ポイントを獲得できるのは、10位まで。F1第18戦カタールGPを11番手からスタートする角田裕毅(アルファタウリ)には、チャンスがあった。
しかも、スタート直後の1コーナーでメルセデス2台が同士討ちを演じてルイス・ハミルトン(メルセデス)がリタイア。1周目の段階で、角田のポジションは8番手まで上がっていた。
角田裕毅、好スタートも入賞圏内にとどまれず「ペースが足りなかった。協力し合って解決策を探る」/F1第18戦
しかし、この日、角田はポイントを逃した。しかもレースはスタート直後にリタイアしたハミルトンに加え、燃料系トラブルでカルロス・サインツ(フェラーリ)もスタートできずに去っていた。角田にとっては、ポイント獲得の千載一遇のチャンスだった。
にもかかわらず、角田はこの日も入賞圏外でフィニッシュした。敗因はどこにあったのか。
2週間前の日本GPでは、タイヤ戦略に主な原因があった。タイヤに厳しい鈴鹿でハードを2セット残していなかったというタイヤ戦略で、ライバルの後手を踏んだ。
今回のカタールGPはミディアムタイヤがレースではメインとなった。本来であれば、カタールGPもタイヤに厳しいためハードがメインになるはずだった。だが、金曜日のセッション後に、ロサイル・インターナショナル・サーキットのターン12と13に設けられたピラミッド型の縁石によって、タイヤが破損する恐れが出てきたため、国際自動車連盟(FIA)は急きょ、1セットあたりの最大周回数を18周までに制限した。
57周で争われるカタールGPで1セットあたり18周までしか走行できないと、ピットストップは最低でも3回行わなければならない。そうなると、18周以上のロングランは必要なくなるため、ハードタイヤよりもミディアムタイヤのほうが戦略的には有利になるのだが、角田は2セットしか残っていなかった。
ただし、トップチームの多くがミディアムタイヤを3セット残していたのに対して、カタールGPが始まる前の段階でコンストラクターズ選手権10位のアルファタウリの直近のライバルであるアルファロメオ(コンストラクターズ選手権9位)とハース(同8位)も、ハードとミディアムの持ちタイヤのセット数はアルファタウリと同じハード2セット、ミディアム2セットだった。
アルファロメオは2台揃って入賞した。その要因は上限18周のロングランの安定したペースだった。
対照的に角田はメインとなるはずのミディアムの新品タイヤでスタートしたにもかかわらず、そのタイヤを9周で交換するほど、ロングランのペースが悪かった。そのペースは履き替えた2セット目の新品のミディアムタイヤでも改善されず、その後のハードタイヤも同様だった。
レース後、車両パフォーマンス責任者のギヨーム・デゾトーはレースを振り返った。
「シンガポール以降、予選でも決勝でもマシンのパフォーマンスはいい傾向にあったが、ここドーハでは同じことができなかった。今日は直接のライバルに及ばなかったので、バランスの変化とタイヤの状態を分析する必要がある」
アメリカGPまで2週間、角田のフィードバックをチームは待っている。
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みんなのコメント
あの後、全く走れずろくな事が無かった。後からプッシュされてい
るのは分かるがその中でガードして最速で走るのがF1ライダー
の義務だ。それをやらずに空いた所で走ろうと姑息な手段を取
ったなー。以前もそれで大失敗してるがなー。新品のMタイヤを
2セットも持っていたのが敗因だな。抜きつ抜かれつしながら競
うのがF1だ。競うのが嫌なら辞めたらええねん。角田の真似をし
て早くタイヤ交換したヒルケンもボロボロだった。アルファタウリ
の作戦などに乗っては身を滅ぼすだけだ。