この記事をまとめると
■「シンガー・ビークル・デザイン」は空冷ポルシェをセンスよくレストモッドすることで知られる
新車時よりスゴイ「911」に再生して送り出す! いま世界のポルシェファンが熱視線を送る「シンガー」って何?
■そんなシンガーのエボリューションモデルである「DLS」は75台限定で価格は約2億円
■シンガー911 DLSを忠実に再現した1/43スケールのモデルカーを「メイクアップ」が製作
熱狂的911マニアも一目置く存在の「シンガー」
「Singer Vehicle Design」。カリフォルニア発の空冷ポルシェをベースとした、レスト・モッド・ポルシェ屋さんだ。コンセプトとして掲げるのは「Re-Imagined 911」、すなわち「ポルシェ911の再考」である。ポルシェのチューニングといえば、欧州が本場というイメージが強く、アメリカはカリフォリニア発と聞いただけで、熱心なヴァイザッハ信奉者は色眼鏡をかけたくなってしまうかもしれない。
しかし、2009年に第1号をラインオフして、現在は欧州だけでなく、世界中のセレブリティから多数のバックオーダーを掲げるようになった「Singer Vehicle Design」が手がけたシンガー911を前にすれば、色眼鏡どころか拡大鏡でもかけてじっくりと眺める必要があることに気づくはずだ。
ちなみに「Singer」の社名であるが、同社主宰のロブ・ディキンソンの前職がミュージシャンであることに由来しているのは有名だが、じつはもうひとつほかにも由来がある。それは1970年から1998年まで、ル・マン24時間をはじめとする、数々のレースを戦ったポルシェのワークスマシンの開発に携わった名エンジニア、ノルベルト・シンガー氏の名前とのダブルミーニングなのだという。
シンガー911は基本的に964をベースに製作される。かつてはトーションバーから決別して近代化しつつ、初期の901~930から継承したフロッグアイ・ヘッドライトほかのクラシカルなディテールを継承した空冷911として、比較的リーズナブルな存在であったがゆえの964のチョイスであったはずだが、いまや964自体もコレクターズアイテム化しており、ベースも高い。
そんな希少車をベースに改造を施すわけだから、生半可なことではかえって正統派な911ファンからバッシングを受けかねないし、付加価値を付けて売ったところで相手にもされないのは明らか。しかし、オーダー内容によっては2億円にも達するというシンガー911を欲しがるファンは後を絶たない。
そんなシンガー911のエボリューションモデルとして、何ともエンスージアスティックな、「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」をローンチの場として2018年に発表されたのがシンガー911 DLSである。DLSが意味するのは「Dynamics and Lightweighting Study」で、車体にはカーボンとチタンなどを用いて、964の標準車(RR)に比較して350kg強(!)も軽量な車重990kgに抑えられている。
エンジンは自然吸気ながら500馬力を発生する新規開発の4リッター空冷水平対向6気筒を搭載。
エンジンの開発にはDLSプロジェクトのデヴェロップメントを担ったかのウィリアムズ(Williams Advanced Engineering)のほか、ポルシェ・レースエンジンのカリスマエンジニア、故ハンス・メッツガー氏も携わっていたとされ、ロードカーながらも、モータースポーツと直結したスペックに仕上がっている。
その価格もスペシャルで、約2億円とされている。
カーボンボディをデカールで再現した超力作
そんなシンガー 911 DLSのモデルカーをいち早くリリースしたのがコチラ。コレクター向けモデルカーメーカー、日本の「メイクアップ」の新作だが、御覧の通り、車体全体がカーボンパターンで覆われている。じつはこの表現が難しいのだ。
このカーボンパターンは、曲面と凹凸の集合体である911のボディに水貼り式のデカールを隙間なく、そしてシワひとつなく貼り込んだもの。多少でもプラモデルをかじったことがある人ならば、そのボディをデカール覆うことがいかに難しいかは容易に見て取れるはずだ。
さらに言えば、デカール設計する、立体物を平面に置き換えることの大変さも想像できよう。デカールのシートを見るに、それを貼ったことが俄かには信じられないはずだ。
デカールを貼るのにかかる時間は1台につき4~5時間。さらに、その上からウレタン塗料でクリアコーティングして表面を平滑に整えるなど、そのすべてが手作業の積み重ねと聞けば、5万600円というプライスの理由もお分かりいただるはずだ。
その他、ステンレス製のエッチングパーツに胴巻き(ステンレスが通電しないため銅のコーティングを施すこと)したり、焼き付け塗装した窓枠、ホワイトメタル製部品にクロームメッキをかけたヘッドライトベゼルや、ドアハンドル、アルミ削り出しのリムを使用したホイール他、“適材適所”で種々のマテリアルを用いての再現となる。
せっかくシンガー 911 DLSのモデルカーを買うなら、良いものを買いたい。実車は夢のまた夢ではあるが、せめてモデルカーだけでも大枚を叩いてやろうではないか。
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みんなのコメント
実車が2億だから安いだろって。
そしたらガンプラのコスパなんかとんでもねーよなw
本物のガンダムなんかいくらで作れると思ってんだよカス。