ERCヨーロッパ・ラリー選手権で通算5勝を記録するクレイグ・ブリーンが、インド国籍の企業であるMRFタイヤとジョイントして2020年シーズンに復帰参戦することが決まり、コドライバーのポール・ネイグルとともに、トップ・プライベーターのBRCレーシングが走らせるヒュンダイi20 R5をドライブすることとなった。
2月13~16日に行われた2020年のWRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンでヒュンダイi20クーペWRCをドライブしたブリーンは、2011年のWRCアカデミー、2012年のSWRCとふたつのサポートカテゴリーでタイトルを勝ち獲った経験を持つなど、国際レベルのドライバーとして活躍を演じてきた。
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2013年からはERCの本格プログラムを開始し、2年連続ドライバーズランキング3位を記録。2015年の同ランキング2位を足がかりにシトロエンのワークスチームに加入し、念願のWRC最上位クラス昇格を果たした。
さらに2019年にはヒュンダイに移籍しWRカーで2戦にエントリーすると同時に、異なる4車種のR5車両(現ラリー2車両)で勝利を飾るなど、ドライビングの器用さと技術的な理解度の高さを証明。2020年のラリー・スウェーデンでは総合7位を獲得している。
今後も「世界選手権での活躍がメインターゲットに変わりない」と語るアイルランド出身のブリーンだが、ERCでの経験と開発力、そしてスピードの観点から、インド発のタイヤメーカーは国際シリーズでの開発プログラムを継続する理想的なパートナーに指名。ヒュンダイのトップカスタマーでもあるBRCレーシングとともに、2020年は全8戦のERCイベントを戦う。
「MRFタイヤとともに、この冒険を始められることを喜んでいるし、とても光栄だ」と意気込みを語った30歳のブリーン。
「2019年も彼らのためにタイヤ開発の面に重点を置いて協力してきたが、今シーズンはヨーロッパ・ラリー選手権で本格的な開発プログラムを進められることを楽しみにしている。未経験の新しいイベントはもちろん、僕が過去に戦ったいくつかのラリーに戻ることは素晴らしい冒険になるだろうね」
「MRFタイヤ、BRCレーシングチーム、ヒュンダイ・モータースポーツ・カスタマーレーシングにとって素晴らしい1年になるだろう。開幕戦のアゾレス・ラリーからプログラムを開始するときを、今から楽しみにしている」
国際ラリーの舞台で存在感を増しつつあるチームMRFタイヤは、FIA APRCアジア-パシフィック・ラリー選手権(通称アジパシ)で9度のタイトルを獲得。そのうち3回を、地元インドのトップドライバーであるガウラブ・ギルとともに達成している。
そのギルとともに2018年からWRCでのプログラムを開始したチームMRFタイヤは、同年4戦にエントリー。続く2019年にはブリーンとともに元WRCワークスドライバーであるミッコ・ヒルボネンを招集し、次世代MRFタイヤを開発するための本格テストプログラムに乗り出していた。
MRFタイヤの副会長兼マネージングディレクターのアルン・マーメンは、この2020年に向け「クレイグ・ブリーン、ポール・ネイグル、BRCレーシングチーム、そしてヒュンダイ・モータースポーツ・カスタマーレーシングなど各分野の優れた専門家と仕事をすることは、大きな特権だ」と期待を寄せる。
「MRFタイヤは長らくモータースポーツ活動に力を入れ、インドとアジア太平洋地域でのラリーにおいて誇りある歴史を築いてきた。 APRCで9つのタイトルを得て次のステップに進み、インドのモータースポーツ文化をヨーロッパ・ラリー選手権に持ち込むのにふさわしい時が来たと感じている」
「欧州のライバルたちと競い合うことがどれほど困難なチャレンジかは理解しているつもりだが、シリーズに長期的に関わっていくことを約束するとともに、そこで学び、進化することを目指している。つまり、我々MRFタイヤはインドでNo.1のタイヤメーカーであり、インドのモータースポーツ文化のパイオニアでもあるのだ」
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