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【価格/補助金は?】トヨタ、新型ミライ発表 内装/スペックを解説 後輪駆動で航続距離850km 発売日は12/9

掲載 更新 34
【価格/補助金は?】トヨタ、新型ミライ発表 内装/スペックを解説 後輪駆動で航続距離850km 発売日は12/9

はじめに 2代目MIRAI(ミライ)とは

text:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

【画像】新型トヨタ・ミライ【隅々まで知る】 全154枚

トヨタが、FCV(燃料電池自動車)の「ミライ(MIRAI)」をフルモデルチェンジして、12月9日より発売すると発表した。

ミライは、水素を燃料として空気中の酸素と化学反応させる燃料電池(FC=フューエル・セル)と呼ばれるシステムで発電し、その電気エネルギーを使ってモーターを駆動して走る、電動車の一種だ。

そのシステムは、世界中で1950年代ころから研究開発が進められており、日本ではトヨタやホンダが21世紀に入ってからリース販売を行っていた。

量産車としての世界初のセダン型燃料電池自動車は、2014年に発表・発売された初代(従来型)のミライであった。その後、ホンダ・クラリティやメルセデス・ベンツGLC Fセル(しかも、これはPHV)といったモデルも市販されている。

初代のミライは供給能力に制約があり、またユーザーからは乗車定員が4名に制限されること、さらに十分でない航続距離への要望も多かった。

そこで新型は、FCVであることは前提としながらも、「お客様が一目ご覧になった時、運転されている最中、さらには乗り終わった後、それぞれの瞬間において、『このクルマはいい、本当に欲しい』と思っていただける、未来のプレミアムカーをご提供すること」を目標に定めたという。

では、そんな新型ミライの概略を紹介していこう。

新型トヨタ・ミライ 外観/サイズ

新型ミライのスタイリングは、昨年の東京モーターショーに出展された「ミライ・コンセプト」と基本的には変わっていない。

新型ミライのボディサイズは、全長4975×全幅1885×全高1470mm。ホイールベースは2920mm。

従来型ミライより85mm長く、70mm幅広く、65mm低い。しかもホイールベースは140mmも長い。

ミライという車名と、燃料電池自動車であることは継承しているが、まったく別のクルマに生まれ変わったといっても過言ではないだろう。

そのスタイリングは、燃料電池自動車という環境を重視したクルマだからではなく、デザインで選ばれるクルマを目指し、「SILENT DYNAMISM(サイレント・ダイナミズム)」をコンセプトに造り込んだという。

4ドア・セダンでありながら、クーペのようにも見える、ロングノーズ/ショートデッキの流麗なスタイル。ハッチバックのようだが、独立したトランクを備えている。

ロー&ワイドなプロポーションは、スピード感にもあふれている。

また、大胆な面の変化を重視した造形を融合させたエクステリア・デザインは、これからのトヨタのプレミアムカーは、このようなデザインを継承していくのではと予感させる。

ボディカラーは、スタイリングを際立たせる陰影感と鮮やかさを兼ね備えた、新規開発色「フォースブルー マルティプルレイヤーズ」を含め、全8色をラインナップしている。

新型トヨタ・ミライ 内装

まさに車名のように未来感覚にあふれたスタイリングの新型ミライだが、インテリアもエクステリア同様に、クオリティが高く今までのクルマとは一線を画したものとなっている。

そのデザイン・フィロソフィは、運転する楽しさと先進感の中のくつろぎが、高次元で融合するものとされている。

運転席の前には8.0インチのTFTカラーメーター、センターダッシュ上には12.3インチの高精細TFTワイドタッチ・センターディスプレイを備え、ドライバーを包み込むようなデザインのインパネが特徴的だ。

とくに助手席の前からセンターダッシュへ、そしてセンターコンソールの運転席側へと美しいラインを描くトリムは、新型ミライのインテリアを特徴づけている。

従来型ミライのリアシートは2人掛けで乗車定員は4名だったが、新型ミライは3人掛けで乗車定員は5名となった。しかもサイズの拡大により、従来型より余裕をもって座ることができる。

また、ラゲッジスペースはフロアが低くフラットで、9インチのゴルフバッグが3個収納可能だ。

センターコンソールボックス、オーバーヘッドコンソール、前席のシートバックポケットやリアコンソールボックスなど、グレードにもよるが室内も前・後席とも収納スペースは豊富に用意されている。

新型トヨタ・ミライ シャシー

従来型ミライと新型ミライの最大の違いは、じつは駆動方式にある。

従来型ミライはFWD(前輪駆動)だったが、新型ミライはRWD(後輪駆動)を採用しているのだ。それゆえ、スタイリングやプロポーションが大きく変わっている。

FR高級車用として定評のあるTNGA「GAーL」プラットフォームをベースに、リアなど各部の構造を見直し、徹底的にボディ剛性は強化されている。

小型・高出力化したFC(燃料電池)スタックはフロントのフード下に、モーターと駆動用バッテリーはリアに配置する。水素タンクも含めたFCシステムの最適な配置により、前後50:50の理想的な重量配分を実現している。

