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クルマの魅力はパワーユニットじゃない!!? 純ガソリン車にこだわらず選んだ「走りの楽しい」クルマたち

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クルマの魅力はパワーユニットじゃない!!? 純ガソリン車にこだわらず選んだ「走りの楽しい」クルマたち

 とかくクルマ好きはEVやハイブリッド車を敬遠しがち。

 だけど、結局のところ走って楽しければパワートレーンの種類なんて何でもいいんじゃない!? そんな視点で「走って楽しいクルマ」を選び出してみた!!!

クルマの魅力はパワーユニットじゃない!!? 純ガソリン車にこだわらず選んだ「走りの楽しい」クルマたち

※本稿は2022年4月のものです
文/斎藤 聡、写真/ベストカー編集部、撮影/平野 学、西尾タクト
初出:『ベストカー』2022年5月10日号

■さまざまなパワートレーンが選べる今の時代は逆に幸せ!?

658ccの直3ターボを搭載する軽自動車のN-ONE(ホンダ)だって、6MTをガチャガチャやって走らせれば楽しい

 今クルマを取り巻く状況は、EV化に向けて大きく動いているように見えます。

 巷には“EVこそ正義”みたいな空気も漂っていて、でも現実的にはすんなりEVにシフトできないさまざまな課題や問題があって、混とんとした状況にあるというのが今の状況なのです。

 雑誌的な視点だとどうしても内燃機関がいいのか、EVがいいのか、結局ハイブリッドが現実に即しているんじゃないかといった具合に、パワートレーンを軸に語りがちですが、自動車メーカーの視点に立てば、どれか一つに絞ることができないからこそ、それぞれのパワートレーンだから得られる魅力を盛り込んでいるのです。

 つまり、内燃機関、ハイブリッド、EVと、さまざまなパワートレーンが混在する今の時代は、メーカー渾身のクルマが目白押しで選り取り見取りの幸せな時代と言えるのです。

■それぞれのパワートレーンに魅力がある!!

 ガソリンエンジンの魅力を改めて考えてみると、回転が増すごとにパワーやトルクが高まっていく内燃機関独特のパワーフィールにあります。

 今回持って行ったクルマだとBRZとWRX S4が、いずれも水平対向4気筒エンジンを搭載しています。

 ガソリンエンジンのなかでも個性的で独特の鼓動感を持ったエンジンです。

純ガソリンエンジンを搭載するWRX S4(写真・スバル)やBRZ(スバル)は、クルマの古典的な楽しさが体感できる

 BRZは2.4LのNAエンジンならではのダイレクトなパワー感が魅力。S4は2.4Lターボの迫力あるターボパワーが魅力です。

 速さではなく、MTを駆使してパワーを引き出す楽しさも内燃機関ならではの楽しさで、ロードスターはその代表的なクルマです。

 それ以外にも、例えばホンダN-ONEの6速MTなど、まさに走らせる楽しさを実感できます。

 ほかにもスープラの直6ターボや、スカイライン400RのV6ターボ、ハイブリッドにカテゴライズするべきかもしれませんが、マツダ3のSKYACTIV-X(火花点火制御圧縮着火)など個性的なエンジンが健在です。

BRZ(スバル)

 ハイブリッドの進化形ともいえるプラグインハイブリッドは、余裕あるバッテリー容量を背景にモーターターボの役割を付加価値として与えています。

 その代表的なモデルがRAV4 PHVでしょう。スポーツモードにしてアクセルを深く踏み込むと、踏み出した瞬間からエンジン+モーターのド迫力の加速が楽しめます。

RAV4 PHV(トヨタ)

 それからプラグインハイブリッドの4WDは後輪をモーター駆動としている車種が増えています。自由に前後の駆動バランスを作り出す懐の深い操縦性は魅力です。

 三菱 アウトランダーの4WD制御=S-AWCは最先端のモーター駆動4WDと言っても過言ではありません。

 逆にホンダのヴェゼル e:HEVはプロペラシャフト付きの4WDとすることで4×4的な操縦感覚を持たせてコントロール性と走破性を高めています。

 日産 e-POWERもユニークな存在です。シリーズハイブリッドというタイプで、エンジンは発電、駆動はモーターが行うシステムです。

 特に最新ノートのe-POWER 4WDは独立したモーターで駆動するリアの駆動トルクを積極的に変化させることで素晴らしくよく曲がる電動4WDになっています。

 このように駆動方式のユニークさでは一番バリエーションのあるのがハイブリッドとプラグインハイブリッドです。

 純EVの個性はバッテリー搭載量とモーターの出力だけ……と思っていましたが、実はとても個性的なクルマが作れるのを知りました。

 ホンダeは、後輪駆動ならではのトラクション感があり、またハンドルの切れ角が大きいので驚くほど小回りが利き、街中での使いやすさは抜群です。

 遊び心のあるインテリアの作り込みも魅力です。

 プジョーe-208も感心したEVの一台です。まさに今回の企画テーマどおり、乗ってしっくりくる、プジョーらしさを徹底的に作り込んでいます。

純EVのHonda e(左)やプジョーe-208(右)だってアクセル操作に対する機敏な反応で、右足で姿勢コントロールをする楽しさが味わえる

 アクセルに対する応答も、低速から高速までEVだからこそ可能なリニアなドライブ感覚があります。モーターの特性を生かしながら、それでいて乗り味は間違いなくプジョーなのです。

 ホンダeやe-208に乗ると、モーター駆動でも乗り味の作り込みは充分可能、それどころか応答性のよさはよりドライバーの感覚に近づけることがわかりました。

 それからモーター駆動は横滑り防止装置との相性がよく、氷雪路上で思わぬ高性能ぶりを発揮するのも特徴のひとつに挙げていいと思います。

 ともあれ、こんな具合にそれぞれの駆動方式に楽しいクルマ、面白いクルマがたくさん出てきているのです。まさに今が旬といえると思います。

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みんなのコメント

11件
  • 加速の仕方を、ガソリン車(場合によっては名車の)のエンジン性能曲線を模したりとかすれば面白そうだけどね
  • 今が旬というより、まだまだ未成熟だと思います。
    未成熟だからこそ、面白い車が出てくる可能性もありますけど。

    個人的にはEVはもっと成熟しないと選択肢には入らないと思っています。
    低回転から最大トルクを発揮するのがEVの魅力の一つですが、楽しく乗ろうと思うとEVはどうしても重量が気になります。
    逆に軽さを追求するとHONDA eのようにバッテリー容量が少なくて使い勝手の悪いものになってしまいます。
    EVに楽しさを求めるなら、全個体電池のさらにその先、軽量で高効率のバッテリーの実用化が必須だと考えます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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