4リットルV8ツインターボエンジンを搭載したメルセデスAMG SL63 4MATIC＋が日本デビュー

　メルセデス・ベンツ日本は2023年4月25日、新世代2＋2ラグジュアリーロードスターのメルセデスAMG SL（R232）に「SL63 4MATIC＋」をラインアップし、同日より発売した。車両価格は2890万円に設定する。

　第7世代となる新型SLは、メルセデスAMGによる完全独自開発のロードスターとして企画。モータースポーツ起源のスポーツカーという原点への回帰と、新しい時代のラグジュアリーの融合を目指し、専用開発の高剛性プラットフォームや専用デザインの内外装、F1由来の技術を組み込んだエンジンなどを採用して、新世代の「SL」を具現化した。

　今回追加されたSL63 4MATIC＋は、パワーユニットに2つのターボチャージャーをVバンク内側に配置する革新的な“ホットインサイドV”レイアウトや、低回転からの出力を向上させるとともに過給ラグを低減するツインスクロールターボ、軽量でありながら高い強度を確保したクローズドデッキのアルミクランクケース、鍛造アルミニウム製のピストン、スチールカーボン材を溶射コーティングするNANOSLIDE加工を施したシリンダーウォールなどを採用したM177型3982cc・V型8気筒DOHC直噴ガソリンツインターボエンジンを採用。最高出力は585ps/5500～6500rpm、最大トルクは800Nm/2500～5000rpmを発生する。また、SLに搭載するに当たって新しいオイルパンの装備やインタークーラーの設置位置の変更、アクティブクランクベンチレーションシステムの導入などを敢行。吸気ダクトと排気ダクトについては最適化を施し、ガス交換の効率をいっそう高めた。さらに、触媒コンバーターボックスとガソリンエンジン用粒子状物質除去フィルターに対する排気流路の拡大も実施する。磁性流体の可変マウントであるAMGダイナミックエンジンマウントを組み込んだこともトピックだ。エンジン自体には、最新の制御機構であるAMGシリンダーマネジメントを採用。Comfortモードで走行中、エンジン回転数が1000～3250rpmで低負荷の際に2/3/5/8番の4気筒を休止することで、燃料消費量とCO2 排出量を抑えている。

　組み合わせるトランスミッションには、専用セッティングのAMGスピードシフトMCT（9速AT）を採用する。トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを搭載し、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現した。一方、駆動機構にはSL史上初の四輪駆動となるパフォーマンス志向連続トルク可変配分式四輪駆動システムの「4MATIC＋」を設定。リアアスクルにはリミテッドスリップデフも組み込む。また、足回りは前後5リンク式のマルチリンクで構成したうえで、鍛造アルミニウム製のリンクやステアリングナックル、ホイールキャリアなどを採用して軽量化と高剛性化を実現し、さらに走行状況に応じて四輪それぞれの減衰力を最適に制御する専用セッティングのAMG ACTIVE RIDE CONTROLサスペンションとフロントアクスルリフトシステムを配備した。車速に応じて左右の後輪に前輪と同方向あるいは逆方向に舵角を与えるリアアクスルステアリングをSLで初めて装備したことも訴求点。同時に前輪のステアリングギア比を12.8：1とよりダイレクトに変更し、限界域におけるコントロール性を向上させた。ドライビングモードとしては、高速走行時などにアクセルから足を離すとエンジンとトランスミッションを切り離して燃料消費を抑えるセーリング機能の採用によって燃費を優先する「Comfort」、よりスポーティなドライビングが楽しめる「Sport」「Sport＋」「RACE」、滑りやすい路面を安全に走行する「Slippery」、様々なパラメーターを個別に設定できる「Individual」という6つのモードを設定。性能面では最高速度が315km/h、0→100km/h加速が3.6 秒と公表している。

