現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【試乗】新型スバル WRX S4|CVTの性能が著しく向上。ジェントルさが一層増した乗り心地

ここから本文です

【試乗】新型スバル WRX S4|CVTの性能が著しく向上。ジェントルさが一層増した乗り心地

掲載 30
【試乗】新型スバル WRX S4|CVTの性能が著しく向上。ジェントルさが一層増した乗り心地

ディテールと空力にとことんこだわったエクステリア

すでにちらほらと見かけつつある新型スバル WRX S4。ヘッドライトからうかがえるシャープなヘッドライトと、マットブラックの樹脂で作られたフェンダーアーチがとても印象的で、新しさを感じさせる。 フェンダーやアンダーパネルの一部に樹脂むき出しの空力パーツを使用しているが、聞けばこれは、表面に流れる空気を整流する加工が施されているという。

スバル WRX S4(現行型)のカタログはこちら

派手さはないがディテールの鬼となりこだわりをもって作られている点が、個人的に好きな開発秘話である。 すでに様々なメディアで試乗記があげられているが、私流に先代と比較しながらサーキットを走ってみたのでお伝えしたい。 

以前から不満だったCVTが改良されスムーズな走りが可能に

今回試乗したのは、STI Sport R EXグレードだ。

インテリアの質感は先代よりも曖昧さがなくなり、精度の高い樹脂加工がソリッドで高い質感を醸し出す。D断面のステアリングホイールも太くスパルタンでしっかりとした質感だ。 エンジンを始動すると、独特なスバルのクランキングの音が聞こえてくる。これは先代と変わらない。落ち着きあるアイドリングは大人の風格が増したようである。 まずは、DレンジNormalモードでコースインだ。

アクセル負荷をかけながら踏み込む。トルクの立ち上がりがリニアで扱いやすいが、それ以上にCVTの動きがとても自然だ。

以前からスバルの不満といえば、トルク増大を狙うあまり違和感が目立ったCVTと、クラッチ式のエアコンプレッサーにあったが、新型WRX S4では両方とも改善されている。 1コーナーからグングン速度を上げて、慣性におけるロール時のスタビリティを確認する。サスペンションの取り付け剛性と相まったしなやかで安定感ある追従性によって、先代との違いがはっきりとシャシーに表われる。

エンジンの排気量は2.4Lとなったが、マキシマムパワーは先代よりも抑えがちで10%弱落としている。パワー以上に扱いやすさを重視したようで、このジェントルな出力特性が一層大人のスポーツセダンとして昇格させている。 フルブレーキング時からのコントロール性は、先代に比べておとなしく安定感抜群である。ターンインでのステアリング操作も最小限で美しく曲がることができる。

ちなみに、ESCは通常走行と同様にオンの状態で走らせるが、慣性で滑っても急激な介入ではなくコントロール性を第一にしている点が先代とは違う印象だ。ハイスピードで縁石に片足を乗せた瞬間の挙動もスタビリティに狂いはない。

そして何度も言うが、CVTの性能が著しく向上している。

新型レヴォーグに試乗した際、トランスミッションの開発者に「とにかくCVTを何とかしてほしい」とコメントさせていただいたのだが、実はそのときにはすでに改良したCVTの開発がほぼ終わっていたというのである。

とにかくエンジンの出力と走行条件に合った連続的なレシオのチューニングが際立っている。このチューニングによって、出力のトルク変動が滑らかになり車体安定さも作り出していると言える。 

乗り心地と安定感の向上によりドライバーの安心感が高まった

次に、ドライブモードセレクトをSport+で走らせる。ステアリングフィールといいサスペンションといい、かなり硬派になるがシャシーはみしりともしない。

高速コーナーからの侵入はためがない分シャープに切れ込み、回頭性は一気に高まる。これは、限界が高いが扱いは慎重になるセッティングである。

ComfortやSportモードも試したが、綺麗にステアリングの修正を入れずに自然なカウンタで走らせるのはSport+もしくはNormalモードである。 先代と比較すると明らかに乗り心地の安定感が向上し、フロントの接地性も同じく向上した。よってドライバーの安心感は高まったと言える。

