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2018年8月から急増! 近年、トミカでフェラーリが増えている理由は?

掲載 更新 3
2018年8月から急増! 近年、トミカでフェラーリが増えている理由は?

 日本でミニカーといえば真っ先に思い浮かぶのがトミカだろう。玩具店はもちろんのこと、最近は一部のコンビニでも購入できるようになった。おかげでついつい買いすぎてしまったりするのではないだろうか?

 そんなトミカにフェラーリSF90ストラダーレが加わった! それも特別なモデルではなく、いわゆる標準モデルの120番の担当としてである。

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 今回はトミカにフェラーリが加わった舞台裏をご紹介しよう!

文/加藤久美子、写真/タカラトミー、加藤久美子

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■スタンダードトミカでも他とは一線を画すフェラーリのトミカ

2021年4月のトミカの日に発売された、フェラーリ SF90 ストラダーレ。初回特別カラーのシルバー/※すでに生産を終了しているため、店頭にない場合があります

 「毎月第3土曜はトミカの日」。

 通称,赤箱と呼ばれるトミカは毎月第3土曜日に新しいモデルが2車種(初回特別仕様を入れると3種)発売される。現在はこのトミカは120台体制となっており、新しいモデルが発売されるたびに入れ替わっている。

 そして今年4月の「トミカの日」に発売されたのは『フェラーリ SF90 ストラダーレ』でそれまで120番だった『油圧式ショベル グラップル仕様』に代わり、新たに「120番」としてトミカに加わった。初回特別カラーがシルバー、標準カラーがレッドだ。

 仕上がりは実に素晴らしく、500円以下で買える3インチミニカーとしてはありえないほどの細かな作り込みと高級感を漂わせている。前後のウィンドウも透明のアクリルパーツ仕様でシートの再現性もかなり高い。

こちらが標準モデルのレッド

 これはフェラーリに限った話ではないが、トミカでは色移行や、袋の移行防止から商品を守るために紙仕切りがあるなど梱包にも工夫がされており、フェラーリ SF90 ストラダーレにも、同様の工夫が施されている。

 さて、このフェラーリのミニカーだが実はかなり長い間、タカラトミーからは発売されていなかった。フェラーリ不在の期間は26年!今年で51年の歴史を持つトミカのおよそ半分の期間に相当する。

 26年とはトミカで遊んでいた幼稚園児が30歳を超える年齢になるほど長い年月。一体なぜそんなに長い間、トミカのフェラーリが発売されなかったのだろうか?

■ライセンス契約の関係で

これが紙箱ならぬ『神箱』。外箱よりわずかに厚めの内箱で中のトミカが保護されている

 販売されなかった理由……それはフェラーリ社との模型を製造販売する上でのライセンス契約(版権)である。

 ホットウィールなどでおなじみの米国マテル社が1999年から2014年までフェラーリと独占的なライセンス契約を結んでいたため、トミカやそのほかのメーカーからもフェラーリのミニカーを出すことができなかったのだ。

 この期間はプラモデル等の組み立てモデル(組み立てモデルはその後許可されて再び市場に流通)や完成品モデルのミニカー、モデルカーについて米国マテル社でのみ製造が可能だったのである。

 なお、日本では米国マテル社の正規輸入代理店である京商が製造・販売権を得ており、マテル社のホットウィールと異なる価格帯(つまりホットウィールよりもかなり高額)でのみ製造・販売が認められていた。

 そして、長い間トミカから発売されてこなかったフェラーリが復活したのは2018年8月のこと。

 ただし、復活といってもタカラトミーに版権が移ったわけではない。少々、複雑な事情があるのだが、まずは、トミカ「フェラーリモデル」の箱に記された版権に関する記述をみてみよう。

(c) TOMY
Produced under license of Ferrari S.p.A. The name FERRARI, the PRANCING HORSE device, all associated logos and distinctive designs are property of Ferrari S.p.A. The body designs of the Ferrari cars are protected as Ferrari S.p.A. property under design, trademark and trade dress regulations.
Produced under license of M.C.G.: Maisto and Bburago.

(参考)
トミカ「フェラーリモデル」は、フェラーリS.p.Aのライセンスに基づいて製造されています。
FERRARIという名前、PRANCING HORSE(跳ね馬)のエンブレムや関連するすべてのロゴ、車両の独自デザインはフェラーリS.p.Aの所有物です。
フェラーリ車のボディデザインは、デザイン、商標、トレードドレス規制(知的財産の一形態)のもとでフェラーリS.p.A.の所有物として保護されています。
トミカ「フェラーリモデル」は、メイチョングループ(マイスト&ブラーゴ)のライセンス下で生産されています。

