現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 見た目よし、走りよし、実用性よし──新型メルセデス・ベンツC220dステーションワゴン試乗記

ここから本文です

見た目よし、走りよし、実用性よし──新型メルセデス・ベンツC220dステーションワゴン試乗記

掲載 更新 11
見た目よし、走りよし、実用性よし──新型メルセデス・ベンツC220dステーションワゴン試乗記

フルモデルチェンジしたメルセデス・ベンツ「Cクラス」のステーションワゴンに小川フミオが試乗した。

伝統のワゴン

学生たちの想いをのせたトヨタ・セリカとは?

一部では絶滅危惧種なんて言われているステーションワゴン。でも実際は、クルマとしては多機能で、みすみす見逃す手はない。メルセデス・ベンツの新型Cクラスに設定されたステーションワゴンに乗ると、“こりゃスポーティで楽しい”と、改めて感心した。

読者のかたにも、いちど体験しては? と、勧めたい今回の試乗車は、1993cc直列4気筒ディーゼルターボ・エンジン搭載のC220dステーションワゴンで、かつ「アバンギャルド」仕様だった。

試乗車は、さらにスポーツサスペンションや18インチ専用ホイール、シート表皮を含めた専用インテリア、「スターパターン」と呼ばれるグリルを含めた専用のスタイリングパッケージなどからなる「AMGライン」というパッケージ・オプションが組み合わされていた。

スタイリングは、ボディ全体に丸みを帯びて、いわゆる“かたまり感”がより強くなって、広い荷室を誇示するような、以前のステーションワゴンとはあきらかに違うデザイン・コンセプトと感じられる。サイドウインドウのアウトラインも、クロームの縁取りが一筆書きのような、きれいなカーブを描いていて、“クーペ的”ともいえるぐらいのスタイリッシュさだ。

それでいて積載性は高い。リアシートのバックレストをすべて倒すと、ラゲッジルームは1510リッターにひろがる。このバックレストは、ラゲッジルームサイドにあるスウィッチを押せば、瞬時に倒れるので便利だ。

ラゲッジルームのフロア下には小物入れもあるし、トノーカバーや荷崩れを防ぐネットなども標準装備。さすがは長年、ステーションワゴンを手がけてきたメルセデスだけあって、使い勝手はよく考えられている。

スポーティな走り

最高出力147kW(200ps)、最大トルク440Nmというだけあって、エンジンのフィーリングは充分パワフル。しかも、ごく低回転域で電気モーターが作動し、駆動トルクをくわえるので踏み始めから、期待以上の出足のよさだった。

エンジンは静かだ。ディーゼル・エンジンに特有の“カラカラ”といったノッキング音は聞こえてこない。高速になると、タイヤハウスあたりからのロードノイズがやや気になったものの、それは、ほかが静かだから相対的に目立ったのかもしれない。

足まわりがしっかりしているぶん、ハンドリングのよさはこのクルマの特徴だ。太めのグリップ径をもつAMGライン専用のステアリング・ホイールの操作に対し、車両の反応は良い。カーブでは、ボディのロールが抑えられて、ドライバーである私の思ったとおりの走りが出来た。

さきに触れたとおり440Nmもある最大トルクは1800rpmから発生するので、アクセルペダルの踏みこみあるいは力の抜きかた、ともに鋭敏に応えてくれる加減速のよさも、操縦性の高さに寄与している。

やや低めの回転数(4400rpmぐらい)からレッドゾーンが始まるエンジン回転計だけがディーゼル・モデルであるのを教えてくれているようなものだ。エンジン回転計を気にしないひとなら、どんなエンジンかわからないかもしれない。

(市場の状況が許せば)2030年から販売する全モデルをEV(電気自動車)にするとしているメルセデス・ベンツでありながら、1892年にルドルフ・ディーゼルが発明したディーゼル・エンジンをここまで磨き上げているのは、驚嘆だ。

良き選択

音声認識によるコマンドで、ナビゲーションやオーディオやエアコンなどさまざまな操作が出来るMBUXも精度が上がっているし、“ドライバーの思いどおりに使えるクルマ”という印象を強く持った。

ラゲッジルーム以外のクオリティや使い勝手はセダンとおなじだ。物理的なスウィッチを可能な限り減らし、ほとんどの操作や設定をセンターの大型液晶パネルで操作するが、慣れるとこれも扱いやすい。

C220dステーションワゴン・アバンギャルドの価格は705万円。1.5リッターのガソリンエンジン搭載の「C200ステーションワゴン・アバンギャルド」は677万円で、並行して販売される。

個人的には、トルキーな走りを味わえる今回のディーゼルモデル、かなりいいと思う。それでいてWLTCモード燃費は18.2km/L。どこまでも走り続けたくなるステーションワゴンだ。

文・小川フミオ 写真・田村翔

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
AUTOSPORT web
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
くるまのニュース
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
AUTOSPORT web
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
AUTOCAR JAPAN
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
Auto Messe Web
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
AUTOSPORT web
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
約10年ぶりに“メイド・イン・イングランド”に!? 新型「ミニ・コンバーチブル」が“ミニの聖地”で生産開始
約10年ぶりに“メイド・イン・イングランド”に!? 新型「ミニ・コンバーチブル」が“ミニの聖地”で生産開始
VAGUE

みんなのコメント

11件
  • 昔からのベンツユーザーは勿論、ちょっとでもクルマへの見識やモノを見る目があるドライバーであれば、こんなもんが乗り出し800万円とか、呆れとバカバカしさしか感じないはず。

    因みにデザインは好みとは言え、内装も外観も、Sクラス始め上位モデルではなく、明らかにAクラスーBクラスの同類ですね。
    なんともチグハグだが、このテイストを「先進」とか「モダン」とか思い込ませて富裕・高齢ユーザーに押し付ける戦略ならば成り立つということか?
  • >一部では絶滅危惧種なんて言われているステーションワゴン

    これはミニバン率が圧倒的な日本に限定された事でしょ
    ただ多趣味だったり犬を飼ってたりすると走行が安定してる上にラゲッジの広いステーションワゴンは最良な車でしかない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

741.0755.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

33.0758.0万円

中古車を検索
Cクラス ステーションワゴンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

741.0755.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

33.0758.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村