　エクステリアに関しては、メルセデス・ベンツのデザインの基本思想である「Sensual Purity（官能的純粋）」を踏襲したうえで、光と影の交錯によって全体に軽やかな、かつ高い質感と高級感を演出した新進のロードスターに仕立てる。ソフトトップのカラーはブラックが標準で、オプションとしてレッドとグレーが選択可。また、フロントスポイラーやサイドエアインテーク、サイドスカートトリム、リアディフューザートリム等にカーボンファイバー材を用いるAMGカーボンパッケージや、AMGカーボンファイバードアミラー、ダークアクセントライトなどをオプションで用意する。足もとにはマットブラックペイント21インチAMGマルチスポークアルミホイール＋前275/35R21／後305/30R21タイヤを装着し、AMGカーボンパッケージ選択時にはマットブラックペイント21インチAMG 10ツインスポーク鍛造アルミホイールを配備した。

　2＋2レイアウトで構成するインテリアは、300SLロードスターに始まる伝統を現代的に解釈したうえで、上質な素材と丹念なクラフトマンシップ、そしてディテールに対する配慮により、スポーティかつラグジュアリーなキャビン空間を創出する。コクピットはアナログ的幾何学フォルムとデジタル技術を融合した“ハイパーアナログ”と称するデザインを採用。ダッシュボードは彫刻的で力強い翼形とし、同時に上下2つのパートに分ける。パワードーム形状の上部には4つのタービンノズル形エアアウトレットを配備。また、下部はセンターコンソールから流れるように広がり、2 つの部分に連続性を持たせた。一方、ドライバー前には専用アレンジの12.3インチ液晶ディスプレイを、センター部には11.9インチの縦長メディアディスプレイを配備。ヘッドアップディスプレイも標準で組み込む。さらに、機能装備としてAMGトラックベースやMBUX ARナビゲーション、AMGリアルパフォーマンスサウンド、MBUXインテリアアシスタント、マジックビジョンコントロールを標準で採用。オプションとして、AMGカーボンファイバーインテリアトリムやBurmesterハイエンド3Dサラウンドサウンドシステムなども用意した。一方でシートについては、前席に前衛的かつ彫刻的なデザインのナッパレザー表皮AMGスポーツシートを装着。カラーはブラックのほか、レッドペッパー／ブラック、シエナブラウン／ブラック、セージグレー／ブラックを設定し、オプションでトリュフブラウン／ブラック、クリスタルホワイト／ブラック、マキアートベージュ／チタニウムグレーも選択できる。また、ナッパレザー／MICROCUT表皮AMGパフォーマンスシートをオプションで用意。シートバックに内蔵したヒーターによって温めた空気をヘッドレスト下部から吹き出して乗員の首まわりを温めるエアスカーフも装備した。

　SL63 4MATIC＋の追加に合わせて、既存のSL43の一部変更も実施する。外装では新デザインのボンネットエンブレムを配したほか、オプションとしてヒマラヤグレーペイント21インチAMG10ツインスポーク鍛造アルミホイールを用意。内装では、クリスタルホワイト／ブラック（ナッパレザー）のカラーをオプションで新設定する。また、所定のA地点（自宅駐車場等）とB地点（乗降場所等）のルートを車両に記憶させることで、車両の区間移動および駐車が可能となるメモリーパーキングアシストを標準で装備した。パワートレインは従来と共通で、M139型1991cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン（最高出力381ps/6750rpm、最大トルク480Nm/3250～5000rpm）＋電気モーター（最高出力10kW、最大トルク58Nm）／第2世代BSG（ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター）／48V電気システム／駆動用リチウムイオンバッテリー＋AMGスピードシフトMCT（9速AT）で構成するマイルドハイブリッドシステムを搭載して、後輪を駆動。車両価格は1700万円に設定している。

Comments

欲しーなー
でも貧乏だからなー
金持ちになりたかったなー
悲しーなー
あ、涙が出てらー

僕は、欲しくても買えないんだ(´・ω・｀)