現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【BMWらしさがもっと欲しい】BMW 2シリーズ・グランクーペ220dへ英国試乗

ここから本文です

【BMWらしさがもっと欲しい】BMW 2シリーズ・グランクーペ220dへ英国試乗

掲載 更新 3
【BMWらしさがもっと欲しい】BMW 2シリーズ・グランクーペ220dへ英国試乗

320dと同じ2.0L4気筒ディーゼルを採用

text:Mark Tisshaw(マーク・ティショー)

【画像】グランクーペとCLA 写真で比較 全82枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


BMW 2シリーズ・グランクーペは、ざっくりいえば、後ろに伸びた荷室とフレームレスドアを備えた1シリーズ。正直いうと、第一印象はあまり良いものではなかった。

BMWが投入した新しいモデルは、スタイリッシュなメルセデス・ベンツCLAへの対抗馬になることが最優先。以前に試乗した、3気筒ガソリンエンジンを搭載した218iでは、そんな印象が拭えなかったのだ。

四輪駆動のM235iを頂点とする2シリーズ・グランクーペ。今回試乗するのは、ディーゼルエンジンの220dだ。ちなみに日本へは未導入となっている。

この220dに搭載されるエンジンは、一回り大きい320dと同じユニット。2.0Lの4気筒ディーゼルターボで、最高出力189psと最大トルク40.7kg-mを発揮する。

ボディサイズを考えれば、不足ないエンジンだといえる。トランスミッションも320dと同じ、8速ATが組み合わされる。

決定的な違いは駆動輪。3シリーズはご存知の通り後輪駆動だが、2シリーズ・グランクーペは前輪駆動となる。1シリーズと同様に。

前回試乗した2シリーズ・グランクーペ218iは、動的性能の不足が明らかだった。2.0Lのディーゼルエンジンには期待したいところだが、気持ち良く解決しているわけでもないようだ。

もちろんパワーで勝るだけ、加速は活発で安楽にこなす。スタートダッシュでも中間加速でも、素早さを感じられる。発せられるエンジンノイズは、320dより少し大きい。

スポーティなBMW製サルーンとは違う印象

回転フィーリングは、8速ATと同じくらい滑らか。太いトルクで、高速道路の長距離ドライブなら、17.7km/Lくらいの燃費も充分に目指せるだろう。

2シリーズ・グランクーペとして、とても洗練されたユニットとはいえる。それでも、218iのほかに選べるガソリンエンジンは、M235iに搭載される304psもある2.0L 4気筒ターボのみ。

電動化技術の採用が進む中で、最新コンパクトサルーンの中間グレードとして、マイルドハイブリッドでもない2.0Lディーゼルを据えるという判断は少し理解に苦しむ。中間グレードは往々にして主力グレードになるものだが、これではスイートスポットとは呼びにくい。

乗り心地も良いし、ハンドリングもまとまりがある。ステアリングも不安感がなく、目立った弱みはないと思う。でも、このディーゼルエンジンは、BMWの2シリーズ・グランクーペに期待するパフォーマンスを与えてはくれない。

ドライバーへ伝わる感覚や、一体感といった部分が物足りない。ペースを速めるほど、BMWらしさという特徴が薄い。同じセグメントのライバルモデルと比べると、埋もれてしまう印象すらある。

筆者が思うスポーティなBMW製のサルーンとは違うのだ。前輪駆動か後輪駆動かは別として、折角の新モデルという機会を、うまく掴めていないようでならない。

ただし、BMW 2シリーズ・グランクーペは、どのエンジンを選んでも強みは備えている。特にインテリアは、デザインや知覚品質のほか、コネクティビティなど搭載される技術面も、一回り大きい3シリーズと同等にある。

ハイブリッドがあっても良い

運転姿勢も素晴らしく、長距離ドライブも快適にこなせる。静かで乗り心地も良く、扱いにくいと感じる部分はない。

リアシートと荷室は、期待ほど広くはないかもしれない。2シリーズ・グランクーペは、スピード感あるフォルムが大切なのだ。

218iより220dの方が、洗練度は上。だが、BMW製モデルとして微妙な立ち位置にあることに変わりはない。エンジンの選択肢が少ないことも、その事実を示している。

ガソリンエンジンは、力不足の3気筒か、ホットハッチ級の4気筒のみ。英国では、その中間に2.0Lのディーゼルエンジンが用意されている。ディーゼルのイメージは、英国でも振るわないにも関わらず。

BMW 2シリーズ・グランクーペが属する4ドア・クーペは、新しもの好きの、好奇心豊かなユーザーが惹かれるカテゴリーだと思う。ハイブリッドの選択肢が欲しいと思うのは、筆者だけだろうか。

BMW 2シリーズ・グランクーペ220d(英国仕様)のスペック

価格:3万3565ポンド(443万円)
全長:4540mm
全幅:1800mm
全高:1430mm
最高速度:234km/h
0-100km/h加速:7.5秒
燃費:19.6km/L
CO2排出量:134g/km
乾燥重量:1580kg
パワートレイン:直列4気筒1995ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:189ps/4000rpm
最大トルク:40.7kg-m/1750-2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック

