6月12~16日、フランスのサルト・サーキットで開催された第92回ル・マン24時間耐久レース。ハイパーカークラスに参戦し優勝争いを展開したトヨタ・ガズー・レーシングのパドックには、今季FIA-F4に参戦しているふたりの若手ドライバーが姿をみせた。
ホセ-マリア・ロペス/小林可夢偉/ニック・デ・フリースの7号車、セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮の8号車という2台のトヨタGR010ハイブリッドで参戦しているトヨタ・ガズー・レーシングは、今季もル・マン24時間では優勝争いを展開。惜しくも敗れはしたものの、ル・マンにトヨタありを見せつけた。
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そんなトヨタ・ガズー・レーシングのピット裏側のホスピタリティにはレースウイーク中、日本でFIA-F4などを戦うふたりの若手ドライバーが姿をみせた。TGR-DC RS F4からFIA-F4に参戦する佐野雄城と卜部和久のふたりだ。
ふたりにとって、ル・マンは佐野がレーシングカートの世界大会で訪れたことがあるものの、24時間レースは初めて。「このファンの人数に驚いていますし、(サーキットの)建物の大きさなども日本とは比べものにならなくて、衝撃でした」と佐野が語れば、「さすがに世界三大レースのひとつだけあって、イベントなど規模や盛り上がり方なども国内のレースでは考えられないくらいです。いるだけで楽しくなってきます(笑)」と卜部もそのスケールの大きさに感銘を受けた様子だ。
実は2023年も、今季全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権で戦う小林利徠斗と中村仁のふたりがル・マン24時間を訪れ、大きな刺激を受けたのだという。TGR-DC出身の可夢偉、平川、そしてLMP2で戦う宮田莉朋といったドライバーがル・マンに参戦しており、若手たちが“目指すべき目標のひとつ”を体感することで、さらなる成長を促すことができることから、今季もふたりがル・マンを訪れたのだという。
レースウイーク中は可夢偉や平川、宮田からアドバイスなどを受けたほか、実際にコースサイドに行って走行シーンを観たという。「プラクティスから攻めて走っているので驚きました。日本ではまずはクラッシュしないように走り出すことが多いですが、いろんなドライバーがクラッシュするし、縁石もバンバン乗るしブレーキもロックするしで驚きました」と佐野。
ふたりは金曜のドライバーパレードでグッズ配布を手伝ったりとチームの一員として活動を続け、ル・マン24時間という大舞台の空気を感じた。
「実際にここに来てみて思うのは、レーシングドライバーたちの出待ちなどもすごく多くて、やはりこちらではスターなのだと感じました。そういう先輩ドライバーの皆さんと話す機会をいただけたのが本当に貴重なものになりました」というのは佐野。
また卜部も「宮田選手が今回メンタルについての話もしてくれたのですが、メンタルもドライビングに関わる大事なひとつなのだと改めて認識することができました」とレーシングドライバーとしての刺激を受けた様子だった。
ル・マン24時間はふたりにとって目指すべき舞台となったのだろうか? 聞くと「もちろんです! ここでレースをしたいと思いました」と声をそろえていた。
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