■ボディがダウンサイジングされた理由はさまざま
日本では乗用車の場合、車体の大きさと排気量で区分されます。小型乗用車が5ナンバー、普通乗用車が3ナンバーといった具合です。
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全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2m以下、排気量が2リッター以下のクルマが5ナンバー車で、これらを超えるクルマが3ナンバー車に分類されます。
かつて、3ナンバー車は贅沢品という考えのもと、自動車税が高く設定されていましたが、いまでは排気量のみで税額が決まるので、2リッター以下のエンジンを搭載したクルマでも全幅が1.7mを超えるクルマが増えました。
そして、多くのクルマにおいてモデルチェンジのたびに大型化するのが、当然のようになっています。
一方で、モデルチェンジ時にあえて全幅や全長を短くするなどのサイズダウンがおこなわれるケースも少数ながら存在しますが、どういった経緯でサイズダウンを選択したのでしょうか。
そこで、ボディをダウンサイジングしたクルマを5車種ピックアップして紹介します。
●日産「シルビア」
昭和から平成を代表する小型スペシャリティクーペである日産「シルビア」は、1988年に発売された5代目(S13型)から人気に火が着きました。
5ナンバーサイズでFRレイアウトの軽量ボディにハイパワーなターボエンジンを搭載し、スポーツドライブ好きだけでなく、デートカーとしても好評でした。
その後エンジンは1.8リッターから2リッターにスイッチし、6代目のS14型ではボディサイズを全長4520mm×全幅1730mm×全高1295mmまで拡大し、全車3ナンバーとなりました。
しかし大型化されたボディによりS13型の魅力であった軽快感が失われたと不評だったため、1999年に発売された7代目シルビア(S15型)は、全長4445mm×全幅1695mm×全高1285mmと全長、全幅がサイズダウンし、5ナンバーサイズに戻されました。
車両重量も1270kgから1250kgに軽量化され、エンジンは2リッター直列4気筒ターボのSR20DET型のままでしたが、最高出力220馬力から250馬力と高出力化し、新たに採用された6速MTと相まって、走りの良さもワンランクアップします。
しかし、S15型は排出ガス規制の影響で、わずか3年7か月で生産を終了してしまいました。
●ホンダ「アコード」
1976年にホンダ「シビック」の上位車種として発売された「アコード」は、ホンダの北米進出の布石ともなった記念すべきモデルです。
発売当初は3ドアハッチバックでしたが、後に4ドアセダンが追加され「アコード=セダン」のイメージが定着します。
そして、1993年にデビューした5代目は、販売の主戦場であるアメリカの安全基準に対応するために大型化され、日本では3ナンバー車となりました。
ボディサイズは全長4675mm×全幅1760mm×全高1410mmと、先代から全幅が65mm拡幅されましたが、国内市場でも概ね好評に受け入れられます。
その後、1997年に登場した6代目では「世界共通フレキシブル・プラットフォーム」という技術手法が取り入れられました。
これはサイズに対するフレキシビリティを持ったシャシで、仕向地別にそれぞれのコンセプトを確立し、ボディサイズや形状などの地域最適化が可能になりました。
日本向けのアコードは、よりスポーティセダン色を強めるためと、市場環境に合わせる目的で全長4635mm×全幅1695mm×全高1420mm(SiR-T)とサイズダウンし、再び5ナンバーサイズに回帰。
エンジンもトップグレードでは200馬力を誇る2リッター直列4気筒VTECを搭載し、取りまわしがよく軽快でキビキビ走るスポーティさを取り戻しました。
●日産「フェアレディZ」
日本を代表するスポーツカーといえば、50年以上の歴史を刻む日産「フェアレディZ」です。初代から一貫して6気筒エンジンを搭載する3ドアハッチバックのFRというポリシーを継承しています。
しかし、2000年に排出ガス規制の対応が困難という理由から4代目をもって生産を終了。そして日産・ルノーアライアンス締結後の2002年に5代目となるZ33型フェアレディZが復活します。
元々、フェアレディZはアメリカ市場をターゲットとしたクルマのため、Z33型は全長4310mm×全幅1815mm×全高1315mmの堂々としたボディに一気に大型化されました。
ところが、2008年に登場した6代目のZ34型は全長4250mm×全幅1845mm×全高1315mmと、ワイドにはなりましたが、全長はショート化されます。
これはホイールベースをZ33型の2650mmから2550mmと、100mmも短縮したことによるもので、初代フェアレディZのドライビングイメージを意識した結果でした。
最高出力336馬力の3.7リッターV型6気筒エンジンによる、自然吸気らしい伸びやかな加速とレスポンス。そして、ショート&ワイド化されたボディが生むコーナーリングパフォーマンスは、現在も多くのファンを魅了し続けています。
■大きくなって、小さくなって、また大きくなった!?