もっともサーキットでの話であるから、一般道ではジェントルさが一層増した印象となるだろう。スバルのスポーツセダンの考え方が、同社の他モデルと異なり、以前よりも深みをもった乗り心地を目指している印象が強かった。

国産市販車ではまだ見えない、奥深い欧州車のチューニングに最も近づいた1台と言える。 文/松本英雄、写真/篠原晃一【試乗車 諸元・スペック表】●2.4 STI スポーツR EX 4WD型式5BA-VBH最小回転半径5.6m駆動方式4WD全長×全幅×全高4.67m×1.83m×1.47mドア数4ホイールベース2.68mミッションCVT前トレッド/後トレッド1.56m/1.57mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)1.93m×1.52m×1.21m4WS-車両重量1600kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員5名車両総重量1875kgミッション位置フロア最低地上高0.14mマニュアルモード◯標準色セラミックホワイト、アイスシルバー・メタリック、マグネタイトグレー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、ソーラーオレンジ・パール、サファイアブルー・パール、WRブルー・パールオプション色イグニッションレッド掲載コメント-エンジン型式FA24環境対策エンジンH30年基準 ☆☆☆☆種類水平方向4気筒DOHC使用燃料ハイオク過給器ターボ燃料タンク容量63リットル可変気筒装置-燃費(JC08モード)12.7km/L総排気量2387cc燃費(WLTCモード)10.8km/L└市街地:7.6km/L└郊外:11.4km/L└高速:12.7km/L燃費基準達成-最高出力275ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm375(38.2)/4800型式5BA-VBH駆動方式4WDドア数4ミッションCVTAI-SHIFT-4WS-標準色セラミックホワイト、アイスシルバー・メタリック、マグネタイトグレー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、ソーラーオレンジ・パール、サファイアブルー・パール、WRブルー・パールオプション色イグニッションレッドシート列数2乗車定員5名ミッション位置フロアマニュアルモード◯最小回転半径5.6m全長×全幅×全高4.67m×1.83m×1.47mホイールベース2.68m前トレッド/後トレッド1.56m/1.57m室内(全長×全幅×全高)1.93m×1.52m×1.21m車両重量1600kg最大積載量-kg車両総重量1875kg最低地上高0.14m掲載用コメント-エンジン型式FA24種類水平方向4気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量2387cc最高出力275ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm375(38.2)/4800環境対策エンジンH30年基準 ☆☆☆☆使用燃料ハイオク燃料タンク容量63リットル燃費(JC08モード)12.7km/L燃費(WLTCモード)10.8km/L└市街地:7.6km/L└郊外: 11.4km/L└高速: 12.7km/L燃費基準達成-

