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鍵は「遊び心」と「ハイブリッド」! 王者ダイハツがスズキに首位を明け渡した「軽自動車」市場の異変

掲載 更新 52
鍵は「遊び心」と「ハイブリッド」! 王者ダイハツがスズキに首位を明け渡した「軽自動車」市場の異変

 2020年は王者ダイハツを抜きスズキが首位を維持

 2020年もあと数カ月となった。今年は春先からの新型コロナウイルス感染拡大もあり、「気がつけば年の瀬」というひとも多いはず。2020事業年度締めでの上半期末となる9月の新車販売台数統計を見ていると、まさにWITHコロナの時代になってから、軽自動車販売にある異変が起きていることに気がついた。

じつは凄いダイハツの「軽自動車以外」のクルマ! 歴代「オリジナル」の「普通車」が名車だらけだった

 全軽自協(全国軽自動車協会連合会)統計によると、2020事業年度締め上半期(4月~9月)の販売台数でスズキがブランド別新車販売台数でトップとなったのである。そこで改めて2020年に入ってからの統計を確認すると、2020年1月から9月までの累計販売台数でもスズキがトップとなっている。

 さらに月別販売台数でダイハツがスズキに勝っているのは、1月、2月、4月、7月となり、“5勝4敗”でスズキが勝っているのである。年間統計が出ている2019年ベースで過去5年、つまり2014年まで遡り、全軽自協で公表している暦年・事業年度締めでの各年間販売台数および各事業年度締めでの上半期販売台数を見ていくと、過去5年でスズキがダイハツに勝っているのは、2014年暦年締め年間販売台数と、2014、2015、2018事業年度締めでの上半期のみとなった。2014年あたりでのスズキは初代ハスラーを発売し、これが大ヒットして販売台数の上積みに成功した結果となっている。

 つまり、初代ハスラーのような“サプライズモデル”がない限りは、ダイハツ常勝傾向が続いてきたのに、ここへきてスズキに抜かれる場面が頻発してきているのである。

「最近のダイハツは元気がない」とは、新車販売事情に詳しいひとの間ではよく話されるようになってきたこと。例えば2019年7月にフルモデルチェンジしたタントは2020年1月からの累計販売台数で、スズキ・スペーシアに比べ販売台数が8000台ほど少ない。前年同期、つまり2019年1月から9月までの累計販売では、6月までタントが末期モデルであったにも関わらず、7000台ほどスペーシアより多く販売している。

 事情通氏は「スペーシアには、ギアという派生モデルがあります。さらに搭載エンジンはハイブリッドとなります。一方でタントは新世代プラットフォームなどを採用していますが、スペーシア ギアのような派生モデルもないですし、ハイブリッドという消費者をひきつける“飛び道具”がないので、いまひとつ元気のない販売状況となっているといえるでしょう」と分析した。

 キーワードはハイブリッドの有無か

 スズキはスペーシア以外でもワゴンR、ハスラーなど軽自動車のなかでは販売中核車種にハイブリッドユニットを搭載している。いまどきの日本での新車販売では、ハイブリッドという“おまじない”は販売促進活動には効果抜群。この“おまじない”分がスズキリードの原動力となっているようである。

 さらに新型ハスラー発売後、半年弱を経てデビューしたタフトの販売状況がおとなしいのも気になるところ。タフトの販売台数が全軽自協の統計に反映されるようになった6月から9月までの月別販売台数では、一度もハスラーより多く売っている月はない。遊び心溢れるだけでなく、ハイブリッドを搭載しているハスラーに対し、ワクワク感で少し物足りない真面目なタフトが委縮してしまっているようにも見える。

 販売台数にはそれほど貢献しないものの、納車まで1年半以上待ちとされるジムニーや、アルトワークスなど、車歴が長く知名度の高いイメージリーダー的存在もスズキならではであり、全体の販売へも少なからず良い影響を与えているといえるだろう。

 スズキがトップとなっているとはいえ、ダイハツとの差は僅か。今後2020暦年締め年間販売台数トップをめぐり、スズキ、ダイハツ双方ともに自社届け出を活発化させて販売台数の上積みを図ってきたり、“デッドヒート”を繰り広げる可能性は高い。単なるトップ争いだけではなく、軽自動車の購入を検討していれば、好条件獲得の好機なので、今後とも注目してもらいたい。

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みんなのコメント

52件
  • ダイハツが王者だと思った事はない。
  • 遊び心という面では ダイハツには2人乗り電動オープンのコペンがあるのに
    スズキにはない

    鈴木修会長が健在な間に カプチーノの復活にGoサインの決断を
    してくれないかな~
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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