6月22日(木)、WRC世界ラリー選手権第7戦『サファリ・ラリー・ケニア』のデイ1が行われた。オープニングステージとなったスーパーSS“カサラニ”でトップタイムを記録したのは、Mスポーツ・フォードWRTのオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(フォード・プーマ・ラリー1)。2番手にはTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が0.1秒差で続き、前日のシェイクダウンを最速タイムを記録した同じくTGR-WRTのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は3番手で初日を終えている。
今大会で第70回を迎えたサファリ・ラリー・ケニアの競技初日、各チームは前日にシェイクダウンが行われたナイバシャ湖のサービスパーク近郊からナイロビへと移動。同国首都でのオープニングセレモニーを終えた後、現地時間14時過ぎにSS1“カサラニ”で競技がスタートした。
【順位結果】2023年WRC第7戦サファリ・ラリー・ケニア SS1後
2台のマシンが同時に走行する全長4.84kmのスーパーSSは、大胆なインカットを防ぐためにコースサイドに石が置かれており、慎重なマシンコントロールが要求される特設コースだ。このステージの途中に設置されたウォータースプラッシュゾーンは車両が通過するごとに水が掻き出され、後方の出走順になるにつれて水しぶきが少なく走りやすいコンディションに変化していく様子も見受けられた。
地元ケニアの選手が駆るラリー2マシンのスタートで幕を開けたSS1。ラリー1車両のトップバッターは新コドライバーのアンディ・マルフォイとコンビを組むジョルダン・セルデリディスと、ピエール‐ルイ・ルーベ/ニコラス・ギルソウル組という2台のMスポーツ・フォードのプーマ・ラリー1の共演に。その後、ポイントランキング順に2車1組での出走が続いた。
■シェイクダウンで“2回転クラッシュ”の勝田車も復活。初日は7番手
この日唯一の競技区間となる同ステージでトップタイムを記録したのはMスポーツのタナクだ。タナクは長い左コーナーの立ち上がりで右リヤを軽くヒットさせるも大きな影響はなく、落ち着いた走りで全体ベストとなる3分14秒3というタイムを記録。それまで暫定トップタイムをマークしていたトヨタのオジエを0.1秒上回り、僅差で総合首位に立っている。
前日のシェイクダウンでトップタイムを記録していた昨年の覇者ロバンペラは、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)と同時に出走。走行後のインタビューで語った「去年と同じように頑張るつもりだ。とにかく安定して、いいペースをキープすることだね」との言葉どおり、まずはスムーズな走りを見せタナクの2.4秒後方、オジエに続く3番手でオープニングステージを走り切った。
ロバンペラの後方にはヌービル、エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)、エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)、勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)と、TGR-WRTとヒョンデ・シェル・モビスWRT勢が交互に続くオーダーとなっている。ヒョンデのi20 Nラリー1を駆るダニエル・ソルドは、勝田に続く暫定8番手タイムを記録していたが、スタートミスによる10秒のタイムペナルティを課され総合16番手で初日を終えることとなった。
シェイクダウンで横転するクラッシュに見舞われ、懸命の修復を受けてラリー初日の出走に間に合った勝田は「クルマを完璧に直してくれたチームに感謝します。とてもいいフィーリングでした。明日も楽しめるように頑張ります」とチームへの感謝を交えつつ笑顔で走行後のインタビューに答えた。
Mスポーツ・フォード勢はタナクが首位で初日を終える一方、ルーベが8番手、セルデリディスは10番手となった。2台のプーマ・ラリー1の間にはWRC2クラスにエントリーしているオリバー・ソルベルグが入った。21歳のノルウェー人は今回、WRC2選手権にはノミネートせず、アニマルバーとシュノーケルを装備した旧型のシュコダ・ファビア・ラリー2エボで伝統のサファリラリーの臨んでいる。
本格的な競技が始まる23日(金)のデイ2は、サービスパークが置かれるナイバシャ湖周辺に舞台を移し、現地時間8時(日本時間14時)からオープニングのSS2がスタートする予定だ。ミッドデイサービスを挟みつつ3本のステージを各2回走行する金曜日は、一日の最後に全長30.62kmの難関ステージ“ケドン2”が待ち受ける。
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