2024年2月7日、ポルシェジャパンはビッグマイナーチェンジされたタイカンおよびタイカンクロスツーリスモの予約受注を開始した。
広範囲におよぶアップグレードを実施
タイカンは、ポルシェ初の量産BEVのスポーツカーだ。2019年に発表された現行型が初代で、これまでに約15万台が生産されている。日本では2020年に4ドアの「タイカン」が、2021年には5ドア クロスオーバーの「タイカンクロスツーリスモ」が発売されている。
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今回のビッグマイナーチェンジでは広範囲におよぶアップグレードが施され、より高い出力、長い航続距離、速い加速、迅速な充電、優れた安定性を備えた。市販化に向けてカモフラージュされたテストカーに乗り込んだ開発エンジニアとテストドライバーは、世界中を360万km以上走破した。
いずれのグレードも、従来モデルよりも加速が格段に向上した。ベーシックモデルのタイカンは、0→100km/h加速が4.8秒で、従来モデルより0.6秒速い。トップグレードのタイカンターボSでは2.4秒で、こちらも従来モデルより0.4秒速くなっている。
スポーツクロノパッケージの新しい「プッシュ to パス」機能を使用すると、ボタンに触れるだけでグレードに応じて最大70kWのブーストを10秒間利用できる。加速の向上は、主にシステム出力の増加によるものだ。
たとえば、ベーシックモデルのタイカンの出力は従来よりも60kW向上しており、タイカンターボSでは、さらに140kWのローンチコントロールが追加される。これにより、トップモデルのシステム出力は700kW(952ps)に増加する。
従来モデルより航続距離が35%以上も向上
アップグレードされたタイカンは、先代モデルよりも長距離走行時の充電回数が少なくなっただけでなく、充電速度も向上している。充電環境にもよるが、全グレードで充電状態10%から80%まで18分で充電が可能だ。パフォーマンスバッテリープラスの総容量は93kWhから105kWhに増加した。
サスペンションでは、アダプティブエアサスペンションを標準装備。新しいポルシェ アクティブライドサスペンションは、4WDバージョンのオプションとしてオーダーできる。このシステムは、ドライビングコンフォートとドライビングダイナミクスのレンジをかつてないほどに広げる。
このサスペンションは、ダイナミックなブレーキング、ステアリング、および加速操作中であっても、タイカンのボディを常に水平に保つ。滑らかな乗り心地で、段差をほぼ完全に吸収する。ダイナミックな運転状況では、ポルシェア クティブライドサスペンションがホイールの荷重をバランスよく配分することで、路面とのほぼ完璧な接続性を実現する。適切なモードがアクティブになっている場合、サスペンションがピッチとロールを補正して乗員に作用するGを低減する。
大幅に改良された装備と軽量化
性能と効率を同時に向上できたのは、全グレードで先代モデルの出力を最大80kW上回る新しいリアアクスルモーターを備えた先進のパワートレーン、ソフトウエアを最適化した改良型パルスインバーター、より強力なバッテリー、サーマルマネジメントの改良、次世代ヒートポンプ、改良型回生および4WDストラテジーなど、複数の要因によるものだ。
高速からの減速時の最大回生性能は、290kWから400kWへと30%以上向上した。全グレードに空力的に最適化されたホイールと転がり抵抗を低減したタイヤが標準装備。新しい21インチホイールとタイヤは専用に開発されている。
車両重量は最大15kg軽量化されたが、標準装備は従来よりもさらに充実している。アンビエント照明、フロントシートヒーター、ポルシェ インテリジェント レンジマネージャー、ワイヤレス充電式スマートフォントレー、運転席側および助手席側充電ポート、ドライブモードスイッチ、パワーステアリングプラスが標準装備される。日本仕様ではタイカン4Sにパフォーマンスバッテリープラスが標準で搭載される。
ベーシックグレードのタイカンにも、アダプティブ エアサスペンションとアルミニウム製ドアエントリーガードが標準装備される。装備のアップグレードに加えて、製品仕様の向上には、容量を増やしながら軽量化されたバッテリーが含まれる。
魅力的なデザインに、インテリアも充実
エクステリアでは、新デザインのヘッドランプとテールランプを備えた新しいフロントエンドとリアエンドのスタイルにより、タイカンの滑らかで純粋なデザインはさらに磨き上げられた。新しいフロントフェンダーとフラットなヘッドランプが、タイカンのワイド感をさらに強調する。
精巧な光学を使用した高解像度HDマトリックス テクノロジーの新しいヘッドランプは、夜間にポルシェ特有の4灯のグラフィックで照らす。テールランプ ストリップのポルシェロゴは、立体的なガラスルックのデザインを採用し、初めて装備されたイルミネーテッド仕様は、乗車時および発進時のアニメーションが特徴だ。
ターボとターボSは、エクステリアとインテリアの両方で、アクセントカラーのターボナイトを採用して、他のグレードと差別化されている。
インテリアでは、インストルメントクラスター、センターディスプレイ、オプションの助手席側ディスプレイは、機能を追加して最適化されたユーザーインターフェースを備えている。ステアリングホイールにはモードスイッチを標準装備。スポーツクロノパッケージとパフォーマンスバッテリープラスを装備したモデルでは、モードスイッチに専用のプッシュ to パス ボタンを備える。
ステアリングホイールの左側後方にある新しいコントロールレバーを使用すると、ドライバーアシスタンス システムをより直感的に操作できる。アップル カープレイは、ディスプレイと機能にさらに完全に統合されている。新しい車載ビデオ機能により、センターディスプレイと助手席側ディスプレイでのビデオストリーミングも可能だ。
ポルシェジャパン独自の充電ネットワーク
ポルシェジャパンでは独自の急速充電インフラとしてCHAdeMO規格では国内法規における最速の150kWを誇る「ポルシェ ターボチャージングステーション」が全国のポルシェ正規販売店にて54基稼働中の他、都市部でも主に東京、名古屋、大阪に10拠点18基を設置している。
またアウディ、フォルクスワーゲンとともに展開するプレミアム チャージング アライアンスにより、各ブランドの正規販売店に設置されている急速充電器も利用可能だ。
普通充電器(8kW)の「ポルシェ デスティネーション チャージングステーション」は、ホテルや温泉施設、レストラン、ゴルフ場などのレジャー施設など長時間滞在に適したロケーションにて110拠点225基を運用している。
グレードと車両価格(税込)は、以下のとおり。ハンドル位置は、全グレードとも右のみとなっている。
タイカン:1370万円
タイカン4S:1650万円
タイカンターボ:2289万円
タイカンターボ4S:2746万円
タイカン4クロスツーリスモ:1507万円
タイカン4Sクロスツーリスモ:1670万円
タイカンターボクロスツーリスモ:2308万円
なお、タイカンにはクロスツーリスモをベースにシューティングブレーク風にアレンジした「スポーツツーリスモ」という第3のボディタイプも設定されており、本国仕様では同時にビッグマイナーチェンジが施されているが、この日本仕様に関しては、まだアナウンスされていない。
[ アルバム : ポルシェ タイカン ビッグマイナーチェンジ はオリジナルサイトでご覧ください ]
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