シリーズ前半戦を締めくくる1戦
2024年8月4日、富士スピードウェイでスーパーGT第4戦の決勝レース(77周)が行われ、GT500クラスで優勝したのは8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT(野尻智紀/松下信治)だった。決勝レースの模様をレポートします。
新型投入の「D'station Vantage GT3」が完勝! スーパーGT第3戦鈴鹿GT300クラスは最後まで手に汗握る展開でした
(motorsport.comの記事をもとに再編集しています)
スタート直後からホンダ勢がレースをリード
前戦鈴鹿から2カ月のインターバルが空き、真夏の富士が前半戦最後のレースとなった。フォーマットは初となる350kmだ。ピットイン回数の義務はなく各車1回ストップがセオリーとなるため、ピットウインドウなどを考慮しても戦略の幅は狭くなる方向と予想された。
週末を通して晴天となった富士は決勝日も酷暑に見舞われ、14時半の決勝スタート直前には気温35℃、路面温度は56℃を記録した。
GT500のポールシッターとなったのは、8号車ARTA。今季デビューのシビックが、第2戦に続いて予選最速となった。2番グリッド、3番グリッドも100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTとホンダ勢が続き、トヨタ勢最上位は4番グリッドの38号車KeePer CERUMO GR Supra、日産勢最上位は6番グリッドの12号車MARELLI IMPUL Zとなった。
クリーンなスタートとなり、上位陣に動きはなし。トップの8号車ARTAはGT300のトラフィックをかいくぐりながら徐々にマージンを広げ、10周を終えた段階で2番手の100号車STANLEYに対して2.8秒の差をつけた。3番手は64号車Modulo、4番手は38号車KeePer CERUMOは変わらずだが、8番手スタートの14号車ENEOS X PRIME GR Supraが福住仁嶺のドライブで5番手まで上がってきた。
8号車ARTAと100号車STANLEYが安定したペースで周回するなか、3番手の64号車Moduloはやや差をつけられる格好に。その後ろでは21周目に38号車KeePer CERUMOをかわした14号車ENEOSが4番手に上がり、64号車の背後につけた。そして14号車の福住は26周目の最終コーナーで64号車をオーバーテイクし、表彰台圏内に。
レース距離3分の1を消化してピットウインドウがオープンとなったが、最も早く動いたのは最後尾を走っていた3号車Niterra MOTUL Zで、29周目。これを皮切りに各車続々とルーティンストップに動いた。
トップの8号車ARTAは34周でピットに入り、野尻智紀から松下信治に交代。2周前にピットインしていた100号車STANLEYの前でコース復帰した。その100号車の後ろには38号車KeePer CERUMO、14号車ENEOS、64号車Moduloと続く。
36号車はランキングトップを守り抜く
レース後半はトップ8号車ARTAと2番手100号車STANLEYの一騎討ちの様相を呈した。両者の差は一時2秒以内に縮まり、緊張感が高まった。ただその差は縮まりもせず広がりもせず、膠着状態で終盤に入っていった。
結局8号車ARTAは終盤に100号車STANLEYとの差をセーフティな間隔まで広げることに成功し、トップでチェッカーを受けた。今季デビューのシビックタイプR-GTにとっては4戦目での初優勝。しかも8号車、100号車のワンツーフィニッシュで決めた。3位は38号車KeePer CERUMOだった。
ポイントリーダーの36号車au TOM’S GR Supraは74kgのサクセスウエイトを積んでいることもあり14番手スタートとなったが、今回もレースでの力強さを見せて7位フィニッシュ。坪井 翔、山下健太組は4ポイントを加算してランキングトップの座をキープしている。そして今回2位となった100号車の山本尚貴、牧野任祐組が4ポイント差のランキング2番手に浮上した。
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