走った。プッシュできるときにはプッシュし、石が多くある荒れた路面では無理をしないなど、一日を通してパーフェクトなドライビングだったよ」
「(勝田)貴元も、総合2番手につけて素晴らしい一日を送ったが、エルフィン(・エバンス)は運悪くパンクを喫するなど、荒れた展開になってしまった。草の影に大きな石が隠れていて、それに簡単に当たってしまうような難しい状況だったんだ」
「それでもエルフィンは総合4番手につけ、チャンピオンシップでもっとも近いライバルであるティエリー(・ヌービル)よりも上の順位となった。ふたりによる日曜日のポイント争いは非常に興味深いものになるだろう」
タイヤトラブルを始め、各々に困難が生じ始めたデイ3を乗り切ったTGR-WRT。3台が上位に残った状況のなか、チームは2024年シーズン初の総合優勝をかけて大会最終日に臨む。デイ4は、上位5台にボーナスポイントが与えられる最終パワーステージを含む6本のSSを予定し、『マレワ』、『オセレンゴニ』、『ヘルズゲート』を2回ずつ走行する。ステージの合計距離は74.38km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は367.85kmが予定されている。最初のSS14は、現地時間30日(土)7時02分(日本時間13時02分)に開始される予定だ。
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