スバル WRX S4(現行型)のカタログはこちら

関連タグ

こんな記事も読まれています

アロンソ、ペナルティの一貫性向上に向けFIAと協議「会長は耳を傾けてくれた」新たなドライビングガイドライン策定へ
アロンソ、ペナルティの一貫性向上に向けFIAと協議「会長は耳を傾けてくれた」新たなドライビングガイドライン策定へ
motorsport.com 日本版
2024 SUPER GT第2戦 FUJI GT 3HOURS RACE Niterra MOTUL Z 高星 明誠 / 三宅 淳組が2位スタートから逆転勝利!8万人のファンとともに盛り上がる
2024 SUPER GT第2戦 FUJI GT 3HOURS RACE Niterra MOTUL Z 高星 明誠 / 三宅 淳組が2位スタートから逆転勝利!8万人のファンとともに盛り上がる
AutoBild Japan
【ブレイズ】ボード&水上バイクのイベント「中部ボートショー2024 in常滑」に出展
【ブレイズ】ボード&水上バイクのイベント「中部ボートショー2024 in常滑」に出展
バイクブロス
テール周りの印象を変える「LED ライン テールライトシリーズ」がダートフリークから登場!
テール周りの印象を変える「LED ライン テールライトシリーズ」がダートフリークから登場!
バイクブロス
日産が新型「3列ミニバン」初公開! 全長5m級&大開口スライドドア採用!? 「エヴァリア」とは 欧州で発表
日産が新型「3列ミニバン」初公開! 全長5m級&大開口スライドドア採用!? 「エヴァリア」とは 欧州で発表
くるまのニュース
4人寝られるSUV! 車中泊が大得意なミツビシ アウトランダーPHEVがベースのキャンパー
4人寝られるSUV! 車中泊が大得意なミツビシ アウトランダーPHEVがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
トヨタの2024年3月期決算、営業利益が日本企業初の5兆円超え 今期は成長投資に2兆円
トヨタの2024年3月期決算、営業利益が日本企業初の5兆円超え 今期は成長投資に2兆円
日刊自動車新聞
ターメリックイエローのホンダ「CT125・ハンターカブ」が1/12スケールで新登場
ターメリックイエローのホンダ「CT125・ハンターカブ」が1/12スケールで新登場
バイクのニュース
[マツダ6後継セダン]だけじゃない!! パクリカーの時代は終わり!! 中国車のクオリティが爆上がりでヤバいゾ日本!!
[マツダ6後継セダン]だけじゃない!! パクリカーの時代は終わり!! 中国車のクオリティが爆上がりでヤバいゾ日本!!
ベストカーWeb
1,000台限定のスペシャル・エディションも発表!  新型「BMW M4 CS」が登場
1,000台限定のスペシャル・エディションも発表! 新型「BMW M4 CS」が登場
LE VOLANT CARSMEET WEB
日本一のラグジュアリームーバー「レクサスLM500h」で巡る古都。伝統と美食の京都を、極上の移動体験とともに味わう【ロングランテスト
日本一のラグジュアリームーバー「レクサスLM500h」で巡る古都。伝統と美食の京都を、極上の移動体験とともに味わう【ロングランテスト
Webモーターマガジン
アルボン「週末を通じてグリップ不足。チームに加入して以来最も困難なレースのひとつ」:ウイリアムズ F1第6戦決勝
アルボン「週末を通じてグリップ不足。チームに加入して以来最も困難なレースのひとつ」:ウイリアムズ F1第6戦決勝
AUTOSPORT web
初夏の北軽井沢でアウディ最新モデルを堪能! 「あさま空山望」とのコラボキャンペーンは5月20日まで募集中
初夏の北軽井沢でアウディ最新モデルを堪能! 「あさま空山望」とのコラボキャンペーンは5月20日まで募集中
THE EV TIMES
周冠宇「最高速でウイリアムズに敵わず、追い抜ける距離まで差を詰められなかった」:キック・ザウバー F1第6戦決勝
周冠宇「最高速でウイリアムズに敵わず、追い抜ける距離まで差を詰められなかった」:キック・ザウバー F1第6戦決勝
AUTOSPORT web
ストロール「早めのピットストップをしたが、その数周後にSCが出て戦略が台無しに」:アストンマーティン F1第6戦決勝
ストロール「早めのピットストップをしたが、その数周後にSCが出て戦略が台無しに」:アストンマーティン F1第6戦決勝
AUTOSPORT web
全12台の電動ツーリングカー完成。各陣営納車後に即ロールアウト「これまでで最大の前進」/STCC
全12台の電動ツーリングカー完成。各陣営納車後に即ロールアウト「これまでで最大の前進」/STCC
AUTOSPORT web
京都~奈良~和歌山直結「京奈和道」最後の”ブツ切れ区間”どうなった!? 橋桁ニョキニョキ進行中&壮大な「地下トンネル」の計画とは
京都~奈良~和歌山直結「京奈和道」最後の”ブツ切れ区間”どうなった!? 橋桁ニョキニョキ進行中&壮大な「地下トンネル」の計画とは
くるまのニュース
ベッテルの名前はなし。ル・マン24時間、全車のエントリー固まる。FIA F2王者ドルゴヴィッチ初参戦へ
ベッテルの名前はなし。ル・マン24時間、全車のエントリー固まる。FIA F2王者ドルゴヴィッチ初参戦へ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

30件
  • 開発ストーリーも大切だし、実用域での楽しさ、使い勝手の良さ、走りの質感向上は分かるけれども、カッコ悪いスポーツセダンにわざわざ乗りたいと思うユーザーは少ない。こう言う車ほど、見た目が重要だと思いますが。
  • ジェントルなWRXがご所望の向きにはよろしいんではないですかね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

447.7623.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

173.3490.8万円

中古車を検索
WRX S4の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

447.7623.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

173.3490.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村