現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 観光名所ではないけれどしっかり見ておきたいラウンドアバウト──第8回 イタリア聖地ラウンドアバウト

ここから本文です

観光名所ではないけれどしっかり見ておきたいラウンドアバウト──第8回 イタリア聖地ラウンドアバウト

掲載 更新
観光名所ではないけれどしっかり見ておきたいラウンドアバウト──第8回 イタリア聖地ラウンドアバウト

イタリアに限らず欧州をクルマで走っていて、日本の道路環境と一番異なると感じるのは、ラウンドアバウトの存在だろう。大都市の中心部ならともかく、欧州では地方の小都市や少し郊外に出ると、信号のある交差点の数は極端に減る。そのかわりにあるのが、ラウンドアバウトと呼ばれる環状交差点だ。

ラウンドアバウトはその真中に盛り土でつくった中央島が設けられ、その島の周りをぐるりと環道が囲み、この環道に3本以上の道路が接続している。そしてこの中央島にその土地をシンボライズしたオブジェなどが建てられることが多い。

V8フェラーリのオープンが華麗に進化! F8 スパイダー登場

真横から見ると、ウェッジシェイプのランボルギーニのスーパーカーらしいラインが特徴的。まず、フェラーリ本社のあるマラネッロのラウンドアバウトをご紹介しよう。

フェラーリ本社の東側にある直径60mほどの大きなラウンドアバウトには、銀色に輝くキャバリーノ・ランパンテの像が建てられている。言わずとしれたフェラーリのエンブレムを模した像である。

中央島には植樹もされているので、木々が邪魔をして角度によっては跳ね馬像が見えづらいかもしれない。

フェラーリのエンブレムの跳ね馬は左向きだが、ラウンドアバウトを一周すると、見慣れない角度から跳ね馬を見ることができ新鮮だ。季節によっては、跳ね馬像の脚元にフェラーリ・レッドの花が咲いており、非常に綺麗だ。

また、マラネッロの中心地にあるサン・ビアージョ教会前のナツィオナーレ通りとクラウディア通りが交差するラウンドアバウトにも最近キャバリーノ・ランパンテの像が建てられたので、要注目だ。

フェラーリ本社の東側にある門の近くに、お目当てのラウンドアバウトは位置している。NISHIYAMAランボルギーニを2つのオブジェで表現次に紹介するのはランボルギーニの本社があるサンタアガタ・ボロネーゼのラウンドアバウトだ。

ランボルギーニはウルスの生産のために工場を拡張し、従業員も増員した。サンタアガタ・ボロネーゼはこの数年で、従業員用の住居が数多く建てられ、道路も整備された。

ランボルギーニ本社前のモデナ通りは、かつては真っ直ぐな道だったが、この数年の間に新たにラウンドアバウトが作られた。

暗くなるとトリコロールカラーにライティングされるので、ぜひとも夜にご覧頂きたい。まずランボルギーニ本社玄関口から東側に600mほどの場所に作られたラウンドアバウトには、ひと目でランボルギーニと分かるウェッジシェイプのスーパーカーを模したオブジェが置かれている。

このオブジェは、六角柱の棒状の金属で構成されている。ランボルギーニのデザインでよく用いられるハニカムでスーパーカーのラインが表現されているというわけだ。

明るい時間に見ると無機質なアートであるが、夜間はイタリアン・トリコロールにライトアップされ、遠くからでもその姿を認めることができる。

いかにも抽象的な芸術作品のように見えるが、ファイティングブルの角をシンボライズしたオブジェだ。モデナ通りをそのまま進み、ランボルギーニ本社を通り過ぎて800mほどの交差点にも、新たにラウンドアバウトが作られた。