●トヨタ「カローラ」
日本を代表するベーシックカーとして長い歴史を持つトヨタ「カローラ」は、同時に世界中で愛され続けています。
2006年に10代目へのモデルチェンジした際、「新しい尺度でのクルマづくり」をテーマとして開発され、日本国内の道路交通事情にマッチする5ナンバーセダンとして「カローラアクシオ」の名称で登場しました。
バックモニターを全車標準装備とし、1.8リッター車のエンジンには吸気と排気の両方を最適にコントロールする「Dual VVT-i(連続可変バルブタイミング機構)」を採用するなど、高い実用性を実現。
初代「カローラアクシオ」のボディサイズは全長4410mm×全幅1695mm×全高1460mmと、ワンクラス上のモデルに迫るほど先代から拡大されていました。
そこで、2012年にモデルチェンジされた2代目カローラアクシオでは「大人4人が、安心・安全、快適に長距離を移動できるミニマムサイズのクルマ」というカローラの原点に立ち返り、小型軽量化を実施します。
「ヴィッツ」系のプラットフォームに変更されたことで、全長4360mm×全幅1695mm×全高1485mmと全長を短くし、最小回転半径は先代の5.1mから4.9m(2012年式1.5ラグゼール)となり、狭い市街地や駐車場などでの取りまわしも楽になりました。
なお、2019年9月に発売された12代目では、シリーズ初の3ナンバー車となり、車名もセダンではカローラに戻されています。
●マツダ「ロードスター」
1989年に発売された初代マツダ(当時はユーノス)「ロードスター」は、オープン2シータースポーツの人気を再燃させるなど偉大な足跡を残した名車です。
決してパワフルとはいえない1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載していましたが、軽やかにワインディングロードを駆け抜けたときに、クルマを操ることの楽しさが感じ取れるクルマでした。
その後、代を重ねるたびに排気量が拡大し、2リッターエンジンが搭載された3代目では、170馬力の出力を受け止めつつ高いコーナーリング性能を発揮するため、3ナンバーワイズのワイドボディとなり、サイズは全長4020mm×全幅1720mm×全高1255mmでした。
そこで、マツダはロードスターの原点に立ち返るとし、4代目ではエンジンを1.5リッターにダウンサイジングして、ボディサイズも全長3915mm×全幅1735mm×全高1235mmとワイド化しつつも全長を105mm短くしました。
また、各部にアルミや超高張力鋼板を使い、3代目よりも100kgほど軽量化し、最軽量グレードで990kgと1トンを切ります。
また、伝統となっているエンジンのフロントミッドシップ搭載により前後重量配分を50:50として、高い旋回性能と安定感を実現し、初代ロードスターに近い軽快なドライブフィールを持つスポーツカーに回帰しました。
※ ※ ※
ボディが小さくなるのはレアケースですが、近年、欧州から始まったダウンサイジングターボエンジンは世界中に広まっています。
ダウンサイジングは排気量を小さくして、気筒数を減らし、ターボでパワーを補うという手法です。
近ごろは、もう少し排気量を拡大したライトサイジング(排気量適正化)エンジンに移行し始めていますが、いまでも車体の大きさの割に小さなエンジンのクルマが多く存在します。
顕著な例ですと、メルセデス・ベンツ「E200アバンギャルド」は1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載しています。Eクラスに1.5リッターエンジンが搭載されることなど、ひと昔前では考えられないことでした。
こうした流れは日本市場では良いことで、排気量で区分される自動車税で有利になります。ただし、クルマによってはパワー不足に感じるケースがありますので、購入を検討する時には試乗することをおすすめします。
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