この記事をまとめると
■クルマのマフラーは排気音を抑えるために設計されている
マフラー出口に「段ボール」みたいなモノが詰まってるけど一体何? 最近のレーシングカーの謎!
■内部の構造は隔壁で音量を抑えるタイプとグラスウールで抑えるタイプが存在する
■グラスウールで抑えるタイプは社外品に多く劣化しやすいので消耗品と考えるべきだ
マフラーはなぜ劣化する?
マフラーは排気音を小さくするための装置だ。その排気音を小さくするために、マフラーの内部の構造は凝った作りをしていて、大きくわけると2種類が存在する。
ひとつはノーマルマフラーに使われる隔壁構造と呼ばれるもの。排気ガスを部屋に貯めて、そこから小さな穴で隣の部屋に移す。これを何度も繰り返すことで排気音を小さくしていく。メリットは基本的にマフラーの劣化がないこと。錆びて穴が開くなど、物理的に壊れなければほぼずっと同じ性能をもつ。デメリットは排気抵抗になりやすく、パワーやレスポンスという点では微妙なところだ。
もうひとつの構造はストレート構造と呼ばれるもの。サイレンサー内部に穴の空いたパイプが通っていて、そのまわりを熱に強いグラスウールで包む。グラスウールとはガラス繊維でできた綿のようなもので、このグラスウールが音を吸収することで排気音を小さくできる。メリットは排気ガスに対する抵抗が少ないこと。穴の空いたパイプの内部を排気ガスは通過するので、そこに掛かる抵抗は少ない。デメリットはグラスウールが熱や水分などで劣化して痩せてしまうので、だんだん排気音量が大きくなってしまうことだ。
購入当初は静かだったマフラーでも、数万km走行したら音量が大きくなってしまい、ときには車検でNGを食らってしまったなんてこともある。
マフラーは消耗品!
これに関しては、正直ユーザー側でできる対策はない。走行距離が伸びたり、サーキット走行でエンジンをガンガンまわしていればグラスウールがダメージを徐々に受けていくのは仕方がないところ。そこでマフラーメーカーによっては、グラスウールの詰め直しを行っていることもある。
内容は簡単で、サイレンサーの溶接部を剥がして一旦バラし、内部のグラスウールを詰め直して、消音効果を取り戻してくれるサービスだ。有料にはなるがそういった方法で本来の性能を取り戻すことも可能ではある。
もうひとつの対処法としては、単純だが新しいマフラーに買い替えること。
「え? わざわざマフラーを買い替えるなんて……」という人も多いと思うが、前述のようにマフラーは徐々に劣化していくもの。とくにアフターパーツメーカーのマフラーは、その多くがストレート構造を採用しているため、音量に関する劣化は避けられない。
だからといって頻繁にマフラーを買い替える必要はないが、雪国では内部の劣化以外に、凍結防止剤によってステーが錆びてきたり折れたりすることもある。内地で使っていても、振動や劣化で溶接箇所が剥がれてきたりもすることがある。そういった状況を加味すると、車検3回や4回くらいを通したらマフラ-を買い替えるのもひとつの手なのである。
ちなみに周知のことではあるが、2010年4月以降に生産されたクルマでマフラー交換をする場合は、事前認証制度を取得したものしか公道では使用できない。指定された工場で事前認証制度に合致した性能で作られたマフラーでなければならないので、マフラーがうるさくなってきたからDIYでグラスウールを詰め直すなどの行為もNGだ。
逆にそれ以前のクルマであれば、車検場で排気音量の検査に合格すれば問題ないので、自作マフラーやDIYでグラスウールを詰め直すことも可能である。
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みんなのコメント
本人は楽しんでエンジン吹かしてるんだろうけどこっちは迷惑なのが分からんのかな、いい歳こいて