螺旋状に天へそびえ立つオブジェは、一見するとただの抽象的なオブジェのようだが、よく見るとそれはファイティングブルの角であることが分かる。

このアブストラクトなオブジェは、直線路であるモデナ通りを走っていると、かなり遠い場所からでもその存在に気がつくほどの高さだ。

ランボルギーニ本社を訪れるには、モデナ通りを使う以外に方法がない。近年、観光客も含めランボルギーニ本社を訪れる人の数は増えている。本社前の通りの西と東にラウンドアバウトを新たに設け、そこに設置されたランボルギーニを象徴するオブジェが、ランボルギーニ本社に訪れる人を出迎えてくれるというわけである。

遠くからでもすぐに分かるほどオブジェはかなり巨大。伝説の開発ドライバー、ボブを偲んでサンタアガタ・ボロネーゼには、もうひとつ見ておきたいラウンドアバウトがある。

それは、トリコロールにライトアップされたオブジェが美しいラウンドアバウトから北へ140mほどにある直径20mほどの小さなラウンドアバウトだ。

盛り土はされておらず、フラットな中央島は、白い玉砂利で敷き詰められており、清潔感がみなぎっている。

ボブ・ウォレスが開発ドライバーを務めたカウンタックの実物のシャシーが防錆処理を施して設置されている。中央島には、「rotatoria Bob Wallace」の標識。ランボルギーニの伝説的なテストドライバー、ボブ・ウォレスの名がつけられたラウンドアバウトなのである。

ボブ・ウォレスは、ミウラやカウンタックのテストドライバーとしてのほかに、ミウラをもとに作った実験車両「J(イオタ)」を手掛けたことで有名だ。

直径20mほどと小さめのラウンドアバウトの中央島には、玉砂利が敷かれている。ジャン・パオロ・ダラーラから誘われてランボルギーニへと移籍してきたボブ・ウォレスは、フェラーリやマセラティのレースメカニックとしての腕前とレーシングマシンを実走行して整備していた経験を見込まれ、テストドライバーとしてランボルギーニ創成期のロードカーを磨き上げていくことになる。

こうしたことから、ジャン・パオロ・ダラーラ、パオロ・スタンツァーニらとともに、ランボルギーニのレジェンドと呼ばれ、いまなおサンタアガタ・ボロネーゼの人たちに愛されている。

伝説の開発ドライバー、ボブ・ウォレスの名前がつけられたラウンドアバウト。2013年にボブ・ウォレスが他界すると、彼を偲んでこのラウンドアバウトが作られることになった。

中央島には、ラウンドアバウトができたときに1本の木が植樹され、実際のカウンタックのシャシーを使ったオブジェが設置されている。

カウンタックのシャシーのオブジェには、ボブの功績を称えるプレートが取り付けられている。このラウンドアバウトは今後、ランボルギーニファンが訪れるべき聖地となるだろう。

文・尾崎春雪 編集・iconic

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
くるまのニュース
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レスポンス
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
Auto Messe Web
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
WEB CARTOP
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
Webモーターマガジン
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
motorsport.com 日本版
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
くるまのニュース
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
バイクのニュース
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
レスポンス
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
WEB CARTOP
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
くるくら
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
AUTOSPORT web
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
WEB CARTOP
一体何が!? シーズン終盤のF1レースディレクター交代劇にドライバーたちも驚き「ちょっと奇妙だよね……」
一体何が!? シーズン終盤のF1レースディレクター交代劇にドライバーたちも驚き「ちょっと奇妙だよね……」
motorsport.com 日本版
VW、新型SUV「ティグアン」を発売 価格は487万1000~653万2000円
VW、新型SUV「ティグアン」を発売 価格は487万1000~653万2000円
日刊自動車新聞
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
くるまのニュース
家族のおでかけマンネリ解消へ、日産が新プロジェクト 全国の「奥名所」を発掘
家族のおでかけマンネリ解消へ、日産が新プロジェクト 全国の「奥名所」を発掘
レスポンス
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
LE VOLANT CARSMEET WEB

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2868.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2760.06880.0万円

中古車を検索
ウルスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2868.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2760.06880.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村