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GM 燃料電池を発電システムに採用し電力供給事業を拡大

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GM 燃料電池を発電システムに採用し電力供給事業を拡大

GMは2022年1月26日、プラットフォーム イノベーターとしての成長を加速させる一環として、水素燃料電池技術の新しい商業用発電システムについて発表した。

現在開発中の「ハイドロテック」と名付けられた水素燃料電池プロジェクトは、大型トラック用から航空宇宙、機関車までと、乗用車以外への発電事業が計画されている。

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GMは、自社開発した第2世代ハイドロテック水素燃料電池パワーキューブを搭載した、以下の複数のハイドロテック水素燃料電池をベースとした発電機を計画している。

・常設の充電ポイントを設置せずに、電気自動車(EV)に急速充電機能を提供するモバイルパワージェネレーター(Mobile Power Generator:MPG)

・ガソリンスタンドが送電網を拡張することなく、手頃な価格のDC急速充電設備を導入できるよう支援する急速充電器(EMPOWER)

・軍用キャンプや施設に、静かで効率的な電力を供給するパレット型モバイルパワージェネレーター(MPG)

これらの燃料電池発電機はCO2排出量が少ないため、作業現場、ビル、映画のセット、データセンター、野外コンサートやフェスティバル会場などで、ゆくゆくはガスやディーゼルの発電機に取って代わる可能性があるとしている。また、停電時には住宅や中小企業向けに送電網経由の電力バックアップや、一時的な代替としても利用することができる。

ハイドロテック水素燃料電池をベースとするこれらの発電機は、出力60?600kWのゼロエミッション発電と低騒音、低発熱を特徴としている。

GMグローバル ハイドロテックビジネス エグゼクティブ・ディレクターのチャーリー・フリーズは、「『全車電動化の未来』という私たちのビジョンは、乗用車や輸送といった枠組みにとどまりません。「アルティウム」車両アーキテクチャや駆動コンポーネントによる当社のエネルギープラットフォームの専門知識やハイドロテック水素燃料電池は、多くのさまざまな産業やユーザーの、エネルギーへのアクセスを拡大するとともに、発電に伴うCO2排出量の削減にも貢献します」と述べている。

モバイル・パワージェネレーター急速充電するモバイル・パワージェネレーターMPG

モバイル・パワージェネレーターの生産に向けて、GMはリニューアブル・イノベーションズ社(米国ユタ州リンドン)にハイドロテック水素燃料電池パワーキューブを供給し、GMは、自社の燃料電池のハードウェアおよびソフトウェアと、リニューアブル・イノベーションズ社の電力統合・管理システムを組み合わせ、一時的に電力が必要な場所に、送電網の拡張や、常設の充電設備の設置をすることなく急速充電機能を提供できる発電機を作る計画だ。

また、ミシガン州経済開発公社と米国陸軍の戦闘能力開発コマンド地上車両システムセンター(GVSC)から一部資金提供を受け、モバイル充電ステーションとしての技術実証実験を行なうなど、MPGを含む複数の開発プロジェクトがすでに進行中。このMPGの取り組みは2022年半ばに実証実験が開始される。

リニューアブル・イノベーションズ社のCEO兼共同創業者であるロバート・マウントは、「水素発電分野のパイオニアでありイノベーターとして、リニューアブル・イノベーションズ社は、消費者、企業、政府、産業などの市場に絶好のチャンスがあると考えています。充電設備がない場所でのEV充電のニーズがあることが分かっており、今後は、排出ゼロの未来というGMのビジョンを加速するため、GMとともに最高のテクノロジーと革新的なアプリケーションを市場に投入してまいります」と語っている。

カリフォルニア州エネルギー委員会は、水素由来のモバイル電源が、州内の山火事を軽減するために計画停電を行なっている間のエネルギー損失を補うのに、どの程度有効かを確認するため、モバイル再生可能バックアップ発電システムプログラム(Mobile Renewable Backup Generation Systems program)を通じて、さらに4基のMPGを用いた実証プログラムに資金援助を行なっている。

このプログラムは、独立系の非営利エネルギー研究開発組織である米研究機関、エレクトリック・パワー・リサーチ・インスチテュートが主導し、GMやリニューアブル・イノベーションズ社などのステークホルダーと協力して、水素で発電した電力を一般の人々が安全かつ確実に、そして低価格で公平に利用できるように支援するものだ。

店舗向けEV充電ステーション、EMPOWER

GMとリニューアブル・イノベーションズ社は、モバイルEV充電に加えて、急速充電器のEMPOWERでも協力している。EMPOWERはガソリンスタンドがより手頃な価格でDC急速充電設備を導入できるようにすることを目的としており、より大きな給電線や変圧器、時には変電設備の新設など、投資の回収が不可能な電力インフラの拡充に多額の投資をせずに、必要な急速充電設備の導入が可能になる。

郊外のガソリンスタンドなどに設置するEV充電ステーション「EMPOWER」EMPOWERは、GMが開発したハイドロテック水素燃料電池「パワーキューブ」を8台搭載し、内蔵タンクから水素を消費して、出力150kW以上で最大4台の車両を同時にDC急速充電することができる。フル充電までの目標時間は推定で約20分。このEMPOWERでは内蔵タンクの水素の補給が必要になるまでに、100台以上を急速充電できる能力を持っている。

リニューアブル・イノベーションズ社は、2025年末までに全米に500基のEMPOWERを設置する予定だ。

パレット型モバイル・パワージェネレーターシステム

独立式のパレット型MPGの設計も進めており、GMディフェンス社とも連携し、現在技術評価を行なっている米国陸軍の戦闘能力開発コマンド地上車両システムセンター(GVSC)をはじめとする、防衛分野などの顧客にこの製品とEVソリューションを提供する予定だ。

軍用発電システム「パレット型モバイル・パワージェネレーター」のプロトタイプGVSCは、このタイプのMPGが大型軍用機器や軍事基地へどのように電力を供給できるかについて評価している。プロトタイプは60kWの発電機と同等のサイズで、従来のディーゼル発電機に比べて約70%高い電力を発生する。また、このパレット型MPGは、バッテリーバックアップや出力調整など、通常のディーゼル発電機にはない機能を備えている。

ハイドロテック水素燃料電池パワーキューブを搭載したMPGプロトタイプは、大量に貯蔵された水素を電力に変換し、稼働中は排出ガスが一切発生しない。フルロード運転時の騒音も、従来型のディーゼルエンジンより小さく、排出される水を回収して現場で再利用することも可能だ。

GMは、ミシガン州ブラウンズタウンにあるホンダとの燃料電池システム製造合弁会社で、グローバルに調達した部品を使用してハイドロテック水素燃料電池システムを製造する。一方、リニューアブル・イノベーションズ社は、ソルトレイクシティ都市圏の各工場で、トレーラーベースのMPGと、より大型のモジュール式急速充電器EMPOWERを生産することになっている。

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GM 公式サイト

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