■日本を代表するスポーツカーのなかでも特別なモデルとは!?
つい先ごろ、アメリカのメディアが報じたところによると、日産「フェアレディZ」(米国名は「370Z」)について、新たな動きがあったようです。
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具体的には「Z」エンブレムの商標登録のみで、それ以外の情報はありません。
しかし、現行モデルが発売されて11年以上経ちますから、新型の登場を示唆する動きは、ファンにとって朗報ではないでしょうか。
そこで、これまでに登場したフェアレディZシリーズのなかで、特別なモデルを5つピックアップして紹介します。
●フェアレディZ432
フェアレディの歴史を遡ると1950年代に誕生した、2シーターオープンの英国的スポーツカーで、前時代的なフォルムのまま進化してきました。
そして1969年に、フェアレディZとしてクローズドタイプのボディに一新され、世界を見据えた次世代のスポーツカーに変貌を遂げます。
発売当初は2リッター直列6気筒SOHCツインキャブの名機「L20型」エンジンを搭載したモデルと、初代と2代目「スカイラインGT-R」にも搭載された2リッター直列6気筒DOHC4バブル3連キャブの「S20型」エンジンを搭載したモデルをラインナップ。
なかでもS20型搭載車は「フェアレディZ432」と名付けられ、「432」は[4]バルブ[3]キャブレター[2]カムシャフトを意味します。
Z432の最高出力は160馬力を誇り、主にレース用を前提に開発されましたが、さらに軽量化を施された「フェアレディZ432R」が設定されました。
初代フェアレディZはアメリカに輸出され人気を博しましたが、フェアレディZ432は、日本専売モデルで輸出はされず、いまもアメリカのZファンにとって垂涎の的となっています。
●ダットサン「280ZX 10th Anniversary」
1978年、日産は2代目フェアレディZを発売しました。アメリカでの展開は1979年からで、ダットサン「280ZX」の車名が与えられました。
直列6気筒エンジンを収めるロングノーズとファストバックスタイルは初代を踏襲し、ボディサイズは全長4420mm×全幅1690mm×全高1295mm(日本仕様)と、大きく伸びやかなフォルムになり、初代と同様にアメリカ市場での人気を不動のものとします。
1980年には、ルーフセンターを残しながらもオープンエアドライブが楽しめる、左右独立の脱着式グラスルーフを持つ「Tバールーフ」をラインナップ。
Tバールーフが加わると同時に、北米限定で初代ダットサン「240Z」発売から10年を記念したモデルとして「280ZX 10th Anniversary」を発売。
カラーはブラックとゴールド、またはブラックとレッドの2タイプのツートーンカラーが選べ、内装も革張りのシートや特別な装飾が施されていました。
280ZX 10th Anniversaryは合計3000台が製造され、ブラック/ゴールドが2500台、ブラック/レッドが500台となっていました。
なお、このカラーリングの組み合わせは日本仕様には存在せず、Z432とは逆に、日本のファンの垂涎の的になっています。
●フェアレディZ 300ZR
1983年に発売されて3代目フェアレディZは大きな変革を迎え、これまでの直列6気筒エンジンから、V型6気筒エンジンに換装。
同時に外観のスタイルも、ロングノーズのファストバックスタイルというコンセプト以外は一新され、新たな一歩を踏み出しました。
そして、速くも3年後の1986年にはマイナーチェンジされ、外装のほとんどが新たなデザインへ変わり、3リッターエンジン車はワイドフェンダーとなるなど、より迫力ある見た目へと進化します。
同時に、190馬力を発揮する3リッターV型6気筒DOHC自然吸気の「VG30DE型」エンジンを搭載した「300ZR」が、新たに設定されました。
300ZRは3リッターV型6気筒SOHCターボの「300ZX」よりも出力は劣りますが、アクセルに対するエンジンのレスポンスが優れ、強化された脚まわりと相まって、スポーツカーとしての資質は勝っていました。
■シリーズ最強のフェアレディZとは!?
