W124の新車当時はディーラーで営業スタッフだった
メルセデス・ベンツ「W124」をこよなく愛するオーナーたちのクラブ「W124-CLUB-JAPAN」の全国オフ会。2023年は愛知県長久手市のトヨタ博物館を会場として12月10日(日)に開催された。セダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレの全てのモデル総勢40台以上が参加した中、それらエントリー車両を的確に駐車場に誘導していたオーナーの田辺謙司さんは、今の愛車とは数奇なご縁で結ばれたそうだ。
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左ハンドル&シートヒーターを条件に根気よく捜索
マラカイトグリーンの1994年式「E280 Limited」に乗っている田辺さんは、このクルマに出会ってから2年10カ月ほどだという。新車当時はメルセデスの新車ディーラーで営業スタッフとして車両を販売していたそうで、自らも「190E 2.6」を新車購入し6年半で18万kmを走破した。
当時のメルセデス・ベンツは、右ハンドル車のアクセルペダルがリンケージの問題などで左ハンドル車と比較すると重く、もともと鈍重なイメージの中にさらに動きが鈍く感じられたそうだ。実際、田辺さんも当時のセールストークで「アクセルペダルを爪先で踏むと重く感じるので足の裏全体をペダルに載せて、踵から力を入れて踏めば違和感なくコントロールできます」という言葉を添えて販売していたそうだ。
そんなイメージがあったので、W124を購入する機会があったら左ハンドルのシートヒーター付きのモデルを、と中古車サイトで探していたそうだ。新車時、日本仕様はシートヒーターは単独でオプションだったため装着している車両も少なく、探すこと数カ月、ようやく見つけたのが今のクルマだ。
「その当時は新車のAMG A35を所有していて、あくまでも今後の参考として内見に行ったんです。ところが、このわずか1週間後にA35が追突される事故に遭って、全損してしまいました。そんなこともあって、このW124を迎え入れることになったんです」
特別仕様のE280 Limitedを入手! しかしコンディションはイマイチ
E280 Limitedは、フェアに合わせて仕立てられた特別なグレードで、本革シート、ウォールナット加飾(本来のE280はゼブラノウッド)、スライディングルーフ、シートヒーターが装着された特別仕様車だ。
田辺さんの探していた装備が全て装着されていたので、さっそく購入。走行6万7000kmは、年式を考えると低走行な車なのだが、正規ディーラーなどでは整備されておらず、メルセデス・ベンツの定番ポイントの整備に慣れていない工場で継続的に点検されていたらしい。例えば、冷却水がまっ黒で、もしかすると新車時から一度も交換されていないのでは? という状態であったそうだ。現在は総走行距離が11万1000kmに達していて、田辺さん自身ではおよそ4万4000km走っている。
徹底的に初期化して快適ツアラー仕様に
基本的にメンテナンスは正規ディーラーで行う田辺さんは、リコール改善修理も行われてなかったE280を手塩にかけて初期化している。サスペンションのバネが折れてしまって前後交換、フロントロアアーム交換と、定番の場所を着々と仕上げていった。
また、交換されていなかった水まわりは、ラジエター、ウォーターポンプ、ラジエターサブタンクを交換し、また後期モデル特有のエンジンメインハーネスもしっかり交換。なぜかほとんどのW124が経験する、ヘッドガスケットの交換という儀式のような修理も経験して、今や心配のないグランドツアラーとなっている。
また小技として、190Eスポーツラインの鍛造ホイールを入手し、リペアしたうえでホイールをボディカラーに合わせてダーク系に塗装して仕上げたり、スポーツライングレード用のスタビライザーを装着して自分好みのクルマへとアップデート。
今後はリアメンバー、マルチリンクのブッシュを交換予定で、今回のオフ会のような往復700km以上の走行もより快適に走れる「ツアラー」としてこれからも長く所有していく準備は万端だ。
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みんなのコメント
具体的には、ハンドル、ペダル位置、シートの位置関係が、左ハンドル車に比べてかなり不自然に感じてしまう。
最近のベンツは、そんな事は、無いですけどね。
消耗品も外車の割には安かったしな
まあでも当時でも700万くらいの車だもんね