スバルが……いや日本が誇る国産2Lクラス最強の4WD、WRX STI。多くのファンを持ち、本企画担当も死ぬまでに一度はオーナーになってみたい一台。その基幹技術である4WD性能にも、長所と短所がある。国産最強が「世界最強」となるために必要なのはどんな技術か。レーシングドライバーでもあるジャーナリストの松田秀士氏がじっくり分析してくれた。
文:松田秀士 写真:池之平昌信
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ベストカー2017年10月10日号
■マイチェンで最大のデメリットを解消!!
センターデフにDCCD(ドライバーズ・コントロール・センター・デフ)を採用するWRX STIの走りはいまさらいうまでもないだろう。特に今年6月に実施したアップデートによって、新型マルチモードDCCDは機械締結を使った作動制御の部分を取り除いて全て電子制御センターデフとしたことでハンドリングがより素直になった。
過去に本誌で独自にサーキットテストを行っていて、その時も筆者がテストしたのだが袖ヶ浦フォレストレースウェイではアンダーステアに悩まされたのだ。リアの安定感は抜群なのだがコーナーを攻めれば攻めるほどにリアがフロントを押し出してアンダーステアが発生するのだ。
このような状況ではシャシー性能さえしっかりとしていれば、逆にオンデマンド4WDのほうが素直なハンドリングになると思えたほどだった。これがオンデマンド4WDに対する、これまでのWRX STIの最大のデメリットといえる部分だったのだ。
しかし、今回のアップデートによってこのあたりのフラストレーションがかなりのレベルで改善した。デメリットをメリットに変えた、というほど劇的な変化である。そのバックボーンには、19インチタイヤ&ホイールの存在が見逃せないだろう。応答性とグリップレベルがより進化している。
■「乗り心地向上」というが、それ以上の効果がある
また、これまでツッパリ感が強かったサスペンションのスタビライザー径を落とし、バネ定数とショックアブソーバの減衰キャラクターを変更することで、ステアリング切り始めのスッキリ感が新DCCDと相まって進化し、乗り心地もよくなった。
単に乗り心地が進化したというけれども、群馬サイクルスポーツセンターの荒れた路面を全開走行した印象では、明らかにタイヤの路面への追従性が向上しているのだ。
サスペンションの路面追従性がよくなれば、フルタイム4WDの特性をしっかりと生かした走りが可能になる。
オンデマンド4WDに対してセンターデフ方式フルタイム4WDであることのメリットは、同じシャシー性能であればセンターデフ方式フルタイム4WDのほうがスタビリティが高いのだが、シャシー性能が高ければ高いほど減速時にも4輪の駆動を制御でき、より高度な4輪制御でコーナリングをデザインできるセンターデフ方式フルタイム4WDのメリットは大きい。
また、袖ヶ浦フォレストレースウェイでのテストでは、ブレーキのフェード現象が顕著だったので、ブレーキローターの18インチ化(旧17インチ)、ブレーキキャリパーをモノブロック化しフロントを6ポッドに変更したことで、ブレーキの耐久性は大幅に向上しているものとみられる。
■ポルシェを超えるためには……
このようにアップデート後のWRX STIのウィークポイントはほぼ改良されつくしたかのように見られるが、ライバルをポルシェなどのスーパーカーに片足を突っ込んだモデルに設定すると、実はまだまだあるのだ。
その代表的な例が水平対向エンジンの搭載位置。現状ではウエットサンプ方式を採用するが、搭載位置ではまだまだ高い。エンジンの横幅を狭くし搭載位置を低くする。またドライサンプ化とともに、フロントにダブルウィッシュボーンを採用することができるので、それが実現すればすばらしいハンドリングが期待できる。ポルシェを喰う日がくるかもしれない。
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