●フェアレディZ Version NISMO Type 380RS
日産がルノーと提携を開始した翌年の2000年に、フェアレディZの系譜は4代目をもって一旦途絶えることになりました。しかし、日産を代表するスポーツカーの火は消えず、2002年に5代目となるフェアレディZが登場。
5代目は自然吸気ながらも280馬力を発揮する3.5リッターV型6気筒DOHCエンジンの「VQ35DE型」を搭載。
自然吸気らしくアクセル操作に敏感なエンジンの反応生み出し、普段はジェントルに走りながらもアクセルペダルを踏みこんだ瞬間からは大排気量車ならではの走りを楽しめる、大人のための上質なスポーツカーに仕上がっていました。
また、外観は初代をオマージュするかのようなイメージとなり、歴代フェアレディZにあった4シーターの「2by2」は廃止され、全車2シーターのみに統一しています。
2003年以降は、ラインナップの拡充が図られ、2007年にはニスモの手によって最高出力350馬力を発揮する3.8リッターに改造された、「VQ35HR型」エンジンを搭載する「フェアレディZ Version NISMO Type 380RS」が300台限定で発売されました。
このモデルは、スーパー耐久参戦用モデル「フェアレディZ Version NISMO Type 380RS-Competition」を公道走行仕様に変更したもので、エンブレム以外の前後バンパーやフロントスポイラー、リアスポイラーは同じくニスモが開発した「Version NISMO」と同様な仕様なため、外観での主張は控えめになっています。
300台というレアなモデルだけあって、現在ではかなりレアなモデルです。
●フェアレディZ Version NISMO
2008年に発売された6代目フェアレディZは、ボディサイズが全長4250mm×全幅1845mm×全高1315mmと大柄ですが、先代よりもショートホイールベース化されたことが大きく話題となりました。
タイヤの接地荷重を高めるためリアタイヤが100mm前方に移動され、初代フェアレディZから続く独特のドライブフィーリングを再現したといいます。
搭載されたエンジンは「スカイラインクーペ」などで採用された、最高出力336馬力を発生させる3.7リッターV型6気筒の「VQ37VHR型」エンジンで、高レスポンス、高出力、低燃費、低排出ガスを実現していました。
ボディサイズは全長4250mm×全幅1845mm×全高1315mmと大柄ですが、先代よりもショートホイールベース化されました。
リアタイヤの接地荷重を高めるためリアタイヤが100mm前方に移動され、初代フェアレディZから続く独特のドライブフィーリングを再現したといいます。
発売後にも進化は続き、エンジンの改良やボディ補強パーツの追加、サスペンションマウントブッシュの見直しなど、細かなチューニングがマイナーチェンジ時に施されています。
そして、2009年にはニスモによって開発された「フェアレディZ Version NISMO」が登場。搭載されたエンジンは専用設計した等長フルデュアルエキゾーストシステムの採用と、コンピューターのチューニングによって、シリーズ最強となる最高出力355馬力を発揮。
「NISMO」の名を冠するモデルだけあって、エンジンだけでなくシャシの補強やサスペンション強化、パワーステアリングの特性まで手が入れられています。スポーツドライブに最適なようにチューニングされていました。
外観も前後バンパーやイドシルプロテクター、リアスポイラーなどのエアロパーツが専用にデザインされ、効果的なダウンフォースの獲得と空気抵抗の低減を両立しています。
※ ※ ※
フェアレディZは日産のみならず、日本を代表するスポーツカーと言って過言ではありません。
前述にあるとおりフェアレディZの主なマーケットはアメリカで、初代が発売されると生産台数のほとんどが海を渡ったといいます。
アメリカでのヒットによって、英国のスポーツカーメーカーは北米から撤退を余儀なくされたという逸話があるほど、フェアレディZは影響力のあるクルマでした。
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