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STANLEY牧野任祐も驚いたQ1トップ。予選上位陣のポール8号車ARTA包囲網/第4戦富士GT500予選

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STANLEY牧野任祐も驚いたQ1トップ。予選上位陣のポール8号車ARTA包囲網/第4戦富士GT500予選

 今季2度目の富士開催となるスーパーGT第4戦、予選Q1では40kgのサクセスウエイト(SW)を搭載した100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTがトップタイムをマークして、周囲を驚かせた。結果的に100号車STANLEYは予選2番手となったが、6kgのSWでポールを奪い、圧倒的優勝候補に挙がる8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTとどう戦うのか。予選上位陣のドライバーたちに聞いた。

「自分のアタックどうこうというよりも、朝の走行全部、フリー走行からGT500専有走行、FCYテスト、サーキットサファリ、自分たちが持ち込んできたセットアップが思っていたところにいなかったというのが判明しました。そのことをまずエンジニアに気づいてもらえて、予選に向けて合っていなかった部分を合わせてもらったら、パフォーマンスが上がったという感じでした」と、予選日を振り返る100号車STANLEYの牧野任祐。

  予選Q1のアタックを担当してトップタイムをマークし、牧野は「サクセスウエイトで40kg積んでいての順位を考えると、ビックリですね」と、本人も驚く、好パフォーマンスを見せた。

「燃料リストリクター制限(50kg~)に入らないところでは、富士だったらなんとかなるのかなと思いました。自分たちとしても想像以上のパフォーマンスは出せたかなと思います。正直、8号車に前に行かれるのは、SWの違いがかなりあるので(34kg差)。自分たちが想定していたよりも、いいパフォーマンスが出せたかなと思います。クルマの特性としては単純に言えば、曲がるようになりました」と牧野。

 その圧倒的優勝候補の8号車ARAと、決勝ではどう戦うのか。

「明日は正直、8号車が前にいるので、もちろん向こうの方がウエイトも軽いので速いのは当然たと思いますけど、自分たちはウエイトがそれなりに載っている状態でランキングトップの36号車(au TOM'S GR Supra)を追いかけないといけない。しっかり自分たちの仕事をして優勝を狙っていくのは当然ですけど、チャンピオンシップも考えながら、自分たちが持っているものを最大限、出せたらなと思います」

⚫︎GRスープラ勢最上位、4番手グリッドのKeePer CERUMO GR Supra

 予選上位トップ3がホンダ・シビック・タイプR-GTとなった今回の予選で、GRスープラ勢として最上位の4番手となったのが38号車KeePer CERUMO GR Supraだ。Q1を担当して7番手となった石浦宏明が予選を振り返る。

「アタック自体はそれなりにまとめられたかなと思うのですけど、自分のアタックの時にちょっとリヤのグリップが足りない雰囲気が合ったので、Q2に向けてちょっとセット変更をして行って、大湯(都史樹/Q2で2番手)は『そこまでリヤのグリップはなくはなかった』と言っていたので、予選の組み立てとしては順調に行ったのかなと思います」と石浦。

 決勝に向けては、「今日の朝に走った時はロングも比較的良かった感触でしたが、もう一段上げないとダメだと思うので、今、エンジニアがそれを考えてくれています。ポールの8号車は朝のロングも速そうでしたし、サクセスウエイトは向こうが圧倒的に軽いですけど(22kg差)、ここから組み立てて一段レベルを上げられれば決勝でも戦えると思っています」と、決勝に期待する。今季はレースで強さを見せているGRスープラ陣営だけに、ピットタイミングやピット作業がポイントになりそうだ。

3番手Modulo CIVIC、決勝も自信あり。伊沢拓也が感じた手応えとQ1で大草りきが抱いた悔しさ/第4戦富士GT500予選

 同じくGRスープラ陣営の中で、予選Q2で3番手タイムをマークし、総合8番手の14号車ENEOS X PRIME GR Supra、福住仁嶺は「感触としてはQ2に向けてセットアップをアジャストした部分がいいところだけでなくて、良くなかった部分もありました。それでもQ1を担当した大嶋(和也)選手のフィードバックのおかげでいろいろとアジャストできたので、もう少し巻き返したかったなあという印象もあるので、ちょっとだけ悔しいアタックでした」と、予選を振り返る。

 その福住は、GRスープラとシビックのパフォーマンス差を、厳しい目で見ている。

「ライバル勢と比べても、今回もGRスープラは厳しいところがあるかなと思います。直線のトップスピードという部分でも他メーカー、特にホンダがシビックに変わってからストレートが非常に速いですし、NSXから取り組んできたことがシビックでできたと思うので、オーバーテイクという部分では正直、難しい部分があるのかなと思います」と福住仁嶺。

「ただ、ストレート以外のところでしっかりといいクルマを作って、レースではしぶとく少しでも前に行けるようにと思っています。現実的なことを言えば5位、良くて表彰台に乗れたら満足かなというのが正直なところです」と決勝を見つめる。

 また、ニッサンZ勢ではランキング2番手の3号車Niterra MOTUL Zがランキングトップの36号車auに先行する予選12番手となり、決勝での両者の戦いが注目される。60kgのSWながら、Q2で9番手となった3号車Niterraの三宅淳詞が予選を振り返る。

「もちろん、クルマが重いことと燃リスで厳しいのは予想していたのですけど、朝の90分のフリー走行からクルマのバランスとか改善したい部分があったので、高星(明誠)選手に改善してもらい、Q1の高星選手からコメントを頂いてアジャストしたので、その効果があって、トップではないですけど、重いなりにはうまく行ったのかなと思います」と三宅。

 3号車Niterraの決勝は、ランクトップの36号車auを意識する展開となりそうだ。

「もちろん、全員ライバルなので負けたくないですけど、現実的なランキングを見ると、ライバルは36号車になりますし、実際、前回の鈴鹿では予選では前にいたのにレースでは気づいたら前に行かれている、みたいなレース強さを感じました」

「今回はチームのみなさんと打ち合わせしてきて、そういう部分で僕らの強みとして戦っていければ、今後もウエイトとか燃リスで上位に行ける可能性は薄いかもしれないですけど、最後はチャンピオンになれると思うので、今、僕たちができることをしっかりやっていければいいかなと思っています。もちろん、36号車は意識してしまうかもしれないですけど、それよりも1ポイントでも多く獲ることがシーズン後半に効くと思っています」と三宅。

 優勝争いに、シリーズランキング争い、日曜のGT500の決勝レースはさまざまなポジションで見どころの多い展開になりそうだ。

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