■タカラトミーとフェラーリの版権について

トミカプレミアム06 テスタロッサ

 ポイントとなるのは最後の一文「トミカ「フェラーリモデル」は、メイチョングループ(マイスト&ブラーゴ)のライセンス下で生産されています。」というところだ。

 「マイスト」も「ブラーゴ」も有名なブランドで、マイストはアメリカ、ブラーゴはイタリアのブランドである。

 いずれもダイキャスト製のリーズナブルなミニカーを製造している。コストコのおもちゃ売り場を訪れたことがある人なら、一度は目にしたことがあるだろう。何層にもなってずらっと並んでいる18分の1スケールのミニカーが「マイスト」ブランドのミニカーだ。

 そして「M.C.G」とは、香港に本社がある「メイチョングループ」(美昌集団)でマイスト&ブラーゴを傘下に抱える玩具メーカーである。

 同社は2015年よりフェラーリの模型を製造するライセンスを所有しており、さらにその権利を他社に販売する契約もフェラーリ社と結んでいる。

 それゆえに、タカラトミーがメイチョングループの許可を得てフェラーリのデザインやロゴを使ったミニカーを製造できるようになり、2018年8月、ついに26年の時を経てトミカのフェラーリが復活したのである。

 このときに発売されたフェラーリの名前を冠したトミカは、「ラフェラーリ」と「テスタロッサ」の2車種6仕様。その後も続々とトミカにフェラーリモデルが追加されていった。

 赤箱の標準モデル以外にも、少し高級な「トミカプレミアム」や、5000円~6000円台の高級バージョンである『トミカリミテッド ヴィンテージ(TLV)』や『トミカリミテッド ヴィンテージネオ(TLVN)』(製造はいずれもトミーテック)に続々と新車が追加されている。

 ちなみに、「TLV」とはトミカが誕生する1970年以前のクルマ、「TLVN」は1970年以降でこれまでトミカ化されていなかったクルマを中心としたラインナップとなっている。

ところでフェラーリの版権だが、実は2019年のある時期までは「日本限定」だったそう。長年トミカを扱ってきたアジアの業者は明かす。

「アジアの国々では当初、フェラーリモデルのトミカは販売されなかったので世界中から日本にバイヤーが殺到し、ものすごいプレミア価格になっていました。ヤフオクなどでも海外の業者が日本でしか発売されていないトミカのフェラーリに殺到しましたね。2019年のある時期からアジアでも版権が解禁となったのでフェラーリバブルは終焉を迎えました」

■これまでに発売されたフェラーリトミカにはどんなものがある?

トミカNo62 ラフェラーリ

 2018年8月から2021年5月までに発売された、トミカの名前がつく主なフェラーリを紹介しておこう。中にはすでに廃盤となっているモデルもある。

●『トミカ』15種類

ラフェラーリ 初回特別カラー仕様(以下、初回)/通常 2種/イベントモデル1種
488GTB 初回/通常 2種
エンツォ フェラーリ 初回/通常 2種
F8トリブート 初回/通常 2種
フェラーリセット(4種1セット)
フェラーリSF90 ストラダーレ初回/通常2種

●『トミカプレミアム』13種類

テスタロッサ トミカプレミアム発売記念仕様/通常/タカラトミーモールオリジナル3種
512 BB トミカプレミアム発売記念仕様/通常/タカラトミーモールオリジナル限定 3種
ディーノ246GT トミカプレミアム発売記念仕様/通常 2種
F40 トミカプレミアム発売記念仕様/通常 2種
365 GTS4 トミカプレミアム発売記念仕様/通常 2種
ラフェラーリ トミカプレミアムRS
※トミーテック製品は対象年齢15歳以上、トミカプレミアム対象年齢6歳以上、トミカプレミアムRSは対象年齢14歳以上になります

トミカリミテッドヴィンテージネオ LV-N フェラーリ 328 GTS

 また、トミカ/トミカプレミアム以外にも、トミカの名前が付くフェラーリとしてディーノ246GT/GTS(TLV)やF40、テスタロッサ、512TR、512BBiなど(TLVN)の高級ミニカーも発売されている。

 さらに、トミカサイズではなく、またタカラトミー製でもないのだが1/43や1/18サイズのブラーゴ社製フェラーリミニカーもこれまで19種類以上が発売されて来た。

 現在は「トミカプレゼンツ ブラーゴ シグネチャーシリーズ」として、1/43スケールのダイキャスト製ミニカー4車種488 GTB(白)、FXX K(赤)、ラフェラーリ アペルタ(赤)、FXX K(スペシャルカラー)が販売されている。

※タカラトミーモールでは、19車種のうち、2021年5月27日時点で15車種が販売終了しています

トミカプレゼンツ ブラーゴ シグネチャーシリーズ 1:43 ラフェラーリ アペルタ(赤)

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みんなのコメント

3件
  • これなら私もフェラーリの「オウナー」になれる。
    (これ、わかる人いますか?)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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