2020年8月14日~16日、F1第6戦 スペインGPがバルセロナのカタルニアサーキットで行われる。前戦優勝の勢いを駆って、レッドブル・ホンダはどう戦うのか。フリー走行1回目は、いよいよ14日金曜日11時(日本時間19時)から始まる。
チャンピオンシップの行方を左右する重要な一戦
惜しいレースが続いていたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが、前戦70周年記念GPでついにメルセデスAMGを破って快勝。その勢いのまま第6戦スペインGPにのぞむ。
【くるま問答】最近のクルマにテンパータイヤはない。パンク修理キットをどう使う? 最高速は?
レッドブル・ホンダにとって、スペインGPは非常に重要なレースとなる。もし連勝することができれば一気にチャンピオン争いの流れを変えることできるが、もしメルセデスAMGの優勝を許せば再び今シーズンの主導権を握られることになる。スペインGPはチャンピオンシップの行方を占う意味でも、目の離せない一戦となりそうだ。
今シーズンを振り返ると、レッドブル・ホンダとメルセデスAMGの二強対決になるのはほぼ間違いないが、どちらが勝利するか、どんなレース展開になるかは、天候や気温など不確定要素が多く予想が難しい。マックス・フェルスタッペンは決勝を硬いタイヤでスタートする戦略を選ぶのか、果たして気温はどれほど高くなるのか、これがまずレースのひとつのポイントになりそうだ。
ホンダ勢は好調で、スペインGPでは全4台入賞も夢ではなくなってきている。まずレッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンだが、レースペースは素晴らしく、レースではオーバーテイクを数多く演じているが、予選でなかなか上位に進出できず、優勝争いに参加できていないのがもどかしいところ。
ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)も好調で、前戦70周年記念GPではアルボンよりも予選順位で上回り、決勝レースではチーム戦略ミスもあってちぐはぐな走りとなったが、それでも11位でフィ二ッシュしている。またチームメイトのダニール・クビアトは予選16位と出遅れたものの決勝ではミスなく走行して、ガスリーを上回る10位でポイントを獲得している。
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「70周年グランプリでは、レッドブルのフェルスタッペン選手とともに、今シーズン初勝利を挙げることができました。この勝利は、我々にさらなるモチベーションを与えてくれるものになりました。またアルファタウリについても、ここまで5戦中4戦でポイントを獲得するなどパッケージとしてよい戦闘力を発揮できています。ここからも両チームとともにさらによい結果を目指していきたいと思っています。我々は、先週末の勝利の余韻を味わう暇もなく今シーズン2度目の3連戦、最後のレース地であるスペインにのぞみます。レースが開催されるバルセロナ・カタルニアサーキットは、例年ウインターテストが行われる地です。今年も2月に6日間にわたって十分な走り込みを行っていますが、今週末のレースはスペインの真夏の日差しの下、2月とは全く異なる気温や路面状況での戦いになる点がひとつの課題となります。今週末に向けて、ここまでの5戦で収集したデータとウインターテストで得たデータの両方を理解し課題に向けての準備を進めることが重要と考えています。ここまでのレースから、ドライバー・車体・パワーユニット・戦略といった要素がすべて噛み合えば、いい戦いができるという手応えは得ましたが、パフォーマンス面でライバルとの差が詰ったとは考えていません。今週末も両チームとともに総合力を発揮して戦うべく、十分に準備を整えてレースに臨みます」とスペインGPについて冷静に分析している。
一方、メルセデスAMGのトト・ウォルフ代表は「70周年記念グランプリは、F1は予測不可能で挑戦的であり、勝つことがいかに難しいかを思い出させてくれました。 ライバルを倒すには、絶対にすべてを正しくする必要があります。 レッドブル・ホンダは素晴らしい走りを見せました。私たちのチームは、予期せぬ困難な課題に直面したとき、常に最大の強みを示してきました。私たちはタイヤのブリスターを引き起こした原因とそれを軽減するための方法を見つけるために、この数日間理解を深めてきました。第6戦スペインGPが行われるバルセロナのサーキットには、メカニカルグリップが必要なコーナー、空力グリップが試されるコーナーなど、ざまざまなタイプのコーナーがあります。 高速コーナーは右回り、低速コーナーは左回りが多く、これに対応するために車の左側と右側で異なるセットアップが使用されます。ラップタイムに関してはセクター3が最も重要な部分になります。 セクター1でグリップを最大にすると、セクター3でタイヤが熱くなりすぎるためです。追い越しが難しいのも特徴です。ここで行われた29レース中21レースでポールシッターが勝利、これは予選が重要なことを示しています。バルセロナはよく知っているトラックですが、 今年は8月の猛暑が、間違いなく、レースをより困難なものにします。ここで正しい方向への一歩を踏み出したかどうかわかるでしょう」と語っている。
また、タイヤを供給するピレリは「今週末は最も硬い3つのタイヤコンパウンドが選択されています。これは昨年と同じ組み合わせです。ただ今年は8月中旬の暑さの中で初めて開催されます。カタルニアサーキットではターン3などタイヤに負担がかかるコーナーが多く、タイヤにとってはこれが大きな課題となりますが、今週末は劇的な気温の上昇も考えられます。昨年のレースでは路面温度が40度を越える中で、セーフティカーの導入もあって、2ストッパーが主流となりました。今年は路面温度がさらに高くなります。今年のF1の飛躍的に高速化しているだけに、かつてないほどタイヤに厳しいレースになるでしょう」と分析している。
第6戦スペインGPはいよいよ8月14日11時(日本時間18時)のフリー走行で幕を開ける。
【参考】2019年F1第5戦スペインGP決勝
優勝 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 66周
2位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)+4. 074s
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+7.679s
4位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)+9.167s
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+13.361s
6位 10 P.ガスリー(レッドブル・ホンダ)+19.576s
7位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ)+28.159s
8位 55 C.サインツJr. (マクラーレン・ルノー)+32.342s
9位 26 D.ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)+33.056s
10位 8 R.グロージャン (ハース・フェラーリ)+34.641s
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みんなのコメント
パワーある分
強くダウンフォースをかけるから
タイヤの消耗が激しいという
意外な弱点ですね