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※追記あり※フェラーリ499Pが2番手を0.5秒以上突き放すも車検で失格。LMGT3ではポルシェが戦慄の大クラッシュ【WECスパ予選】

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※追記あり※フェラーリ499Pが2番手を0.5秒以上突き放すも車検で失格。LMGT3ではポルシェが戦慄の大クラッシュ【WECスパ予選】

 5月10日(金)、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットでWEC世界耐久選手権第3戦の公式予選が行われ、フェラーリAFコルセの50号車フェラーリ499P(アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン)がポールポジションを獲得した。

【※追記】しかし、ハイパーポール後の車検で規定最低重量を満たしていなかったことが判明し、50号車は失格裁定を受けた。このため、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの5号車ポルシェ963(マット・キャンベル/ミカエル・クリステンセン/フレデリック・マコウィッキ)が繰り上がりでポールポジションを手にした。

【正式結果】2024年WEC第3戦スパ・フランコルシャン 予選

 LMGT3クラスでは、女性ドライバートリオのアイアン・デイムス85号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(サラ・ボビー/ラヘル・フレイ/ミシェル・ガッティン)が最速タイムをマークしている。

 第2戦イモラからわずか3週間、WECはル・マン24時間前最後のイベントとなるスパ戦を迎えた。9日に始まったプラクティスではなかなか前年レベルへとタイムが上がらないなか、初日はポルシェ963が最速。10日午前のFP3でも6号車ポルシェが最速となり、午後の予選を迎えた。

 2024年のWECでは『予選』での各トップ10車両が『ハイパーポール』と呼ばれる最終予選に進出して上位グリッドを争うという、2段階式の予選フォーマットが新たに採用されている。セッションはクラス別に行われ、第2戦からはLMGT3の予選/ハイパーポールを先に行い、その後にハイパーカーの2セッションを続けて行うという進行となっている。

■ラディヨンで大クラッシュが発生、赤旗に

 14時45分、午後の日差しが差し込むなか、気温20度/路面温度31度というコンディションでLMGT3の15分間の予選セッションは始まった。

 9車種/18台が争うこのクラスでは、ブロンズドライバーがアタックを担当しなければならない。したがって、82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(TFスポーツ)で小泉洋史、87号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)で木村武史というふたりの日本人ドライバーが出走している。木村はピットロードエンドの先頭に並び、いの一番にコースインしていった。

 各車は慎重にタイヤへの熱入れを行い、2周目からタイムが出始める。まずはアイアン・デイムスのボビーが85号車ランボルギーニを2分21秒台に入れていく。これをトム・ファン・ロンパウの81号車コルベット(TFスポーツ)が上回るが、ボビーは次の周に2分20秒527を記録し、後続を大きく突き放す。

 2~3番手にマンタイの2台のポルシェ911 GT3 Rが浮上し、セッションは残り5分に突入。46号車BMW M4 GT3(チームWRT)のアハマド・アル・ハーティが自己ベストを縮め、4番手につけた。

 アル・ハーティは次の周に2分21秒233にまでタイムを縮め、2番手へと浮上。首位ボビーはセッション終了を待たずにマシンをピットへと向けた。

 チェッカーまでアタックを続ける車両もあったが、11番手の88号車フォード・マスタングGT3(プロトン・コンペティション)のジョルジオ・ローダは痛恨のコースオフを喫し、タイム更新ならず。

 チェッカー提示時点で、カットラインの10番手には宮田莉朋が加わる78号車レクサス(アコーディスASPチーム)のアーノルド・ロバンが位置していたが、11番手以下からこれを上回るマシンはなく、ハイパーポール進出を決めた。チェッカー後には、27号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3(ハート・オブ・レーシングチーム)のイアン・ジェームスがトップ10圏内から4番手へと浮上している。

 この結果、予選トップは85号車ランボルギーニのボビー。以下、46号車BMW、91号車ポルシェ、27号車アストンマーティン、92号車ポルシェ、81号車シボレー、佐藤万璃音が加わる95号車マクラーレン720S GT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ。アタック担当はジョシュ・ケイギル)、59号車マクラーレン、54号車フェラーリ296 GT3(ビスタAFコルセ)、78号車レクサスまでがハイパーポール進出を決めた。

 クレメント・マテウがアタックしたDステーション・レーシングの777号車アストンマーティンは15番手、82号車シボレーの小泉は16番手、87号車レクサスの木村は17番手と、いずれもハイパーポール進出を逃している。

 15時08分に開始された12分間のLMGT3のハイパーポールのセッションでは、5分が経過しようとする頃、ターン3(ラディヨン)で大クラッシュが発生し、すぐさまレッドフラッグが提示される。92号車ポルシェのアレクサンダー・マリキンが高速コーナーリング中にスピン状態に陥り、コース右側のバリアへとハードヒット、マシンの左リヤを中心に大きなダメージを受けた。

