車重1700kg以下 水素燃焼+電気の力
イタリアのデザイン会社であるピニンファリーナSpAは、水素燃焼エンジンと電気モーターを搭載した新型のグランドツアラー・コンセプト「エニグマGT(Enigma GT)」を公開した。
【画像】車内はまるで航空機? ピニンファリーナ・デザインの新時代GT【ピニンファリーナ・エニグマGTコンセプトを写真で見る】 全4枚
現時点ではバーチャル空間でのみ存在するデジタルスケッチだが、ピニンファリーナによれば来年の創立95周年に向けてさらに発展させていくという。
エニグマGTは「時間とともに展開される旅」の象徴であり、「新世代における日々のドライビングの歓びとは何か」をテーマに開発された。
2+2の4人乗りで、全長4580mmと比較的短いが、2880mmのロングホイールベースにより室内空間を確保している。
後輪を駆動する最高出力442psの2.5L V6水素燃焼ターボエンジンと、前輪を駆動する最高出力272psの電気モーターを組み合わせたハイブリッド・パワートレインを搭載している。
9kgの水素タンクと10kWhのバッテリーを組み合わせることで、推定航続距離は700km以上になるという。
軽量なカーボンファイバー製モノコックを採用し、車両重量は1690kgとされる。
エクステリアは空力に重点を置いたデザインとなっており、キャビンを覆う大きな「キャノピー」バブルが特徴的だ。これは、ピニンファリーナが過去に開発したフェラーリ512Sベルリネッタ・スペチアーレやアバルト2000クーペ・ピニンファリーナなどのコンセプトカーを意識したものだという。
また、空気抵抗を最小限に抑えるため、グリルシャッター、フロントホイールディフレクター、エアロテールなどを可動式とした。ピニンファリーナは、空気抵抗を示す効力係数(Cd値)を0.24としている。
その結果、0-100km/h加速は4秒以下、最高速度は250km/hに達する。
インテリアもまた、新しいデザインの方向性を示している。「空を飛んでいるようなグランドツーリング体験」を目指し、航空機にインスパイアされたダッシュボードや、持続可能な素材が数多く使用されている。
フロントガラスにはAR機能を導入し、珍しい形状のマルチファンクション・ステアリングホイールと組み合わせるなど、ユーザーインターフェースにもこだわりが見られる。
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