レクサスの大人気SUVがフルモデルチェンジで大変貌を遂げた!
マイナス90kgの軽量化!
ホンダが内外装で表現する“素敵な暮らし”とは?──新型ステップ ワゴン試乗記(前編)
6月1日、レクサスは、新型「RX」の詳細を発表した。2015年に登場した4代目から、約7年ぶりのフルモデルチェンジである。日本での発売は、2022年秋頃の予定だ。
5代目となる新型RXは、レクサス「ES」やトヨタ「ハリアー」などが使う「GA-K」プラットフォームの改良版だ。軽量・低床化により、重心高を従来型から15mm下げた。
ボディは全長×全幅×全高:4890×1920×1695mm、ホイールベース2850mm。先代と比べ全長は変わらず、全幅は25mm、ホイールベースは60mm拡幅。全高は10mm下がったことで、より低く、そしてワイドになった。
サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット式サスペンションを、リアには、新規開発のマルチリンク式サスペンションを採用。これに伴い、プラットフォームのリア部分を新たに開発した。フレームの接合は、レーザースクリューウェルディング(LSW)や構造用接着剤に加え、短いピッチで溶接を可能とする短ピッチ打点技術を採用し、接合剛性を高めた。
さらに、プラットフォームの主要骨格部材の最適な材料置換にくわえ、フロントフェンダーのアルミ化などによって車両重量を従来型比でマイナス90kgを実現。重心高の低減や操縦安定性の向上にも寄与する。
空力操安に優れ、フロントまわりの風流れの適正化により、Cd値低減だけでなくブレーキの冷却性も高めた。リアスポイラーの後端形状と門型スポイラーの形状工夫が乱流抑制し、操縦安定性も高まった。
注目のRX 500h F SPORT Performance!
新型RXのパワーユニットは、PHEV(プラグイン・ハイブリッド)、ハイブリッド、ガソリンの3種類から選べる。
PHEVの「RX 450h +」(2.5L 直列4気筒プラグインハイブリッドシステム)は、高熱効率な2.5L直4エンジン、大容量・高出力リチウムイオンバッテリー、フロント・リアモーターを搭載。リチウムイオンバッテリーは総電力量18.1kWhだ。走行モードは4つ(EVモード/AUTO EV・HVモード/HVモード/セルフチャージモード)から任意で選べる。
HVモードでは、エンジンとモーターの併用により高い加速性能を実現。また、AUTO EV/HVモード選択時には、「先読みエコドライブ(先読みEV/HVモード切りかえ制御)」により、ナビに目的地を設定すれば、駆動用電池の残量や、道路の属性・特性に応じて自動的にEV走行とHV走行を切り替える。4WDシステムは、モーター駆動式AWD「E-Four」で、前後トルク配分を100:0 から20:80 の間で緻密に制御する。
ハイブリッドは2種類を用意。高性能版の「RX 500h F SPORT Performance」には、高トルクな2.4Lターボエンジン、前後モーター、6速ATを組み合わせた新開発のシステムを搭載。バッテリーは、高出力なバイポーラ型ニッケル水素電池だ。電子的にエンジン・サウンドなどをコントロールする「Active Noise Control/Active Sound Control」も搭載し、4気筒ターボ特有のノイズを除去しつつ、エンジン×モーターの力強さと伸び感をサウンドで演出した。
駆動方式は「DIRECT4」と呼ぶ最新の電子制御式4WD。前後輪の駆動力配分比を 100:0~20:80 の間で制御する。発進時、直進加速時は、車両のピッチングを抑え、ダイレクトな加速感が得られるように、前輪:後輪= 60:40~40:60程度で制御。コーナリング時には優れた操縦安定性に寄与するべく、ステアリングの切り始めにはフロント寄りの駆動力配分(70:30~50:50)、コーナー脱出時はリア寄りの駆動力配分(50:50~20:80)とし、トラクション性能の確保や車両のピッチングを抑えた。
高性能化に伴い、フロントブレーキは対向6ピストンブレーキキャリパーに、タイヤは新開発の21インチにアップデート。新採用の「Dynamic Rear Steering(DRS)」は、車速に応じて後輪を前輪と逆相/同相に最大4度転舵する。
通常のハイブリッド・モデルである「RX 350h」は、高熱効率な2.5L直4自然吸気エンジン、バイポーラ型ニッケル水素電池、モーターを組み合わせる。
ガソリン・モデルの「RX350」は、2.4L直4ターボエンジンに高トルク対応型Direct Shift-8ATを組み合わせる。4WDモデルでは、電子制御フルタイムAWDを採用し、リアディファレンシャルに備えた電子制御カップリング(湿式多板クラッチ)を介して、前後輪の駆動力を最適化。前後駆動力配分を75:25から50:50までシーンに応じて常時可変する。
スピンドルボディでイメージは変わる!