サスペンションは前後ともにマルチリンク式。最低地上高は、従来型の130mmに対し、新型は155mmと25mmアップしている。

踏んだ瞬間からトルクが立ち上がり、どこまでもスムーズに伸びるFCVならではの加速特性を楽しみながら、高剛性ボディによる上質な乗り心地に加え、エンジン振動や騒音がない燃料電池自動車ならではの静粛性は大幅に向上しているという。

つまり新型ミライは、環境性能に加えて、「走ることが楽しく快適なクルマ」としての完成度を追求した形となる。

新型トヨタ・ミライ パワートレイン

FCシステムは従来型ミライから刷新され、燃料電池自動車としての性能を大幅に向上している。

FCスタックの体積出力密度は従来型の3.1kW/Lから世界トップレベルの4.4kW/Lへ、最高出力は155psから174psへとアップしている。

駆動モーターのパワースペックは、従来型の最高出力154psと最大トルク34.2kg-mから、182ps/30.6kg-mと、最高出力はアップしているが最大トルクは少しダウンしている。

フロアトンネルのスペースも活用して水素搭載量は、従来型ミライの4.6kgから5.6kgに拡大。

また、FC昇圧コンバータのSiC半導体採用や、2次電池としてリチウムイオン電池を採用したことなどにより、ユニット損失を低減。さらに、FCスタックの性能向上に加え、それを活用する触媒リフレッシュ制御の導入により、発電効率も約10%向上させている。

これらにより、従来型比で約30%増の、850km(Gグレード)の航続距離を実現した。

新型トヨタ・ミライ 装備

プレミアムカーとなった新型ミライは、安全&快適装備ともトヨタの最高レベルのもので充実させている。

予防安全パッケージの「トヨタ・セーフティセンス」は、プリクラッシュセーフティを交差点事故に対応したものや衝突回避操舵支援機能も備えるなど、最新のシステムを搭載している。

AI技術を取り入れた高度運転支援技術の「トヨタ・チームメイト」や、自動車専用道路での運転において、ドライバー監視のもと、実際の交通状況に応じて車載システムが適切に認知・判断・操作を支援し、車線・車間維持、分岐、レーンチェンジ、追い越しなどを実現する「アドバンスド・ドライブ(2021年に装着車を発売予定)」を設定。

さらには駐車場での操作において、ドライバー監視のもとで、判断・操作を支援してスムーズな駐車を実現する「アドバンスド・パーク」の装着車を用意した。

また、燃料電池自動車ならではの給電機能も備えている。

災害等の緊急時に、外部給電器(別売)の接続により大出力の電力を住宅・電気製品に供給するDC外部給電システムと、非常時給電システム付きの2か所のアクセサリーコンセント(AC100V/1500W)が備わる。この非常時給電システムでは、一般家庭では約4日間の給電に対応するという。

快適装備としては、全グレードにエグゼクティブ・パッケージを設定。リアに要人が乗車する法人需要を想定したもので、助手席のスライド操作を運転席側から行えるスイッチや、可倒式の助手席ヘッドレストを装備し、後席乗員の快適性を高めている。

新型トヨタ・ミライ 価格/補助金

新型ミライの消費税込みの車両価格は、Gグレードの710万円~Zグレード「エグゼクティブ・パッケージ」の805万円。

発売日は、前述のとおり12月9日。従来型の10倍の供給体制を整えるとトヨタは話している。

なお、新型ミライは、エコカー減税による自動車重量税の100%減税(初回継続車検時も)、3%の環境性能割、グリーン化特例(概ね75%の減税)、クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金などの優遇措置が設定されている。

グレードによるが優遇額は、下記のとおり合計で140万円前後となる。

メーカー希望小売価格と優遇額

G:710万円(優遇額合計:約139万5700円)
G Aパッケージ:735万円(同:約140万1800円)
Gエグゼクティブ・パッケージ:755万円(同:約140万6800円)
Z:790万円(同:約141万5300円)
Zエグゼクティブ・パッケージ:805万円(同:約141万9000円)

新型トヨタ・ミライ スペック

ミライZ 主要諸元

車両価格:790万円(優遇額合計:約141万5300円)
全長×全幅×全高:4975×1885×1470mm
ホイールベース:2920mm
車両重量:1930kg
パワーユニット種類:永久磁石式同期型モーター
定格出力:48.0kW
最高出力:182ps/6940rpm
最大トルク:30.6kg-m/0-3267rpm
最高速度:175km/h(推定)
駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
駆動方式:RWD
燃費(WLTC):135km/kg
水素タンク容量:141L(前64L+中52L+後25L)
タイヤ:235/55R19(メーカーOP:245/45ZR20)
最小回転半径:5.8m

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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みんなのコメント

34件
  • エコを推進するなら環境省などお国の偉いさんはセンチュリーなどではなくミライにすれば良い。
  • 東京オリンピック中止で400台の旧型ミライが野ざらしで放置されている。

    来年の東京オリンピックでは新型ではなくこの野ざらしの旧型ミライが活躍するのか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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