究極のV12フロントエンジン搭載車
text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
【画像】至高のV12もまもなく終了?【812スーパーファストを電動モデルとじっくり比較する】 全122枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
フェラーリ812スーパーファストの新しい特別仕様車が一部公開された。フェラーリのロードカーの中で最もパワフルなエンジンを搭載している。
「フェラーリのコンセプトである究極のフロントエンジン・ベルリネッタを表現したもの」と言われるこのモデルは、スタイリング、メカニカル、ダイナミクスにアップグレードが施されており、その性能はハイブリッド・スーパーカーのラ・フェラーリとSF90ストラダーレに匹敵する。
フロントに搭載されたV12エンジンの出力は800psから830psに向上しており、これはランボルギーニのシアンFKP 37の出力をわずかに上回っている。
排気量が6.5Lのままであるかどうかはまだ公表されていないが、出力向上のために行われた変更の一部が明らかになっている。フェラーリによると、「エンジンの主要部品の多く」を再設計したほか、新しいバルブタイミング機構や新しいエグゾーストシステムを導入しているという。
また、レブリミットが8900rpmから9500rpmに引き上げられたことも確認されている。これにより、これまでのフェラーリの市販エンジンの中で最も高回転型のものとなり、公道走行可能なV12エンジンの中で最高の回転数を実現している。
これにより、812スーパーファストの0-100km/h加速のタイムは2.9秒から2.5秒近くに短縮され、最高速度は標準車の340km/hを上回ることになる。これまでのところ、フェラーリは公式な性能数値を発表していないが、このエンジンが「純粋かつブルータルなパワー」を発揮すると述べている。
リアウィンドウはアルミパネルに
この特別仕様車では、ストレートの加速性能だけでなく、ハンドリングの向上も目指した。特に、4輪操舵システムが採用されたことで、「コーナリング時の敏捷性と正確性の感覚を高め、ステアリングの入力に対して比類のない応答性を実現する」という。
カーボンを徹底的に使用することで、812スーパーファストの1630kgの車両重量を削減したとされるが、具体的な数値はまだ明かされていない。
バンパー、スプリッター、ディフューザーが新しくなったほか、リアウィンドウは従来のガラスではなくアルミパネルとなり、「ボルテックス・ジェネレーター」と呼ばれる大型ルーバーが取り付けられている。さらに、リアスポイラーが高くなっている点も特徴的だ。
発売日などの詳細は未確認だが、「フェラーリの最も情熱的なコレクターや愛好家」を対象としていることから、生産台数は2桁台前半になると予想される。また、標準的な812スーパーファストの26万ポンド(3912万円)を大幅に上回る価格設定となるだろう。
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