WEC(世界耐久選手権)のハイパーカークラスに参戦するチームが来季から、6時間レースなどでドライバーをふたり体制に変更することを阻止しようとする動きがあったものの、レギュレーション変更は見送られることになりそうだ。
この提案は、BMWのファクトリーチームを運営するチームWRTが行なったものだ。WRTのヴァンサン・ボッセ代表は、キャデラックが今年の6時間レースでふたりのドライバーのみを起用することを決定したことに反発し、この呼びかけを行なっていた。しかしボッセ代表は、チームとメーカーがふたりか3人のどちらの体制でレースに臨むかを決定できる現状が維持される可能性が高いことを認めた。
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実際、キャデラック2号車はイモラやスパ、インテルラゴス、オースティンをアール・バンバーとアレックス・リンのふたり体制で戦っていた。開幕戦ルサイルではセバスチャン・ブルデー、ル・マン24時間レースではアレックス・パロウが加わり、3人体制としていた。
他にも、第3戦スパではフォーミュラEと開催日程が被った影響で、ふたり体制にならざるを得なかったチームもあった。
全会一致で各チームの支持が得られない限り、競技規則が変更され、ドライバー3人の起用が義務付けられることはないだろう。
「もし変更があれば、私は驚くだろう」とボッセ代表はmotorsport.comに語った。
「ほとんどのメーカーが新ルールの導入に反対しているようだ」
ボッセ代表は以前から、戦略的にドライバーふたり体制でエントリーすることに反対の姿勢を明言しており、WECの短距離(6時間)レースではふたりのドライバーを起用したほうが明らかに有利になるため、チームがふたりのドライバーを起用するか3人のドライバーを起用するかをルールに明記すべきだと主張した。
「ふたりのドライバーを起用したほうがコースタイムやチーム戦略の面で有利なのは明らかだが、1年で最も大きなレースであるル・マン24時間では3人のドライバーを起用することにしている」
ボッセ代表は7月にmotorsport.comに対して語っていた。
「ふたりであれ3人であれ、何人のドライバーを走らせなければならないかを規則で明確にしてほしい」
こうしたボッセ代表の意見に対して、ドライバーを3人ラインアップすることを義務付ける複雑さと、そのために必要となる多くのルール変更が原因で、大多数のチームが変更に反対していると考えられている。
現状、ハイパーカークラスにおいてはドライバーの走行時間に関する規定はなく、ル・マン24時間レースにおいてさえ、チームがリザーブドライバーを指名する義務もない。
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのマネージングディレクターを務めるジョナサン・ディウグイドは次のように語っている。
「それ(変更)によってレギュレーションがかなり複雑になるだろう」
「スペアドライバーが帯同するレースもあるが、すべてのレースに帯同するわけではない。今のところ、ドライバーの1人が病気になったとしても、(ふたりで)週末を乗り切ることができる」
「もしドライバー3人制を強制するようになれば、特にスペアドライバーを用意できないようなイベントとの兼ね合いで問題が生じてしまうだろう」
「また、ドライブするのが複雑なマシンなので、準備不足のドライバーを投入することは避けたいんだ」
「”安全性”というSワードを投げつけるのは好きではないが、これはおそらくそのカテゴリーに入るものだろう」
プジョー・スポールのテクニカルディレクターであるオリビエ・ジャンソニーは、レギュレーションを現状維持することを求める同様の主張を展開。前述したように、前述したようにジャン-エリック・ベルニュとストフェル・バンドーンがフォーミュラEに出場する必要があったため、5月のスパで2台4人体制とした際のことを指摘した。
「スパで見つけた解決策は良い妥協点だった。レギュレーションは変えずにキープしたい」
「もし3人のドライバーがいて、そのうちの1人に何かあったら、いつでもふたりだけでレースをすることができる。レギュレーションを現状維持するよう働きかけている」
フェラーリ・AFコルセのチームマネージャーであるバッティ・プレグリアスコも、「現状のままであるべきだ」と語った。
プレグリアスコはまた、チームやメーカーがシーズン中にドライバーを変更することを禁止するといった提案もしており、これはフォーミュラEに参戦するドライバーを擁するチームに深刻な影響を与える可能性がある。
「ドアを開けておくことは重要だ」とプレグリアスコは語った。
「我々は6人のドライバーに満足しているが、メーカーがル・マンのために有名ドライバーを起用したいと考えることも理解できる」
「しかしそれは、もしかしたらシーズンを通して参戦していたドライバーがパフォーマンスを失うことになるかもしれない」
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