 ピットからチームメイトの91号車ヤセル・シャヒンに向けられた無線を聞く限り、マリキンはひとまず無事とのこと。

 この事故により、時計は残り7分27秒でストップ。大破したマシンの回収とバリアの修復が行われたのち、15時33分にセッションが再開された。ここでピットロードのファストレーン上で再開を待機していた78号車レクサスのロバンが発進できなくなり、メカニックの手によりピットへと押し戻されてしまう。

 これによりLMGT3のポールポジション争いは8台によって繰り広げられることとなり、再開後最初のアタックでは85号車ランボルギーニのボビーが2分20秒827をマークして95号車マクラーレンのケイギルから暫定首位を奪う。

 チェッカーフラッグが振られるなか、各車は2周目のアタックを終えることとなったが、ここでボビーはさらにタイムを縮め、ポールポジションを確実なものとした。ユナイテッドの2台のマクラーレンも懸命のアタックを続け、59号車のジェームス・コッティンガムは最終ラップで自己ベストを更新するも、ポジションは変わらず。

 この結果、ポールポジションは85号車ランボルギーニの手に。2番手以下は佐藤組の95号車マクラーレン、46号車BMW、91号車ポルシェ、59号車マクラーレン、27号車アストンマーティンというトップ6のオーダーとなった。

【※追記】95号車マクラーレンもフェラーリと同様の違反が見つかったことにより、予選およびハイパーポールのタイムを抹消された。

■7号車トヨタがハイパーポール進出を逃す

 15時30分から予定されていたハイパーカーの15分間の予選セッションは、20分遅れでスタート。8号車トヨタGR010ハイブリッドのブレンドン・ハートレー、7号車トヨタの小林可夢偉という順でコースインしていく。アウトラップのターン5では、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの2台のポルシェ963(マット・キャンベルとケビン・エストーレ)があわや接触という場面も見られた。

 3周目から本格的なタイムが出始め、まずは8号車トヨタのハートレーが2分02秒586というターゲットタイムを刻む。これにポルシェ勢が続くが、35号車アルピーヌA424のシャルル・ミレッシが2番手へと割り込み、20号車BMW Mハイブリッド V8のロビン・フラインスも3番手へと躍進してきた。

 83号車フェラーリのロバート・クビサが2番手へと飛び込むが、4周目のアタックに入って5号ポルシェのキャンベルが自己ベストを更新し、8号車トヨタのタイムへと肉薄。さらに50号車フェラーリ499Pのアントニオ・フォコが2分02秒462まで全体ベストを縮め暫定首位に立つと、セッションは残り5分へと突入していった。

 7号車トヨタの可夢偉は序盤で好タイムを残せないなか、前方に他車がいる中でのアタックを強いられ、ターン13の出口でスライドさせたリヤをダートに落とす場面も。

 チェッカーが提示されるなか、可夢偉は懸命のアタックを続けるが、この最終ラップでもポジションアップはならず。15番手で予選を終えることとなってしまった。

 予選トップは50号車フェラーリ。以下、8号車トヨタ、5号車ポルシェ、83号車フェラーリ、35号車アルピーヌ、20号車BMW、12号車ポルシェ(ハーツ・チーム・JOTA)、6号車ポルシェ、99号車ポルシェ(プロトン・コンペティション)、2号車キャデラックVシリーズ.Rまでがハイパーポールへ進出となった。

 16時13分に12分間のハイパーカーのハイパーポールのセッションが始まると、ここでも8号車トヨタのハートレーが先頭でコースに飛び出していく。

 まずはハートレーが2周目に2分03秒572を記録。直後にこれを99号車ポルシェのジュリアン・アンドラウアーが上回っていく。

 各車は3周目に大きくタイムを縮め、5号車ポルシェが2分03秒107で暫定首位に。12号車ポルシェのカラム・アイロットが3番手、6号車ポルシェのエストーレも4番手と上位4台をポルシェ勢が独占する瞬間もあったが、またしても50号車フェラーリのフォコが2分02秒600と0.5秒以上も全体ベストタイムを更新し、タイミングモニターの最上段に立った。

 さらに2号車キャデラックのアレックス・リンが大幅にタイムを縮め、3番手へと躍進してみせる。

 残り2分を切り、35号車アルピーヌのミレッシがケメルストレート途中のコース右側のグリーンへマシンを止めてしまう。ピットへとマシンを戻す陣営も見られるなか、マシンを降りたフォコはポールポジションを確信し、雄叫びをあげた。

 アルピーヌのストップはイエローフラッグ対応となり、このままセッションはチェッカーを迎えた。最速タイムは50号車フェラーリ。2番手には5号車ポルシェが続き、以下2号車キャデラック、99号車ポルシェ、12号車ポルシェ、6号車ポルシェと続くトップ6となり、8号車トヨタは7番手でハイパーポールを終えた。

 ただし、前述の追記のとおり、車検で50号車フェラーリが失格となり、正式結果では2番手以降の順位がひとつずつ繰り上がっている。

 WEC第3戦決勝は5月11日(土)現地時間13時(日本時間20時)に6時間レースのスタートが切られる予定だ。

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