こんな記事も読まれています

工夫の塊[新型スイフト]はちょっと不便!? 正常進化も[リアに室内灯なし]!! トラウマになってるクルマって?
工夫の塊[新型スイフト]はちょっと不便!? 正常進化も[リアに室内灯なし]!! トラウマになってるクルマって?
ベストカーWeb
オコンの後任どうする? アルピーヌが重要視するのは“仲良しコンビ”にあらず「プロフェッショナルなドライバーが必要」
オコンの後任どうする? アルピーヌが重要視するのは“仲良しコンビ”にあらず「プロフェッショナルなドライバーが必要」
motorsport.com 日本版
クルマの個人売買で目にする「予備検」ってなに? 検査せずとも車検がとれる仕組みとは
クルマの個人売買で目にする「予備検」ってなに? 検査せずとも車検がとれる仕組みとは
WEB CARTOP
クラッチ操作不要の「E-Clutch」はDCTと何が違う? なぜ「CB650R/CBR650R」に初採用? ホンダ開発陣に聞いた
クラッチ操作不要の「E-Clutch」はDCTと何が違う? なぜ「CB650R/CBR650R」に初採用? ホンダ開発陣に聞いた
レスポンス
「めちゃくちゃ変わった」 宝塚IC接続の「尼宝線」大改造が完了 IC渋滞ゼロ「効果絶大」の声
「めちゃくちゃ変わった」 宝塚IC接続の「尼宝線」大改造が完了 IC渋滞ゼロ「効果絶大」の声
乗りものニュース
なぜ「ETCレーン」でバーがあがらない? “突破”しても良い!? 「正しい対処法」とは
なぜ「ETCレーン」でバーがあがらない? “突破”しても良い!? 「正しい対処法」とは
くるまのニュース
高速道路を乗り降り自由!? 料金も半額以下に!? ETC周遊割「ドラ割」「速旅」「みち旅」って何? 使い方と注意点とは
高速道路を乗り降り自由!? 料金も半額以下に!? ETC周遊割「ドラ割」「速旅」「みち旅」って何? 使い方と注意点とは
VAGUE
50ccエンジンバイクの新車が国内から消える!! 二重規制で2025年6月に前倒しか?
50ccエンジンバイクの新車が国内から消える!! 二重規制で2025年6月に前倒しか?
バイクのニュース
ルクレール、スペインGPでレッドブルの復調を予想。これからは四つ巴の優勝争いが見られる?
ルクレール、スペインGPでレッドブルの復調を予想。これからは四つ巴の優勝争いが見られる?
motorsport.com 日本版
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第10回】フェラーリへの愛
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第10回】フェラーリへの愛
AUTOCAR JAPAN
脱「コの字」型ヘッドライト採用! [新型フォレスター]は新世代スバルSUVの旗手となるのか?
脱「コの字」型ヘッドライト採用! [新型フォレスター]は新世代スバルSUVの旗手となるのか?
ベストカーWeb
FIAがスーパーライセンス規則を変更、17歳でF1参戦が可能に。注目されるアントネッリのF1プランへの影響
FIAがスーパーライセンス規則を変更、17歳でF1参戦が可能に。注目されるアントネッリのF1プランへの影響
AUTOSPORT web
フェラーリの「ル・マン24時間」総合優勝はなんと10回! 跳ね馬の58年前の栄光の戦績を振り返りながら、2年連続優勝を祈りましょう
フェラーリの「ル・マン24時間」総合優勝はなんと10回! 跳ね馬の58年前の栄光の戦績を振り返りながら、2年連続優勝を祈りましょう
Auto Messe Web
「B+COM TALKワイヤーマイクペアユニット」はこれからインカムを始めるふたりにピッタリ!セットでお得に高性能をゲット!  
「B+COM TALKワイヤーマイクペアユニット」はこれからインカムを始めるふたりにピッタリ!セットでお得に高性能をゲット!  
モーサイ
【写真蔵】一部改良されたジープ ラングラーには、エントリーグレードの「スポーツ」も登場
【写真蔵】一部改良されたジープ ラングラーには、エントリーグレードの「スポーツ」も登場
Webモーターマガジン
【20世紀名車ギャラリー】ゆったりとしたツーリングが似合う英国オープン、1955年式トライアンフTR2の肖像
【20世紀名車ギャラリー】ゆったりとしたツーリングが似合う英国オープン、1955年式トライアンフTR2の肖像
カー・アンド・ドライバー
洗車のオプション「下回り洗浄」は選択するべきですか? クルマの「底面」は見えないのに、なぜ洗浄する必要があるのでしょうか?
洗車のオプション「下回り洗浄」は選択するべきですか? クルマの「底面」は見えないのに、なぜ洗浄する必要があるのでしょうか?
くるまのニュース
【リコール】レクサス、トヨタ スバル25車種23万台超リコール
【リコール】レクサス、トヨタ スバル25車種23万台超リコール
Auto Prove

みんなのコメント

3件
  • CLAと並べてどちらを選ぶ?
    最近のBMWのエクステリアデザインは、何かおかしいと感じる。
  • CLAと並べてどちらを選ぶ?
    最近のBMWのエクステリアデザインは、何かおかしいと感じる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

490.0708.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

208.0529.0万円

中古車を検索
2シリーズ グランクーペの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

490.0708.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

208.0529.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村