大幅に刷新された内外装のデザインコンセプトは「ALLURING×VERVE」。プレスリリースには「心を奪われる魅惑的な姿(ALLURING)と気迫を感じる力強さ(VERVE)を表現しました」と、記されている。
エクステリアは、低重心で踏ん張り感あるスタイルを実現。サイドビューでは、フード先端を上げ、バックウィンドウ後端を下げることで、水平的で低重心な姿勢を表現した。リアコンビネーションランプは、新型「NX」などとおなじくLシェイプ一文字シグネチャーランプだ。
フロントまわりは、「スピンドルボディ」と呼ぶ新デザインによって先進性をアピールする。ボディとグリルの境界を融合させているのが特徴だ。ボディカラーは、新色の「ソニックカッパー」を含む全11色。
インテリアは、「Tazuna Concept」というコンセプトに基づき開発された。人が馬を操る際に使う「手綱(たづな)」に着想を得て、ステアリング・スイッチとヘッドアップディスプレイを連携させ、視線移動や煩雑なスイッチ操作をすることなく、運転に集中しながらナビゲーションやオーディオ、各種機能の制御が可能になった。
センターディスプレイは大型のタッチディスプレイ(14インチないしは9.8インチ)を採用し、多くの機能をディスプレイ内に集約。物理的なスイッチは大幅に減らし、すっきりとしたデザインとなった。
居住性では、前席は、Aピラー、ルーフ前端を後方に配置し、開放感を高めた。後席は、前後カップルディスタンスを従来型に比べて12mm拡大。フロントシートバックも薄くし、後席空間を拡げた。ラゲッジスペースは、荷室長を50mm拡大。スーツケース(77L/63L)を各2個ずつ計4個、または、口径サイズ9.5インチのゴルフバッグを4個収納出来る。
運転支援システムも大幅にアップデート
運転支援装備は、最新のBEV(バッテリー式電気自動車)である「RZ」に続き、「Lexus Safety System +」を搭載した。
新型NXにも採用された「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」は、先行車や前方のカーブに対して減速操作をサポートし、頻繁な踏み替え操作を軽減することに加えて、新型RXでは、信号交差点に対する右左折時の減速支援や、車線内走行時には常時操舵アシストをおこなう。
衝突被害を軽減する「プリクラッシュセーフティ(PCS)」では、ドライバーの脇見運転等をシステムが検知した場合、早いタイミングでドライバーへ警告。ドライバーの反応時間を確保し、衝突回避や被害軽減をサポートする。
「レーンディパーチャーアラート(LDA)」では、ドライバーの脇見運転等をシステムが検知した場合、通常より早いタイミングで警報や車線逸脱抑制を作動する。
さらに「ドライバー異常時対応システム」も選べるようになった。「レーントレーシングアシスト(LTA)」制御中に、ドライバーの運転姿勢が大きく崩れた場合等に、システムはドライバーの運転継続が困難と判断。ハザードランプの点滅など周囲に警告を行いながら緩やかに減速し、車線内に停車する。また、停車後にドア解錠やヘルプネット自動接続による救命要請も行い、早期のドライバー救命・救護に寄与する。
高度運転支援技術「Lexus Teammate」に含む「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」と、「アドバンストパーク(リモート機能付)」も用意された。
前者は自動車専用道路での運転において、渋滞時(0km/h~約40km/h)レーダークルーズコントロール及びレーントレーシングアシストの作動中に、ドライバーが前を向いているなど一定の条件を満たすとシステムが作動。認知、判断、操作を支援し、ハンズ・オフ(手放し)運転を実現する。
後者では、プラグイン・ハイブリッド/ハイブリッドモデルにリモート機能を採用。スマートキー携帯時に、車外から専用アプリをインストールしたスマートフォンを操作することで、駐車および出庫が可能だ。ちなみに、このスマートフォンは、デジタルキーとしても使えるので、携帯していれば画面操作なしでドアのロック、アンロック、エンジンスタートが出来るので便利だ。
新型RXの価格や仕様の詳細は今後明らかになる。
文・稲垣邦康(GQ)
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