■どんなクルマ?
XC60 T8の導入 完璧なタイミング
「2019年から全モデル電動化」 ボルボの選択は正しかったのか 早とちり? 英断?
ボルボの鮮烈なまでの実績と、将来的に全ラインナップを電力化するという過度なまでの発表を考えると、XC60 T8導入は完璧なタイミングだと言える。
ガソリン・ハイブリッドを積んだ最上級グレードというのは、このブランドの今後の方向性を示すからだ。
ツインエンジンと銘打たれた、ボルボのハイブリッド・テクノロジーに目新しいところはない。フロントには前輪を駆動する318psのガソリンエンジン、リアには後輪駆動用に87psの電気モーターが搭載される。
フロントの2.0ℓ直4はターボとスーパーチャージャーで過給し、リアのモーターは10.4kWhのバッテリーパックを電源とする。
XC60には新規採用のメカニズムだが、同じ「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー」を用いたモデルではおなじみで、デビューはXC90への搭載だった。
システム出力や機能面に変更はないが、XC60はXC90より200kgほど軽いため、加速性能はさらに高まる。
CO2排出量は49g/kmで、燃費は47.6km/ℓを謳うが、これはXC90と変わらない。通常では考え難いが、ボルボとしては近年の欧州サイクルによる無意味な数字を追及することに、こだわる価値はないということらしい。
おそらく、それより信頼度の高い数字は、45kmというメーカー発表のEV走行航続距離と、200V電源で3時間半という充電時間ではないだろうか。
■どんな感じ?
SUVとしてはトップクラスの速さ
静かで速く、高級感がある。しかし、気になる矛盾がないわけではない。その中には、予想された現実世界での有用性の狭さも含まれる。
少なくともこのクルマのスマートさは、すぐに目を引くものだ。最上位仕様の「インスクリプション・プロ」か「Rデザイン」では、組み付けや仕上げがレンジローバー・スポーツに比肩するレベル。そして、ほぼ無音の加速が、素材の高級感にマッチした雰囲気をもたらす。
速さも確かにある。公称5.3秒の0-100km/h加速を実現するには、ドライブモードを「パワー」に入れる必要があるだろうが、モーターとエンジンをバランスよく使う「ハイブリッド」モードであっても、SUVとしてはトップクラスの速さを見せる。
そうはいっても、このクルマの特性やメリットを享受するのに、パフォーマンスをフルに引き出す必要はない。
ハンドリングは上々だが、基本的には前輪駆動優勢で、ジャガーF-PACEやポルシェ・マカンのようなものではない。
バッテリーを消費したときが問題
ライバル車と同じようにプッシュすると、不安定なホイールコントロールとコミュニケーションに欠けるステアリング、増えすぎた車重や唐突に利くブレーキもあり、シャシーは運動性でしっかり応えてくれるというより、強要されているような感覚をもたらす。
バッテリーをある程度消費すると、よほど短距離でなければ、充電に主眼を据えた走り方になる。
そこで、他のクルマも多くがそうするように、都市部など「ピュア」モードでゼロエミッション走行をしたいときに備えて、電力消費を控える傾向にある。
問題は、87psのモーターでは2トンのクルマに物足りないということ。これでは、ボルボが目指す内燃エンジン全廃の実現は難しいだろう。
「ハイブリッド」モードでは、パワーソースの移行はスムースだが、エンジンの介入時にはほんのわずかながら断絶があるのを感じる。
つまり、このXC60が矛盾なく走るのは、バッテリー残量のあるうち、もしくはエンジンがバッテリーを充電しているときに限られるということだ。
しかも、充電が尽きた状態で試乗した際の燃費は8.8km/ℓまで落ち込む。これは、ポルシェの公表するマカン・ターボの都市部燃費である8.7km/ℓと大差ない。
■「買い」か?
理想と現実には、まだまだギャップがある
購入するに値する理由は少なくない。豪華さや雰囲気、直線加速などは、T8の価格に見合っている。
特定の場所や充電ポイント間での移動が中心であるならば、パフォーマンスに妥協を強いられることなく、謳い文句通りにランニングコストを低く抑えられるだろう。
しかし、もっと行動範囲が広いか、ポルシェやジャガーのような楽しみを期待するなら、その正当性は急速に後退する。
充電を使い切ると、この最も高額なXC60は他の速さを重視したSUVと変わらぬ大食らいになる。そのくせ、ボディの重さゆえに走りはダルい。
これはよくあるPHV同様、優秀さを発揮する状況が限定される類いのクルマだ。確かに主張通りの性能を発揮する一方、電動化に疑いを投げかけるものであるのも事実だ。
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