たぶん、今だったらバカ売れしたはず。そう、ホンダエレメントは流行のSUVで観音開きドア。しかも超アメリカンテイストで、今中古価格は高騰中。結構アリじゃないですか!?
※本稿は2023年10月のものです
文/小沢コージ、写真/HONDA、ベストカー編集部、撮影/茂呂幸正
初出:『ベストカー』2023年11月10日号
■純度100パーセントのアメリカンテイスト!
出るの早すぎたな……観音開きもイイ!! 超アメリカンなホンダエレメント今こそよくない!?
日本では2003年の登場から2年あまりで販売が打ち切られたホンダ エレメント。アメリカでは2011年まで販売される人気車となった。「あの」ドラマでは主人公はルノー4に乗っていたが、エレメントに乗っていても面白そうだ
当時はアメリカンなバタ臭さが鼻につき、買う気になれなかった。しかしあれから20年……ロボコップ風の四角いヘッドライト。
やや枯れたアメフトのプロテクター風バンパーと相まってガチで買ってもいいかも? と思わされたのがこのエレメントだ。
当時珍しかったSUVが当たり前になったからじゃない。なんせ開発テーマは歌さながらのエンドレスサマー。
しかもソイツを当時の日本人ではなく、ガチなアメリカ人が開発してるからまるでJポップさ皆無。
当時、日本じゃ人気ナシの観音開きサイドアクセスドアもリアルなアメリカンピックアップみたいでコイツなら許せるわけよ。
なにより圧倒的開放感だ。デザインモチーフは「ライフガードステーション」。
トレンディドラマのビーチボーイズに出てもおかしくないオシャレな作りで気分はまさしく反町隆史! 開放感とアクセス性がタダモンじゃない。
左右ドアを開け放つと開口部横幅は1.55mと超絶広く、ほとんどふすまを外した和室。
風のヌケも素晴らしく、リア席への侵入もラクチンだ。オマケにリアシートが広く足元がフラット。この広さは申し訳ないけどマツダMX-30と全然違い、まさにお部屋!
しかも今や当たり前のように軽ハイトワゴンのなかで子どもが立って着替える時代。この広さも今なら日本でも理解されるし、室内が広くて便利。
助手席を倒せば10フィートのロングボードを搭載でき、リアシートを両サイドに跳ね上げれば前輪を外すことなく2台のマウンテンバイクを収納可。
また荷物を固定するカーゴフロアフックも4カ所に設けており、唯一の欠点はリアシート座面が小さすぎることだけど、こんなに使えてコンパクトなSUVないスね。
オマケにテールゲートは下半分がテーブルのように開き、米国人はテールゲートパーティを開催するとか。どこまでアメリカングラフィティできるんだ!
■意外と剛性が高くトルクもあって扱いやすい
走りの剛性感は予想以上。一見両側ピラーレスだけどドア側に補強入ってるから20年経った今も問題ナシ!
走りもマジで20年前のクルマとは思えない。撮影車を貸してくれたマルミオートさん曰く「年式2000年超えたらそんなに壊れない」そうでネックになる電装品やエアコンもディーラーで直るレベル。
今となっては大してパワーのない2.4Lエンジンも4ATをDに入れて発進すると意外にもグイッと進む。
いわゆるホンダエンジンにありがちな、どこまで回るんだ! 的快楽はないけど排気量分トルクがあって扱いやすいヤツ。
それより驚いたのはボディの剛性感よ。両側ピラーレスボディってことで、乗るとフニャフニャかと思いきやガッチリもガッチリ。
やはりドアに埋め込んだビルトインピラーが今も効いていて足回りも結構カタめられてるし、シャープこの上なし。
ステアリングフィールも予想以上にキビキビ。さすがにスポーツを売りにするホンダ車だけあるわ。
そのほかエレメント、全長4.3mと短いだけでなく、箱型フォルムだから四隅は把握しやすいし、回転半径5.2mとコンパクト。広さから考えられないほど扱いやすい。
唯一残念なのが見た目よりフツーな作りのインテリアデザインで、インパネは無難な作りだし、当時のアメ車らしく樹脂系もシンプル。
ただし見ようによっては、3連メーターはオモチャっぽくて可愛いし、なによりシート表皮は防水加工が施され、デカいアメリカ人でも問題ないように分厚く柔らかく頼りがいあり。
つくづくアメリカ生産車ならではのいい意味でのあっけらかんさが楽しめる。
最後に中古車としてどうかだけど、最近ジワジワ価格を上げつつあり、走行15万km超えで手入れ少なめだと50万円程度で、5万kmで上玉だったりオシャレカスタムが加わってるものなら200万円前後!
故障少なめだし、長く乗れるものなら年式を超えた価値も付きそう。つくづく気になったら買いだ。ってかホンダもこのコンセプトで2代目を作っちゃえばいいのに。
●Kozzi評価
・タイムスリップ度:★★
・レア度:★★★★
・お金かかりそう度:★★
・乗って楽しい度:★★★★
今見ても違和感なくまさに時代を先取り! 日本じゃ不人気だったが故障も少なくマジでオススメ!
●ホンダ エレメント主要諸元
・カテゴリー:4ドア両側観音開きSUV
・全長×全幅×全高:4300mm×1815mm×1790mm
・ホイールベース:2575mm
・車両重量:1560kg
・エンジン:2.4リッター直4DOHC横置き
・最高出力/最大トルク:160ps/22.2kgm
・ギアボックス:オーバードライブ付き4速AT
・駆動方式:リアルタイム4WD
・サスペンション:前=マクファーソン式 後=ダブルウィッシュボーン
・世界累計販売台数:32万2000台以上
・開発テーマ:「エンドレスサマー」
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みんなのコメント
それなら発売時に買えよという話。